食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06090540149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、遺伝子組換えワタCOT102の食品及び飼料用途に対する評価に関する科学的意見書を公表
資料日付 2023年6月26日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は6月26日、規則(EC) No 1829/2003に基づく、遺伝子組換えワタCOT102の食品及び飼料用途に対する評価に関する科学的意見書を公表した(申請EFSA-GMO-DE-2017-141、5月10日採択、PDF版35ページ、DOI:https://doi.org/10.2903/j.efsa.2023.8031)。概要は以下のとおり。
 規則(EC)No 1829/2003に基づきシンジェンタから申請EFSA-GMO-DE-2017-141が提出されたことを受け、EFSAの遺伝子組換え生物に関するパネル(GMOパネル)は、規則(EU) No 503/2013に従い、遺伝子組換え(GM)昆虫抵抗性ワタ(Gossypium hirsutum L.)COT102の安全性に関し、科学的意見を表明するよう求められた。申請EFSA-GMO-DE-2017-141は、欧州連合(EU)域内におけるワタCOT102の輸入、加工、食品・飼料用途を対象範囲とし、EU域内の栽培は含まれない。
 ワタCOT102は、Bacillus thuringiensis AB88株にて発現している天然型Vip3Aa1タンパク質に由来する植物性殺虫タンパク質であるVip3Aa19を発現する。Vip3Aa19タンパク質は、アメリカタバコガ(cotton bollworm)やツマジロクサヨトウ(fall armyworm)等、鱗翅目昆虫数種に対して殺虫活性を有する。ワタCOT102は、抗生物質耐性マーカー遺伝子として使用されるAPH4タンパク質(ハイグロマイシンBリン酸基転移酵素)も発現する。APH4はハイグロマイシンBの4-ヒドロキシル基のリン酸化を触媒し、抗生物質活性を不活性化する。
 分子特性決定データから、ワタCOT102には、vip3Aa19発現カセット及びaph4発現カセット1コピーずつから成る単一のインサートが含まれることが確証された。新たに発現するタンパク質をコードする配列、インサート内オープンリーディングフレーム(ORF)をコードする配列、インサート - ゲノムDNA間接続領域に存在するORFをコードする配列に対する最新のバイオインフォマティクス解析では、安全性上の懸念は提起されない。挿入DNA及び導入形質の安定性は、数世代に渡り確認されている。植物及び微生物が産生するVip3Aa19タンパク質とAPH4タンパク質の生化学的・構造的・機能的特性を比較したタンパク質の特性決定データから、両タンパク質は同等であり、微生物由来タンパク質を安全性試験に適用可能であることが示されている。
 GMOパネルは、実施された圃場試験は比較分析を適切に証拠付けると結論する。ワタCOT102と非GM比較作物との間で特定された農学的/表現型的特性及び成分組成的特性の差異は、酸性デタージェント繊維(acid detergent fibre(ADF))含有量を除き、何れもさらなる評価を必要としなかった。ADF含有量に関する評価の結果から、安全性上の懸念及び栄養学的懸念は提起されない。GMOパネルは、ワタCOT102において発現するVip3Aa19タンパク質及びAPH4タンパク質の毒性及びアレルゲン性に関し安全性上の懸念を特定せず、遺伝子組換え操作によりワタCOT102のアレルゲン性が全体的に変化するという可能性を示すエビデンスはないと判断する。本申請の文脈において、ワタCOT102由来の食品及び飼料の摂取は、ヒト及び動物において栄養学的懸念を提起しない。GMOパネルは、ワタCOT102は、非GMコンパレーター及び試験に用いられた非GMワタ栽培品種と同等に安全であり、食品/飼料の市販後モニタリングは必要ないと結論する。
 導入形質、農学的分析及び表現型分析の結果、ばく露経路及びばく露量を考慮すると、発芽可能なGMワタ種子が偶発的に環境中に放出されても、ワタCOT102は安全性上の懸念を提起しない。市販後環境モニタリング(PMEM)計画及びその報告間隔は、ワタCOT102の意図された用途に則している。
 文献検索により特定された関連文献から、GMOパネルは、ワタCOT102の意図された用途と関連する安全性上の問題を特定していない。
 GMOパネルは、ヒトの健康・動物衛生・環境への潜在的影響に関し、ワタCOT102は、非GMコンパレーター及び試験に用いられた非GM参照栽培品種と同等に安全であると結論する。GMOパネルは、ハイグロマイシンBあるいはAPH4の他の基質を含有する製品が、将来EUにて市場承認を取得した場合、リスク評価の更新が必要となる可能性を考慮している。
 (訳注)
コンパレーター: EFSAの評価書におけるcomparator(s)とは、評価対象となるGMOイベントと可能な限り近い遺伝的背景を有し、GMO栽培条件と同等の条件にて栽培され、以下のEFSAのガイドラインの規定を満たす特定の栽培品種(群)を指す。
Guidance on selection of comparators for the risk assessment of genetically modified plants and derived food and feed
DOI: https://doi.org/10.2903/j.efsa.2011.2149
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8031
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