食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06080340475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、リステリア菌を迅速かつ低コストで同定可能な検査法に関する論文の科学誌掲載を公表
資料日付 2023年6月7日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は6月7日、リステリア菌(Listeria monocytogenes)を迅速かつ低コストで同定可能な検査法に関する論文の科学誌掲載を公表した。概要は以下のとおり。
 ANSESは、欧州数か国の食品安全研究機関と共同で、食品由来感染症の原因であるリステリア菌の菌株を、迅速に低コストで同定することができるPCR検査方法を開発した。この検査方法は、すでに複数国で、ヒトのリステリア症例の原因を調査するために使用されている。
 感染は稀であるが、リステリア症は、フランスで食品に起因する死亡原因の第二位である。本感染症は、環境中に存在し、多くの食品(特に加熱処理した豚肉加工食品、チーズ、燻製魚等)で検出されることがある細菌であるリステリア菌(L. monocytogenes)により引き起こされる。最も感受性の高い人々は、免疫不全者、高齢者、妊婦であり、妊婦は流産に見舞われることがある。食品加工生産工場にリステリア菌が存在すると、汚染が処理されない場合、数年にわたり中毒事例を引き起こすおそれがある。そのため、中毒の原因を突き止めることが重要である。
 ANSESは、リステリア菌に関する欧州のリファレンスラボラトリーである。数年に及ぶ研究の結果、同庁は、リステリア菌株が属する遺伝的グループを1日以内に、10ユーロ以下のコストで同定可能なPCR検査方法を開発した。これは、通常使用されるMLST(MultiLocus Sequencing Typing)法が3~5日の分析期間と1菌株の分析あたり150ユーロを必要とすることに比べれば、前進である。
 「我々が開発した検査方法は、欧州の食品から最もよく検出されるリステリア菌の30種類の遺伝的グループ(クローナルコンプレックス(clonal complex)と呼ばれる)を同定することができる。この検査方法は、定常的に全ゲノムシークエンス解析(WGS)を行う資金力のない国々にとって、或いは、迅速な初期選別の実施が可能な方法であるため、多くの検体を分析する必要がある場合に非常に有用である」とANSES食品安全研究所のプロジェクトマネージャーであるBenjamin Felix氏は説明する。
 本検査方法は、菌株の各グループに特徴的なDNA配列の検出に基づいている。
 この新しい方法は、5月に「Microbiology Spectrum」誌に掲載された。
 当該論文「ハイスループット・リアルタイムPCRによる欧州で循環する主要な30種類のListeria monocytogenesのclonal complexの同定」(Microbiol Spectr. (2023, 11(3): e0395422、doi: 10.1128/spectrum.03954-22))は以下のURLから閲覧可能。
https://journals.asm.org/doi/10.1128/spectrum.03954-22
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/methode-plus-rapide-%C3%A9conomique-origine-listerioses
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