食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06090190149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、有効成分ジメトモルフの農薬リスク評価に関するピアレビューの結論を公表
資料日付 2023年6月23日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は6月23日、有効成分ジメトモルフ(dimethomorph)の農薬リスク評価に関するピアレビューの結論(2023年5月10日承認、30ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2023.8032)を公表した。概要は以下のとおり。
 欧州委員会施行規則(EU) No 844/2012(欧州委員会施行規則(EU) No 2018/1659により改正)は、欧州議会及び理事会規則(EC) No 1107/2009第14条に基づき提出された有効成分の承認更新の手続きを規定する。これらの有効成分のリストは、欧州委員会施行規則(EU)No 686/2012により制定されている。ジメトモルフはそのリストに登録された有効成分の1つである。
 BASF Agro社等複数の申請者から、有効成分ジメトモルフの承認更新申請が提出された。さらに、欧州議会及び理事会規則(EC) No 396/2005第7条に従い、最大残留基準値(MRL)の申請も提出された。
 報告担当加盟国(RMS)から、更新評価報告書においてジメトモルフに関するドシエの最初の評価が提出され、続いてRMSの評価に関する農薬リスク評価のピアレビューがEFSAにより実施された。
 ジメトモルフは、内分泌かく乱の可能性に関し、欧州議会及び理事会規則(EC) No 1107/2009(欧州委員会規則(EU) No2018/605により改正)附属書II第3.6.5項及び第3.8.2項(※訳注1)に規定する非承認に関するカットオフ基準を満たすと結論された。更新手続きの一部として、申請者は、現実的な使用条件下で、ジメトモルフに対するヒト及び(又は)環境のばく露が無視できることを示すことを目的にした追加情報を提出した。さらに、申請者は、植物の衛生に対する深刻な危険を抑制するために殺真菌剤としてジメトモルフが必要であることに関するエビデンスを提出し、欧州議会及び理事会規則(EC) No 1107/2009第4条第7項に基づく特例を申請した。全体として、以下の作物と病原菌の特定の組合せに関し特例が支持可能であると結論された。
・Phytophthora属菌による病害:レッドラズベリー(ベルギー)、ラズベリー(オランダ)等
・Alternaria属菌による病害:馬鈴薯(ブルガリア)、エシャロット(イタリア)等
・べと病:ズッキーニ(リトアニア等)、キュウリ(ベルギー、スウェーデン、デンマーク)等
・褐色輪紋病(Ascochyta hortorum):アーティチョーク(イタリア)
 ピアレビューの過程が終了し以下の結論が導出された。
 EUレベルで提案された殺真菌剤としての代表的な用途は、標的の植物病害生物に対する十分な殺真菌剤としての効果がある。
 データパッケージの評価では、素性(identity)、物理的・化学的特性及び分析法に関連して確定できず、又は重要な懸念領域に含む必要がある問題はなかった。
 哺乳類毒性の領域において、調和がとれた分類と表示規則(※訳注2)における生殖毒性に関しジメトモルフはカテゴリー1B(※訳注3:ヒトへの生殖毒性があると推定される)であり、ヒトの健康に関し内分泌かく乱特性(ヒトに対するエストロゲン、アンドロゲン及びステロイド(EAS)のモダリティ) があるため、重要な懸念領域が特定された。イチゴへの屋内(ドリップ施用を除く)及び屋外用途、レタスへの屋内用途、及びブドウへの屋外用途に関し無視できるばく露基準のうち少なくとも一つの基準が満たされなかった。ジメトモルフの最初の評価の期間に提出され、承認更新のリスク評価を裏付けるために使用された分析法の、欧州委員会のガイダンス文書(2000a)に準拠した透明性のある評価が承認更新評価書(RAR)において利用できなかったため、毒性試験の信頼性評価に関する確定しない問題が特定された。
 データパッケージの評価では、反すう動物に関する消費者リスク評価及びリスク評価の対象物質が確定しない問題が明らかになった。しかしながら、提案された用途では、食品摂取及び飲用水を介した消費者のばく露が無視できることを保証できない。申請されたMRLは利用可能なデータにより部分的に裏付けられた。
 環境中の運命及び挙動において、地表水が飲用に取水される場合、地表水中に存在する可能性がある残留物の性質に水処理が及ぼす影響に対応する情報が欠落していた。このため、消費者リスクは確定できなかった。
 生態毒性の領域において、全ての代表的な圃場用途に関し哺乳類への長期にわたる高いリスクが特定され、常設の温室内の全ての代表的な用途に関し水生生物に対する高いリスクが結論された。大型のトンネル状のハウス内で、ジメトモルフ 5 kg/haをドリップ方式でイチゴに対し施用した場合の水生生物に関するリスク評価は確定できなかった。
 ジメトモルフは欧州議会及び理事会規則(EC) No 1107/2009(欧州委員会規則(EU) No2018/605により改正)附属書II第3.6.5項及び第3.8.2項に準拠し、ヒト及び非標的生物の野生動物に関する内分泌かく乱物質である。
 全ての代表的な用途の評価に関し、土壌、地表水及び底泥中の利用可能な予測環境濃度(predicted environmental concentration:PEC)は日常的に計測可能なレベルを上回るため、環境へのばく露は無視できるとは考えられない。
(※訳注1)カットオフ基準: 欧州議会及び理事会規則(EC) No 1107/2009(欧州委員会規則(EU) No2018/605により改正)附属書II第3.6.5項及び第3.8.2項に規定する非承認に関するカットオフ基準は以下のURLから参照可能
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:02009R1107-20221121&qid=1687749944635
(※訳注2)調和がとれた分類と表示規則:分類、表示及び包装に関する規則(CLP規則)は以下のURLから参照可能
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:02008R1272-20230420&qid=1687754434750
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8032
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