食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06070430482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、サポウイルスに関する報告を公表
資料日付 2023年5月17日
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概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは5月17日、サポウイルスに関する報告を公表した。概要は以下のとおり。
 同センターは、ニュースレター「Food Safety Focus」(第202号、2023年5月)に報告「サポウイルス - ノロウイルスに似た疾病を引き起こすウイルス」(報告者:食物安全センターリスク評価グループ、科学主任・博士庄梓傑)を掲載した。
 最近発生した生カキによる食中毒事件では、被害を受けた顧客1名と生カキの取扱業者1名の糞便検体からサポウイルスが検出された。サポウイルスは分類学的にはノロウイルスと同じ科に属する。いずれのウイルスも急性胃腸炎を引き起こす可能性があり、これらのウイルスによって引き起こされる臨床症状は区別できない。本記事では、食品中のサポウイルス及び関連予防策について詳しく説明する。
・サポウイルスとは
 サポウイルスの名称は、1977年に日本の札幌市の児童養護施設で発生した急性腸管感染症(急性下痢症)に由来する。以前は「サッポロ様ウイルス」とも呼ばれていた。サポウイルスが関与する胃腸炎症例の発生は、地域的にも世界的にも、ノロウイルスに起因する胃腸炎ほど一般的ではない。衛生防護センターの遡及調査によると、2017年に施設や学校から自発的に報告された急性胃腸炎182件のうち、サポウイルスが関与した事件はわずか2件(1.1%)であった。
 ノロウイルスと同様、サポウイルスは主に、糞口経路やヒト-ヒト接触(糞便、吐しゃ物、汚染された物質/表面との接触など)、又は汚染された食品や飲料水を介して伝播する。そのため、施設内で感染症例が発生するのは珍しいことではない。現在、サポウイルスの用量反応に関する研究はないが、感染用量はノロウイルスと同程度と考えられており、少量のウイルスで感染が起こる。
・サポウイルスによる胃腸炎
 サポウイルス胃腸炎の症状は、通常自然消失し、患者は2日以内に回復する。症状、重症度、期間は個人の健康状態により異なる。症状としては、下痢及び嘔吐、胃痙攣/腹痛、悪寒、頭痛、筋肉痛又は倦怠感などが挙げられる。潜伏期間は通常1~4日未満である。サポウイルスは症状が消えた後も体内から糞便を介して排出され続ける。
 サポウイルス胃腸炎は、一年を通じて、あらゆる年齢層で発生するが、散発的な症例は、主に寒い季節に発生する。さらに、サポウイルス症例は、年長の子どもや成人よりも、年少の子どもに多く見られるようである。一方で、サポウイルスによる胃腸炎は、保育所、幼稚園、養護施設、学校など、リスクの高い人が集まる場所で発生しており、そのほとんどがヒト-ヒト感染であった。
・食品中のサポウイルス
 サポウイルスは、環境へのヒトの糞便の排出の結果として、貝類水産物や水環境に存在する可能性がある。シジミやカキ、河川水や廃水からは、臨床分離株と遺伝的に同じサポウイルスが検出されたことがあり、サポウイルスは、ノロウイルスと同様の方法で、汚染された貝類水産物を介して広がる可能性があると考えられている。したがって、ノロウイルスの予防策はサポウイルスにも当てはまる。
 カキはエラで大量の水を濾過してエサを捕食するため、汚染された水域で育つと汚染されやすい。サポウイルス感染リスクを減らすために、カキやその他の二枚貝類の海産物は完全に加熱調理(中心温度90℃で90秒間)する必要がある。
 月刊ニュースレター「Food Safety Focus」の第202号は以下のURLから入手可能。本記事は3ページに掲載されている。
https://www.cfs.gov.hk/english/multimedia/multimedia_pub/files/FSF202_2023_05_17.pdf
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL https://www.cfs.gov.hk/sc_chi/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_202_02.html
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