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資料管理ID syu06110710482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、イチョウの実中毒に関する報告を公表
資料日付 2023年7月19日
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概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは7月19日、イチョウの実中毒に関する報告を公表した。概要は以下のとおり。
 同センターは、ニュースレター「Food Safety Focus」(第204号、2023年7月)に報告「イチョウの実中毒」(報告者:食物安全センターリスク評価グループ、科学主任・博士林漢基)を掲載した。
 香港衛生署衛生防護センターは6月、イチョウの実との関連が疑われる中毒事例について公表した。事例の57歳の男性は、親戚から贈られた約50粒のイチョウの実をスープで煮て喫食した後、めまい、吐き気、嘔吐、倦怠感、頭痛及び心拍数増加などの症状が現れた。本記事ではイチョウの実中毒について簡単に紹介する。
・ イチョウの木とイチョウの実中毒
 イチョウの木は世界最古の樹種の一つであり、多くの国で人気のある観賞樹である。イチョウの実を一度に食べすぎると、実に含まれている自然毒により中毒を引き起こす可能性がある。イチョウの実中毒事件は、中国本土、韓国、及び日本など、イチョウの実が飲食物としてよく使用される地域で発生している。
・ イチョウの実の毒
 イチョウの実には、ギンゴトキシン(4’-メトキシピリドキシン)、メトキシピリドキシングルコシド、シアン配糖体などのさまざまな自然毒が含まれている。これらの毒素のうち、4’-メトキシピリドキシンはイチョウの実中毒を引き起こす主な毒素であると考えられている。
 4’-メトキシピリドキシンはイチョウの実の栄養貯蔵組織に存在し、その化学構造はビタミンB6に似ている。4’-メトキシピリドキシンは、ビタミンB6を必要とするプロセスであるグルタミン酸からのガンマ-アミノ酪酸(GABA)の生成過程を含め、ビタミンB6の生合成、代謝、及び機能を妨げることができる。ガンマ-アミノ酪酸及びグルタミン酸はいずれも神経細胞間で情報伝達の役割を果たしている。ガンマ-アミノ酪酸の減少とグルタミン酸の増加という二重の作用下で、イチョウの実中毒患者にてんかん発作を引き起こさせると考えられている。
・ イチョウの実中毒の症状
 イチョウの実中毒において最も懸念されるのは急性毒性で、毒に当たると、通常、食後1~12時間で、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、錯乱、けいれんなどの症状が現れる。
 子どもは特にイチョウの実中毒にかかりやすい。大量のイチョウの実を摂取した重篤なケースでは、患者が意識を失い、死に至るケースもある。イチョウの実中毒に対する解毒剤はなく、治療は、各中毒症例の症状に応じて、さまざまな症状を軽減することに重点が置かれる。
・ 加熱調理するとイチョウの実の毒素を取り除くことができるか?
 4’-メトキシピリドキシンは比較的熱に強いため、イチョウの実に含まれる毒素を調理によって完全に除去することはできない。しかし、加熱調理することでシアン配糖体などの他の耐熱性のない毒素の毒性を取り除くことができ、それによりイチョウの実の毒性を低下させることができる。未熟で未調理のイチョウの実の毒性はかなり強く、摂取すべきではない。
・ イチョウの実の摂取量に制限はあるか?
 国際連合食糧農業機関(FAO)/世界保健機関(WHO)合同食品添加物専門家会議(JECFA)などを含む食品安全規制機関は、ギンゴトキシンに対する評価を実施しておらず、また、リスク評価に用いる健康影響に基づく指標値を定めていない。コーデックス委員会(Codex)によって確立された関連する食品安全基準もないが、10粒程度の調理されたイチョウの実を、一度に摂取したことによる急性中毒の可能性について指摘した報告がある。よって、消費者(特に子ども)は、調理されたイチョウの実の摂取は一日当たり数個にとどめるべきである。
・ 注意事項
 イチョウの実には様々な自然毒が含まれている。
 加熱調理によりイチョウの実の毒性を減らすことはできるが、除去することはできない。
 一度に10粒程度の調理されたイチョウの実の摂取でも急性中毒を引き起こす可能性がある。
・ 消費者への助言(省略)
・ 業界への助言(省略)
 月刊ニュースレター「Food Safety Focus」の第204号は以下のURLからダウンロード可能。同記事は3ページに掲載。
https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/FSF204_2023_07_19.pdf
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL https://www.cfs.gov.hk/sc_chi/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf.html

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