食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06100180294 |
タイトル | 世界保健機関(WHO)、アスパルテームのハザード及びリスク評価を報道発表 |
資料日付 | 2023年7月14日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 世界保健機関(WHO)は7月14日、アスパルテーム(aspartame)のハザード及びリスク評価を報道発表した。 非糖類甘味料アスパルテームの健康影響に関する評価が、国際がん研究機関(IARC)、世界保健機関(WHO)及び国連食糧農業機関(FAO)の合同食品添加物専門家会議(JECFA)により本日発表された。IARCは、ヒトにおける発がん性の「限定的なエビデンス」を挙げ、アスパルテームをヒトに対し発がん性がある可能性がある(IARCグループ2B)と分類し、JECFAは許容一日摂取量を40 mg/kg体重と再確認した。 WHOの栄養及び食品安全部長Francesco Branca博士は「アスパルテームの評価では、通常使用される用量において安全性に大きな懸念はないが、潜在的な影響については、より多くの、より良い研究により調査される必要があることが示されている」と語った。 アスパルテームの摂取に関連した潜在的な発がん性のハザード及びその他の健康リスクを評価するために、二つの機関が、独立し、しかし補完的なレビューを実施した。IARCがアスパルテームを評価するのは今回が初めてで、JECFAは3回目である。 利用可能な科学的文献をレビューし、両機関の評価は、がん(及びその他の健康影響)に関する利用可能なエビデンスは限定的であると指摘した。 IARCは、ヒトにおけるがんに関する限定的なエビデンスを根拠に、アスパルテームをヒトに対して発がん性(具体的には、肝臓がんの一種である肝細胞がん)の可能性がある(グループ2B)に分類した。また、実験動物においてはがんに関する限定的なエビデンスと発がんメカニズムに関連する限定的なエビデンスがあった。 JECFAは、評価されたデータから、以前確立された0~40 mg/kg体重のアスパルテームの許容一日摂取量(ADI)を変更する十分な理由はないと結論した。したがって、JECFAは、ヒトが1日に摂取する量はこの範囲内であれば安全であることを再確認した。例えば、200 mg又は300 mgのアスパルテームを含むダイエット清涼飲料水1缶の場合、体重70 kgの成人がADIを超えるためには、他の食品源からの摂取がないと仮定し、1日に9~14缶以上を摂取する必要がある。 IARCのハザードの特定は、ある物質の特異的な性質とその有害性、すなわちがんを引き起こす可能性を特定することにより、その物質の発がん性を理解するための最初の基本的なステップである。IARCの分類は、ある物質がヒトにがんを引き起こす可能性があるかどうかに関する科学的エビデンスの強さを反映したものであるが、あるばく露レベルでのがん発症リスクを反映したものではない。IARCのハザード評価は、全ての種類のばく露(食事性、職業等)を考慮する。グループ2Bのエビデンスの強さの分類は、4段階中3番目に高いレベルであり、一般に、十分な根拠はないが、ヒトにおけるがんに関して限定的なエビデンスがある場合、又は実験動物におけるがんに関して十分なエビデンスがある場合のどちらかで使用されるが、双方ある場合には使用されない。 IARCモノグラフ・プログラムのMary Schubauer-Berigan博士は、「ヒト及び動物における発がん性の限定的なエビデンス、また発がん性の発生メカニズムに関するエビデンスも限定的なため、アスパルテームの摂取が発がん性のハザードをもたらすかどうかに関する理解を深めるために、さらなる研究が必要であることが明らかになった」と述べた。 JECFAのリスク評価は、特定の条件及びばく露レベルにおいて、特定の種類の有害性、すなわちがんが発生する確率を測定する。JECFAがIARCの分類を考慮に入れることは珍しいことではない。 WHOの食品・栄養に関する基準・科学的助言ユニット長Moez Sanaa博士は、「JECFAはまた、動物及びヒトの実験における発がんリスクに関するエビデンスを検討し、アスパルテームの摂取とヒトにおけるがんとの関連を示すエビデンスには説得力がない」と結論した。「我々は、既存のコホートにおいて、より長期間の追跡調査や食事に関するアンケートを繰り返して行う、より良い研究を必要とする。インスリン調節、メタボリックシンドローム及び糖尿病、特に発がん性に関連するメカニズム経路の研究を含むランダム化比較試験が必要である」と述べた。 アスパルテームの影響に関するIARCとJECFAの評価は、ピアレビュー済み論文、政府報告書及び規制目的で実施された研究等、様々な情報源から収集された科学的データに基づいている。これらの研究は独立した専門家によりレビューされており、IARC及びJECFAは自らの評価の独立性と信頼性を確保するための措置を講じている。 |
地域 | その他 |
国・地方 | その他 |
情報源(公的機関) | 世界保健機関(WHO) |
情報源(報道) | 世界保健機関(WHO) |
URL | https://www.who.int/news/item/14-07-2023-aspartame-hazard-and-risk-assessment-results-released |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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