食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06090490301
タイトル 論文紹介:「一般的に食品を介して伝播する病原体による感染症の暫定的な発生率と動向、食中毒アクティブサーベイランスネットワーク(FoodNet)、米国10地域、2022年」
資料日付 2023年6月30日
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分類2 -
概要(記事)  MMWR(2023, 72(26):701-706、doi: 10.15585/mmwr.mm7226a1)に掲載された論文「一般的に食品を介して伝播する病原体による感染症の暫定的な発生率と動向、食中毒アクティブサーベイランスネットワーク(FoodNet)、米国10地域、2022年(Preliminary Incidence and Trends of Infections Caused by Pathogens Transmitted Commonly Through Food - Foodborne Diseases Active Surveillance Network, 10 U.S. Sites, 2022)、著者MJ Delahoy (Division of Foodborne, Waterborne, and Environmental Diseases, National Center for Emerging and Zoonotic Infectious Diseases, CDC, 米国)ら」の概要は以下のとおり。
 米国では毎年、主要な食品媒介病原体による感染症が推定940万人の疾病、56,000人の入院、及び1,350人の死亡の原因となっている。米国における腸管感染症の予防に向けた進捗を評価するため、食中毒アクティブサーベイランスネットワーク(FoodNet)は、米国の10地域で、一般的に食品を介して伝播する8種類の病原体(訳注:カンピロバクター属菌、サイクロスポーラ、リステリア属菌、サルモネラ属菌、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)、赤痢菌、ビブリオ属菌及びエルシニア属菌)を原因とする検査診断された感染症のサーベイランスを実施している。
 FoodNetは、2020年~2021年の期間中に、COVID-19パンデミック時の行動の変容、公衆衛生介入、及び医療機関の受診・検査慣行の変化に起因する多くの感染症の減少を検出した。本報告では、2022年の病原体別年間発生率の予備的推定値をまとめ、米国保健福祉省の「Healthy People 2030」の目標における基準期間である2016年~2018年の平均年間発生率と比較した。
 パンデミック時の介入の多くは2022年までに終了し、結果として、海外渡航、集団感染及び腸管感染症につながるその他の要因が再開・再出現した。2022年では、カンピロバクター属菌、サルモネラ属菌、赤痢菌及びリステリア菌による疾病の年間発生率は、2016年~2018年の年間平均発生率と同程度であったが、STEC、エルシニア属菌、ビブリオ属菌、及びサイクロスポーラによる疾病の発生率は同期間よりも高かった。培養非依存的診断検査(CIDT)の使用率の増加は、CIDTが広く使用される以前は検出されなかったであろう感染者が特定されることにより、感染症検出の増加に寄与した可能性が高い。
 家きんの食肉処理及び葉物野菜の加工時の病原菌汚染の低減には、食品生産者及び加工業者、小売店、飲食店、及び規制当局の協働が必要である。
・要旨
1. 当該トピックについて、すでに知られていることは?
 一般的に食品によって伝播する細菌性腸管感染症の主要な原因細菌はカンピロバクター属菌及びサルモネラ属菌である。COVID-19パンデミック時(2020年~2021年)の腸管感染症の発生報告数は過去数年と比べて低下した。
2. 本報告で追加されたことは?
 FoodNetにより、2022年はSTEC、エルシニア属菌、ビブリオ属菌及びサイクロスポーラによる感染症が2016年~2018年と比べ増加したことが確認された。カンピロバクター属菌、サルモネラ属菌、赤痢菌及びリステリア菌による感染症発生率には変化がなかった。
3. 公衆衛生慣行における意味合いは?
 COVID-19パンデミックの影響が弱まった2022年において、腸管感染症の発生低減に向けた進展は見られなかった。家きんの食肉処理時の病原菌汚染低減及び葉物野菜の汚染防止のためには、食品生産者、加工業者、小売店、飲食店及び規制当局の協働が必要である。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) MMWR(2023, 72(26):701-706)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7226a1.htm
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