食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06070580141
タイトル ブラジル科学技術イノベーション省国家バイオセーフティ技術委員会(CTNBio)、遺伝子組換え小麦HB4商業化の承認に関する覚書を公表
資料日付 2023年3月30日
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分類2 -
概要(記事)  ブラジル科学技術イノベーション省国家バイオセーフティ技術委員会(CTNBio)は3月30日、遺伝子組換え小麦HB4商業化の承認に関する覚書を公表した。概要は以下のとおり。
・「小麦IND-OO412-7(HB4)の栽培に係る商業的放出に関する覚書」
CTNBioは、2023年3月の通常委員会で承認されたTMG社の小麦HB4の商業的放出のプロセスに関する情報の公開を表明する。
1. CTNBioの実績
2. プロセスの評価におけるCTNBioの手順について
3. 実施されたバイオセーフティ評価について
 この決定は、科学的精密さに則したものであり、バイオセーフティ法(Lei No.11.105/2005)及びそれに基づく法的枠組みから発せられるすべての法的要件を厳密に遵守するものである。リスク分析は、以前の商業的放出において使用されたものと同じ手順を使用して行い、常に国際的に受け入れられている基準に基づいており、確固たる科学的知識に重点を置いている。
 CTNBioは、実施されたバイオセーフティ評価に関する技術的な質問を拒否する。小麦IND-OO412-7(HB4)の栽培に係る商業的放出プロセスの専門家によりポイント毎の回答が作成されており、その中で以下の点を強調する。
A. 小麦植物のゲノムに挿入されたDNA配列について、バイオセーフティの観点から望ましくない影響を引き起こす可能性についての評価が行われた。環境に対する重大なリスクは確認されなかった。それどころか、IND-OO412-7小麦植物は表現型的に従来の小麦と類似しており、すべての試験においてトランスジェネシスによって導入された形質が異なるのみである。
B. DNAセグメントの欠失、挿入、及び逆位の現象は、従来の育種プロセスでも発生する。同一種内におけるこれらの現象を報告する文献が多数あり、特に小麦のような倍数体種において顕著である。
C. 申請者によって提供されたデータは、科学的に適切な試験に基づいて、小麦の連続する複数世代に渡る挿入断片の安定性を証明した。さらに、HaHb4遺伝子(水ストレスに対する耐性向上をもたらす)とbar遺伝子(グルホシネートアンモニウム耐性をもたらす)は、メンデルの法則に則り、一団となり遺伝する(共分離する)。
D. 多様な生物のゲノムの特性を決定して「解読」する現在のゴールドスタンダードであるPACBIOプラットフォームを用いたサザンブロット及びDNAシーケンスにより挿入遺伝子は評価され、二つの挿入が起こったゲノムの領域の特性に関して、リスク分析の要件を満たす情報がもたらされた。
E. ブラジルにおける小麦の挙動に関するデータは、小麦栽培の代表的な地域であるパラナ州Cambe及びミナスジェライス州Uberlandiaに設置された環境に対し、計画的放出が2期の異なる栽培期に行われ、作成された。圃場試験は、環境への計画的放出に関する決議(Resolucoes Normativas)(RN06、RN35)の規定に従って実施された。実施された研究の完全なデータが発表された。
F. CTNBioの決定は、TMGによって提供されたデータに加えて、科学文献及び公聴会によって提供された情報にも基づいていることはいうまでもない。
 CTNBioは、意見書にて述べたとおり、「小麦IND-OO412-7(HB4)が対応する従来品種と同様に環境、ヒトの健康、動物衛生に対して安全である」点を繰り返す。
4. 小麦栽培におけるグルホシネートアンモニウムという物質の使用について
5. ブラジルにおける承認の後に栽培を開始するというアルゼンチンの要件、及びブエノス・アイレス州(アルゼンチン)における栽培の禁止について
 ブエノスアイレス州におけるIND-OO412-7(HB4)小麦の栽培に対する司法上の禁止令は、2023年3月17日にブエノスアイレス州司法府最高裁判所により撤回された。
6. 小麦IND-00412-7(HB4)の検出
7. 当該技術を採用することによる国の利便性
 CTNBioは、科学及び安全な科学的開発に対するコミットメントをここに再確認する。
※訳注
・ブラジル消費者保護機関(IDEC)によれば、CTNBioによるHB4小麦の商業化の承認日は3月1日(CTNBioの公表はない)。
https://idec.org.br/release/idec-e-outras-organizacoes-se-unem-contra-o-trigo-transgenico-no-brasil
・国際貿易センター(ITC)によればブラジルは近年、小麦粉及びメスリン粉(HSコード:1001)の輸入の8~9割前後をアルゼンチンから行っており、アルゼンチンにとってブラジルは最大の小麦輸出相手国(輸出の4~5割前後)である。HB4の申請者はアルゼンチンのBioceres Crop Solutions社であり、HB4に関しては主に以下のような経緯がある。
2020年10月 アルゼンチン農牧漁業省(現経済省農牧漁業局)、HB4小麦の商業化を承認
(但し、ブラジルによるHB4小麦の輸入承認まではアルゼンチンでの商業化は待機)
2021年11月 ブラジルCTNBio、HB4小麦の輸入を承認(但し、小麦粉のみ)
2022年5月 アルゼンチン農牧漁業省、HB4小麦の商業化を承認
2023年3月 ブラジルCTNBio、HB4小麦の商業化を承認
・Bioceres社によれば、アルゼンチン、ブラジル両国の合計小麦栽培面積は南米の9割を占め、HB4小麦は、米国、コロンビア、ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、ナイジェリアにおいては食品・飼料用として、インドネシアにおいては飼料用として承認されている。
https://investors.biocerescrops.com/news/news-details/2023/Bioceres-Crop-Solutions-Announces-Brazils-Regulatory-Approval-of-Drought-Tolerant-HB4-Wheat-for-Commercialization-and-Cultivation/default.aspx
・農業情報サイトbrasilagroによると、小麦粉を使用する食品の業界団体Abimapiが委託した調査ではブラジル国民の7割以上がGM小麦を含む製品の摂取に抵抗がないと回答したことから、Abimapiはそれまで取っていたGM小麦導入反対の立場を変更している。
https://www.brasilagro.com.br/conteudo/ctnbio-aprova-plantio-de-trigo-transgenico-no-brasil.html
地域 中南米
国・地方 ブラジル
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) ブラジル科学技術イノベーション省国家バイオセーフティ技術委員会(CTNBio)
URL http://ctnbio.mctic.gov.br/comunicados1/-/asset_publisher/Uht2qGSWGC8b/content/nota-informativa-ao-publico-sobre-a-aprovacao-para-plantio-do-trigo-hb4?redirect=/inicio&
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