食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06090560314
タイトル ドイツリスク評価研究所(BfR)、昆虫摂取後のアレルギー反応に関する知識はまだ少ないとの情報を公表
資料日付 2023年6月27日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  ドイツリスク評価研究所(BfR)は6月27日、昆虫摂取後のアレルギー反応に関する知識はまだ少ないとの情報を公表した。概要は以下のとおり。
 2021年、初めて昆虫の一種が欧州連合(EU)で食品の生産向けに許可された。より正確には、イエロー・ミールワーム(Tenebrio molitor)である、その後これまでに、3種の昆虫が追加された。EU委員会はさらなる認可申請を受理している。これらの食品の摂取がどの程度アレルギー反応を誘発するか、あるいはアレルギーを引き起こすかについては、現在も科学的調査が続けられている。
 今のところ、昆虫粉末を含む食品の摂取後にアレルギー反応を起こした症例は数件のみしか知られていない。また、昆虫に対する食物アレルギーの頻度に関するデータは欧州においては今のところない。BfRもドイツにおいてまだ重篤なアレルギー反応を把握していない。これに関して、昆虫食品の摂取がまだまれであることに留意する必要がある。
 最初の昆虫として、イエロー・ミールワームが、2021年6月1日にEU委員会により認可された。その後、トノサマバッタ(Locusta migratoria、2021年11月12日認可)、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus、2022年2月10日認可)、ガイマイゴミムシダマシ(Alphitobius diaperinus、2023年1月認可)が続いた。それらから生産され、認可申請書に記載された食品及び調製品はEU全域で上市することが可能である。認可された条件に従い、昆虫は乾燥、冷凍、ペースト状または粉末状の形態において使用される。昆虫を原料とする、または昆虫を含む食品は新食品であるため、EUの新食品規則の規定に従って認可手続きを経なければならない。この手続きの一環として、欧州食品安全機関(EFSA)による健康リスク評価が行われる。EU委員会による認可は、安全性に関する懸念が生じない場合にのみ可能である。
 これまで認可された昆虫種について、EFSAは意見書において、その都度、昆虫食品のアレルギー誘発の可能性をさらに研究するよう勧告している。その理由は、限定的ではあるが入手可能なエビデンスから、昆虫食品の摂取がアレルギー感作を引き起こし得ること、特定の昆虫タンバク質に対するアレルギー反応を引き起こし得ることが示唆されているからである。専門家は、甲殻類やイエダニにアレルギー反応を起こす人も昆虫食品を摂取することでアレルギー反応を引き起こす可能性があると推測している。これは、それらの種の特定のタンパク質が非常に類似していることにより説明される。専門家はこれを交差反応と呼んでいる。
 昆虫に対する食物アレルギーがどの程度広がっているかは少なくとも欧州では知られていない。この問題を扱った数少ない研究は、昆虫の摂取がより一般的である東アジア地域でのものが多い。また、EUで認可された昆虫から作られた昆虫粉を摂取した後に、アレルギー反応を起こした症例も数件のみである。
 基本的にアレルギー反応は、じんましん、かゆみ、発疹、腫れ等の症状で皮膚に現れる。しかし、息切れ、呼吸器喘息、吐き気、下痢、最悪の場合、アナフィラキシーショックが起こることもあり、生命を脅かす可能性がある。ドイツ、オーストリア、スイスの共同データベースである、アナフィラキシー登録サイト「ANAPHYLAXIE.NET」において、BfRの調査によると、昆虫食を摂取したことによる症例は報告されていない(2023年3月10日現在)。
 また、自発的な報告に基づいた食品による中毒事例やその疑いのある事例が記録されている、BfRの中毒データバンク(Vergiftungsdatenbank)には、昆虫食品による健康苦情事例は登録されていない(ハチミツは除く)。
健康リスクを考察する際、昆虫食の市場がこれまでニッチ市場であったことを考慮しなければならない。つまり、このような食品を摂取する人は、現在少数であることを意味する。
 昆虫食品に関する情報は、BfRのウェブサイトより入手可能。
・ 食用昆虫の安全性に関する研究プロジェクト
https://www.bfr.bund.de/cm/343/forschungsprojekt-zu-sicherheitsaspekten-von-essbaren-insekten.pdf
・ 昆虫は食物アレルギーの原因となるか?(2020年9月24日)
https://www.bfr.bund.de/cm/343/nahrungsmittelallergie-durch-insekten.pdf
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL https://www.bfr.bund.de/cm/343/noch-wenige-erkenntnisse-zu-allergischen-reaktionen-nach-insektenverzehr.pdf
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