食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06080470149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、大腸菌W派生株により生産される6’-シアリルラクトースナトリウム塩の安全性に関する科学的意見書を公表
資料日付 2023年6月12日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は6月12日、規則(EU)2015/2283に準拠する新食品として大腸菌W(ATCC 9637)の派生株(大腸菌NEO6)により生産される6’-シアリルラクトース(6’-SL)ナトリウム塩の安全性に関する科学的意見書を公表した(4月27日採択、PDF版23ページ、DOI:https://doi.org/10.2903/j.efsa.2023.8025)。概要は以下のとおり。
 欧州委員会からの要請を受け、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、規則(EU)2015/2283に準拠する新食品として大腸菌W(ATCC 9637)の派生株(大腸菌NEO6)により生産される6’-シアリルラクトース(6’-SL)ナトリウム塩の安全性に関する科学的意見を表明するよう求められた。
1. 新食品としての安全性に関する結論
 本申請の対象である当該新食品は、主成分として6’-SLナトリウム塩を含む(82%以上w/w乾物重)。6’-SLは、ヒト乳中に天然に存在するオリゴ糖の複合画分の関連成分として同定されており、ヒトミルクオリゴ糖(HMOs)とも称される。6’-SLは、D-グルコース、D-ガラクトース及びシアル酸から構成されるシアル化(酸性)三糖類である。6’-SLは主要な酸性HMOであり、2’-フコシルラクトース、ラクト-N-フコペンタオースI、ラクト-N-テトラオース、ラクト-N-ネオテトラオースと共に最も豊富なHMOの一種である。NDAパネルは、当該新食品の主要成分は6’-SLナトリウム塩であるが、関連物質、即ち、シアル酸、D-グルコース、D-ラクトース、6’-シアリルラクツロースナトリウム塩、3’-SLナトリウム塩、及び、他の関連糖類も極一部含有されることに留意する。当該新食品は、大腸菌W(ATCC 9637)の遺伝子組換え株(大腸菌NEO6)を用いた発酵により生産され、ナトリウム塩の形態にある精製成分として単離される。
 分光学的解析及びクロマトグラフィー分析のエビデンスに基づき、NDAパネルは、大腸菌NEO6により生産され当該新食品に含有される6’-SLは、ヒト乳中に含まれる6’-SLと同一であり、依って、ヒトと同一ミルクオリゴ糖(HiMO)とみなされると判断する。
 6’-SLナトリウム塩は、遺伝子組換え大腸菌K-12 DH1株を用いた発酵により生産される場合、認可された新食品の連合リストに含まれる(欧州委員会施行規則(EU) 2017/2470)。さらに、遺伝子組換え大腸菌BL21(DE3)株により生産される6’-SLナトリウム塩の安全性は、EFSAにより評価され、肯定的な結果を得ている。6’-SLの構造異性体である3’-シアリルラクトース(3’-SL)のナトリウム塩2種も、大腸菌K-12 DH1或いは大腸菌BL21(DE3)の遺伝子組み換え株により生産される場合、認可された新食品の連合リストに含まれる。
 当該新食品のアイデンティティー、製造工程、成分組成及び規格に関して提供された情報は、安全性上の懸念を提起しない。
 申請者が提案する対象集団は、一般集団である。申請者は当該新食品を、乳児用調製乳及びフォローオン調製乳、特定医療用食品(FSMP)、食品サプリメント等の多様な食品に添加することを意図している。申請者は、遺伝子組換え大腸菌K-12 DH1株による発酵により生産される6’-SLナトリウム塩に対して評価済みである用途・用量と同一の用途・用量を申請している。よって、新たなプロセスにて製造される当該新食品は、類似する成分組成を有し、かつ、乳児用調製乳・フォローオン調製乳・他の食品において評価済みである6’-SLと同程度に摂取される事になるため、新たな摂取量の推定は実施されなかった。ナトリウム摂取量についても同様の考察がなされている。申請者は、当該新食品を添加した他の食品あるいは母乳を同日に摂取する場合、当該新食品を含有する食品サプリメントの使用は意図していないと言明している。当該新食品に含有されるオリゴ糖の他の供給源は、牛乳及び牛乳由来製品である。しかしながら、牛乳及び牛乳由来製品の摂取からの寄与は低い。
 提出された毒性試験において、安全性上の懸念は提起されない。ラットを用いた亜慢性毒性試験において、最高用量である2,168 mg 6’-SL/kg体重/日まで、毒性学的に関連する影響は観察されなかった。
 吸収が限定的であるというヒトミルクオリゴ固有の性質、亜慢性試験にて毒性学的に関連する影響が観察されない点、及び、乳児は自然にこれらの物質にばく露されている点考慮し、NDAパネルは、提案された用途・用量において、当該新食品の摂取は、安全性上の懸念を提起しないと判断する。
 NDAパネルは、6’-SL及びその他の構造的に関連する単糖及びオリゴ糖から構成される当該新食品は、提案された使用条件下において、安全であると結論する。
2. 規則(EU)2015/2283第26条に準拠する独自データの保護に関する結論
 NDAパネルは、申請者が独自であると主張する以下のデータがなければ、提案された使用条件下における当該新食品の安全性に関し、結論に達することはできなかったと考える。
(i) 核磁気共鳴分光法、液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析、高速液体クロマトグラフィー-荷電エアロゾル検出器法で確認された当該新食品のアイデンティティー
(ii) 製造工程
(iii) 遺伝子組換え産生菌株に関する情報
(iv) 当該新食品の成分組成及び安定性
(v) 毒性学的研究及びアレルゲン性研究
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://efsa.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.2903/j.efsa.2023.8025
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