食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06100680301
タイトル 論文紹介:「現場からの手記:サラダキット製品に部分的に起因するサイクロスポーラ症例の倍増-フロリダ州、2021~2022年」
資料日付 2023年7月7日
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概要(記事)  MMWR(2023, 72(27):751-752、doi: 10.15585/mmwr.mm7227a3)に掲載された論文「現場からの手記:サラダキット製品に部分的に起因するサイクロスポーラ症例の倍増-フロリダ州、2021~2022年(Notes from the Field: Doubling of Cyclosporiasis Cases Partially Attributable to a Salad Kit - Florida, 2021-2022)、著者P Rehme (Florida Department of Health、米国)」の概要は以下のとおり。
・イントロダクション
 サイクロスポーラ症は、原生動物の寄生虫であるCyclospora cayetanensisによって引き起こされる胃腸感染症である。本寄生虫種はヒトにのみ感染することが知られており、本寄生虫を含む糞便に汚染された食品や水を介してオーシストを摂取することにより罹患する。本疾病は1979年に初めて報告され、1994年に本寄生虫が同定され命名された。歴史的には、米国外又は米国に輸入された農産物から罹患するのが一般的であった。近年、米国で報告される症例数が増加しており、2016年の537例から2017年には1,194例と2倍以上に増加し、2018年には3,519例と約3倍に増加した。2019年では4,703例のサイクロスポーラ症例が報告された。近年、当該寄生虫は国内で栽培された農産物でも検出されており、そのような食品が感染の原因となっている。農産物の洗浄は本寄生虫を減少させるが、除去することはできない。
・調査と結果
 フロリダ州では、報告されるサイクロスポーラ症例数が過去10年間で増加しており、2021年は同州で254例が報告され、2022年には513例とその数が倍増した(検査確定例が486例(95%)、推定例が27例(5%))。サイクロスポーラ症の患者276人(54%)に由来する検体が米国疾病管理予防センター(CDC)のサイクロスポーラ遺伝子型別決定プロジェクトに提出され、うち211人(76%)の検体が特定の時間的-遺伝的(temporal-genetic)クラスター・コード(※訳注)と一致した。2022年に報告された513例のうち、469例(91%)が2022年5月1日~8月31日に発症したと報告し、7月初旬がそのピークとなった。
 フロリダ州保健局は、郡の公衆衛生担当職員に対し、2022年5月1日から8月31日までの期間に発症したすべての患者について、CDCサイクロスポーラ症米国仮説生成質問票(CNHGQ)の記入を求めた。質問票に回答した457人のうち330人(72%)が海外渡航歴がないというばく露情報を報告し、そのうち200人(61%)が袋詰めサラダ(あらかじめ洗浄されたサラダ用野菜のパッケージ商品)へのばく露を報告した。袋詰めサラダへのばく露を報告した回答者のうち、85人(43%)が一つの特定の食料品店チェーンに由来するロメインレタスのみを含む特定ブランドのシーザーサラダキットに言及した。この症例クラスターの発症日は6月23日~7月16日で、発症日の中央値は7月1日であった。さらに76人のサイクロスポーラ症患者がシーザーサラダキットへのばく露を報告したが、これらの患者はサラダキットのブランドを思い出せない又は別のチェーン店で購入しており、合計で161例の症例が関連する可能性がある。サイクロスポーラ症の集団発生は過去にも袋詰めサラダと関連付けられたことがある。
 CDCは、ほぼリアルタイムでの疫学的な症例の関連付けを補助するために遺伝子型別決定ツールを使用している。フロリダ州由来の遺伝子型別決定が完了した211検体のうち、153検体(73%)が同じ時間的-遺伝的クラスター(2022_001)に割り当てられた。その中には、袋詰めサラダのクラスターに関連付けられた型別決定済みの45検体のうちの43検体(96%)、及び詳細な識別情報のないシーザーサラダキットへのばく露を報告した76人のうちの30人(39%)の検体が含まれる。当該情報は、製品の遡及調査を支援するために、当該食料品店チェーンからの関連製品の供給元情報とともに米国食品医薬品庁(FDA)と共有されたが、汚染された可能性の高い製品の出所は特定されなかった。
・暫定的結論
 本調査では、遺伝子型別解析の結果、型別データと疫学データの間に強い一致が認められた。CNHGQの回答と遺伝学的データの組み合わせは、同じ感染源に関連する可能性のある症例を特定するためのエビデンスを強化し、今後の調査の指針となり得る。
(※訳注)同じ2週間の期間内に採取された遺伝的に関連した検体は、特定の時間的-遺伝的クラスター・コードが割り当てられる。また、その期間の前後に採取され、当該クラスターの検体と遺伝的に関連付けられた検体にもそのコードが割り当てられる。これら追加検体の収集日に基づいて、そのクラスターの最終的な期間の開始日と最終日が決まる。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) MMWR(2023, 72(27):751-752)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7227a3.htm
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