食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06090400373
タイトル スペインカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)、水中のシアノバクテリア及びミクロシスチンに関する文書(acsa brief 2023年5-6月版)を公表
資料日付 2023年6月28日
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分類2 -
概要(記事)  スペインカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)は6月28日、水中のシアノバクテリア及びミクロシスチンに関する文書(acsa brief 2023年5-6月版)を公表した。概要は以下のとおり。
 淡水における有害な藻類であるシアノバクテリアはあらゆる大陸において頻繁にみられるようになっており、その増殖はより大きな懸念となっている。シアノバクテリアは水質を著しく悪化させ、飲用水供給にも影響を及ぼしている。ヒト及び動物に有害な毒素を生成する可能性もある。
(中略)
「シアノトキシンがもたらすリスクの管理」
 フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は最近、レクリエーション用水、飲用水、及び漁業活動におけるシアノバクテリア及びその毒素の存在に係る健康上のリスクに関する意見書を発表した。この研究により、ヒトに危害を及ぼす毒素を生成する淡水性シアノバクテリアのリストが更新された。ANSESはさまざまな水利用に向けて、シアノトキシンのリスク管理の一助となる記録を提供している。また、シアノバクテリアの増殖に関連した淡水魚の摂取禁止及び禁止解除に関する情報も提供している。
 一般的に、従来の水処理(凝集、沈殿、ろ過、塩素消毒)で、シアノバクテリア及び低濃度の毒素の除去は可能である。しかし、深刻なブルーム事例が発生する際は、通常の処理では不十分な可能性がある。このため多くの飲用水システムでは、シアノトキシンの存在に対処するための措置を講じている。
 飲用水生産を目的とした資源の管理戦略は、水体管理者による日常的な監視に基づいていなければならない。シアノバクテリアの増殖が疑われる場合、この監視は水処理システムの改善、水中活動の制限、禁漁などの管理措置の実施を伴わなければならない。これらの措置はすべて、ヒトのシアノトキシンへのばく露を最小限に抑えることを目的としている。例えば、米国環境保護庁(EPA)は、シアノトキシンの濃度が危険なものか否かを、国民に通知するためのプロトコルを確立している。
 魚のシアノトキシン汚染及び排出の割合や、シアノバクテリアのブルーム及び魚の汚染濃度との関連については依然、疑問点がある。ANSESは、消費者のシアノトキシンへのばく露を抑制するためには、淡水魚の喫食あるいは冷凍の前に、頭と内臓をとらなければならないことを指摘している。つまりそれ故に、小さな淡水魚を丸ごと摂取することは避けなければならない。
 表流水の汚染を制限し、水生生態系を保護するためには、ヒトの活動によって影響を受ける水域への栄養素(窒素及びリン)の流出を減らす必要がある。例えば、家畜排水、化合物、下水汚泥、肥料、処理不十分な下水の排出、豪雨時の土壌の浸出等である。
 10日間でヒトの健康に悪影響を与える可能性がほとんどない、飲用水におけるシアノトキシンの最大濃度(EPA):
 これらの濃度は国民に通知しなければならないタイミングを決定する基準として使用される。
・ミクロシスチン
未就学児(及び6歳未満) 0.3 μg /L
学齢児童(6歳以上) 1.6 μg /L
・シリンドロスパーモプシン
未就学児(及び6歳未満) 0.7 μg /L
学齢児童(6歳以上) 3.0 μg /L
「シアノトキシンのリスク管理に向けて、スペインにおける飲用水に適用可能な規則にはどのような措置が定められているか?」
 1月10日付勅令(Real Decreto)3/2023は、飲用水の品質及びその管理・供給に関する技術的・衛生的基準を定めている。この基準は、飲用可能な水道水及び食品事業分野において消費される水に適用される。後者は、食品事業において、摂取を目的とする製品または物質の製造、処理、保存または販売に使用されるすべての水、並びに食品に接触する可能性のある表面、道具及び素材の洗浄に使用される水と定義される。
 附属書Iにおける飲用水が満たすべきパラメータ及びパラメトリック値については、微生物学的パラメータに関しては、ミクロシスチンLRの濃度を1.0 μg /Lあるいはそれ以下と定めている。このパラメータは、水源が完全あるいは部分的に貯水池、湖沼またはラグーンである場合に評価されなければならない。ミクロシスチンLRの濃度が1 μg /Lより高い場合、クロロフィルも検査されなければならず、クロロフィルが50 mg/m3より高い場合は、シアノバクテリア及びその他のシアノトキシンの同定を実施しなければならない。
 容器入り飲料用ナチュラルミネラルウォーター及びスプリングウォーターに関しては、1月10日付勅令2/2023で、それまでの規則(勅令1798/2010及び勅令1799/2010)を改正する最新の規則が定められている。その中で、ミクロシスチンLRパラメータは、水源の水におけるシアノバクテリア細胞の密度増加の可能性がある場合にのみ測定することが示されている。いずれにせよ、パラメトリック値(1.0 μg/L)は、2026年1月12日から適用される。
地域 欧州
国・地方 スペイン
情報源(公的機関) スペインカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)
情報源(報道) スペインカタルーニャ州食品安全機関(ACSA)
URL https://acsa.gencat.cat/es/actualitat/butlletins/acsa-brief/cianobacteris/index.html
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
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