食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06080460149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、新食品としての大腸菌K-12 DH1派生株を用いて生産される3-フコシルラクトース(3-FL)の安全性に関する科学的意見書を公表
資料日付 2023年6月8日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は6月8日、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としての大腸菌K-12 DH1派生株を用いて生産される3-フコシルラクトース(3-FL)の安全性に関する科学的意見書を公表した(4月27日採択、PDF版29ページ、DOI:https://doi.org/10.2903/j.efsa.2023.8026)。概要は以下のとおり。
 欧州委員会からの要請を受け、EFSAの栄養・新食品・食物アレルゲンに関するパネル(NDAパネル)は、規則(EU) 2015/2283に準拠する新食品としての3-フコシルラクトース(3-FL)に関し、科学的意見を表明するよう求められた。
1. 新食品としての安全性に関する結論
 本申請の対象である当該新食品は、主成分として3-FLを含有する(? 90.0% w/w乾燥重)。3-FLは、D-ラクトースのD-グルコース・ユニットにα-(1-3)結合を介して連結したL-フコースから構成されるフコシル化中性オリゴ糖である。3-FLは、哺乳類乳中に天然に存在するオリゴ糖の複合画分の関連成分として同定されており、ヒト乳中に最も高い濃度で存在することから、通常、ヒトミルクオリゴ糖(HMO)と呼ばれる。NDAパネルは、当該新食品の主要成分は3-FLではあるが、D-ラクトース、L-フコース、3-フコシルラクチュロース、及び、その他の関連糖類も極一部含有されることに留意する。当該新食品は、大腸菌K-12 DH1(DSM 4235)の遺伝子組換え株(E. coli K-12 DH1 MDO MAP1834)を用いた発酵により生産される。
 分光学的解析及びクロマトグラフィーから得られたエビデンスに基づき、NDAパネルは、大腸菌K-12 DH1 MDO MAP1834により生産される、当該新食品に含有される3-FLは、ヒト乳中に含有される3-FLと同一であり、依って、ヒト同一ミルクオリゴ糖(HiMO)とみなされると判断する。
 大腸菌K-12 MG1655或いは大腸菌BL21(DE3)の遺伝子組換え株を用いて生産された3-FLは、既にEFSAにより新食品としてとして評価され、肯定的な結果を得ている(2021年、2022年)。さらに、同一の親株である大腸菌K-12 DH1の遺伝子組換え株を用いて生産される他種のヒト同一ミルクオリゴ糖(HiMO)も、欧州連合において新食品として認可されている(2’-フコシルラクトース、ラクト-N-ネオテトラオース、2’-フコシルラクトース/ジフコシルラクトース混合物、ラクト-N-テトラオース、3’-シアリルラクトースナトリウム塩、6’-シアリルラクトースナトリウム塩)。
 当該新食品の製造工程、成分組成、規格に関して提供された情報は、安全性上の懸念を提起しない。
 乳児用調製乳、フォローオン調製乳、特定医療用食品(FSMP)、規則(EU) No 609/2013にて定義される体重管理用総合代替食、指令2002/46/ECにて定義される食品サプリメント、飲料類、及び、その他の多様な食品類(乳製品、シリアル等)において、当該新食品の使用が提案されている。対象集団は一般集団である。
 提出された毒性試験において、安全性上の懸念は提起されない。NDAccessパネルは、亜慢性毒性試験において、1日あたり4,000 mg 3-FL/kg bwの摂取量まで、有害作用は観察されなかったと判断している。
 3-FLがヒト母乳中に存在する天然のオリゴ糖である点から、ヒトの3-FLへのばく露歴は、母乳哺育児と関連し、母乳哺育児の体重ベースにおける3-FL摂取量は、他の人口集団にとっても安全であると予測される。
 NDAパネルは、生後16週齢までの乳児における、乳児用調製乳(のみ)の摂取に由来する3-FLの予測1日摂取量は、母乳哺育児における3-FLの平均最高摂取量(体重ベース)を超過しないことに留意する。全集団カテゴリーにおける、「本申請にて提案されている用途」と「統合した用途(認可済み用途及び提案されている用途の総計)」の双方に由来する3-FLの予想1日摂取量(最大使用量から推定)も、乳児における母乳由来3-FLの平均最高摂取量(体重ベース)を超過しない。
 3歳以上向け食品サプリメント由来3-FLの最大1日摂取量(4 g/日)、或いは、乳幼児向け食品サプリメント由来3-FLの最大1日摂取量(2 g/日)は、母乳哺育児の3-FLの平均最高摂取量(体重ベース)を超過しない。申請者は、当該新食品を添加した他の食品或いはヒト母乳を同日に摂取する場合、当該新食品を含有する食品サプリメントの使用は意図していないと言明している。
 吸収が限定的であるというヒトミルクオリゴ糖類固有の性質、亜慢性試験にて毒性学的に関連する影響が観察されていない点、及び、乳児は自然にこれらの物質にばく露されている点を考慮し、NDAパネルは、提案された用途・用量において、当該新食品の摂取は、安全性上の懸念を提起しないと判断する。
 ヒト母乳の天然成分である他のミルクオリゴ糖と同様、当該新食品の安全性評価は、主として、母乳哺育児の摂取量と新食品としての推定摂取量との比較に基づくことに留意する。
 NDAパネルは、3-FL及びその他の構造的に関連する単糖及びオリゴ糖から構成される当該新食品は、提案された使用条件下において、安全であると結論する。
2. 規則(EU) 2015/2283第26条に準拠する独自データ保護に関する結論
 NDAパネルは、申請者が独自である主張する以下のデータが無ければ、提案された使用条件下における当該新食品の安全性に関し、結論に達する事はできなかったと考える。
(i) NMR分光法等により確認された当該新食品のアイデンティティ
(ii) 製造工程の詳細な説明
(iii) 遺伝子組換え生産菌株に関する情報
(iv) 当該新食品の成分組成及び安定性
(v) 毒性学的情報
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/8026
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