食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06070350301
タイトル 論文紹介:「現場からの手記:2021年に米国で発生したカシュー・ブリーに関連した複数州にわたる、複数の血清型のサルモネラ属菌による集団感染」
資料日付 2023年5月26日
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分類2 -
概要(記事)  MMWR(2023, 72(21):589-590、doi: 10.15585/mmwr.mm7221a4)に掲載された論文「現場からの手記:2021年に米国で発生したカシュー・ブリーに関連した複数州にわたる、複数の血清型のサルモネラ属菌による集団感染(Notes from the Field: Multistate, Multiserotype Outbreak of Salmonella Infections Linked to Cashew Brie - United States, 2021)、著者K Lewis, K Garman (Tennessee Department of Health, 米国)ら」の概要は以下のとおり。
 2021年3月30日、テネシー州保健局は、毎週の塩基配列決定分離株の分析時に、全ゲノムシークエンス解析(WGS)により近縁であると判定された2株のSalmonella Duisburg分離株を確認した。この分離株を含む検体は、同じ飲食店で同じブランドのカシュー・ブリー(ビーガン用のブリーチーズの代替品)の喫食を報告した2人の患者に由来するものであった。米国立生物工学情報センター(NCBI)の病原体検出用分離株ブラウザでの検索により、これらテネシー州の分離株と遺伝的に近縁なサルモネラ属菌分離株が合計3株(カリフォルニア州の患者由来の2株及びフロリダ州由来の1株)、追加で確認された。カリフォルニア州公衆衛生局は、患者の1人が発症前に同ブランドのカシュー・ブリーを喫食していたことを確認した。フロリダ州保健局は、患者が菜食主義者であることを報告した。このことは一部の食品へのばく露の可能性を除外できる。患者の特徴を把握し、集団感染の発生源を特定するための複数州にわたる調査が開始された。
 症例は、2020年12月1日から2021年5月9日の間に発症した、4株の(WGSを用いて特定された)集団感染株のうちの1株のサルモネラ属菌による感染症患者と定義された。州及び地方当局の職員は、カシュー・ブリーを含む発症前に喫食した食品及びその食品の購入先について、患者に聞き取り調査を行った。製品及び環境検体の採取が、小売店又は米国食品医薬品庁(FDA)の遡及調査中に特定された唯一のカシュー・ブリー製造施設で実施された。S. Chester、S. Typhimurium、及びS. Urbanaに陽性と判定されたカシュー・ブリー及びその原料を含む製品を患者が喫食したと報告したため、これらの集団感染株も調査対象となった。
 全体で4州から20症例が確認された:カリフォルニア州(S. Typhimurium 7例、S. Chester 3例、S. Urbana 3例、S. Duisburg 2例)、フロリダ州(S. Chester 1例、S. Duisburg 1例)、メリーランド州(S. Urbana 1例)、及びテネシー州(S. Duisburg 2例)。患者の年齢中央値は26歳(範囲:1~72歳)、65%が女性であった。5人の患者が入院し、死亡者はなかった。
 聞き取り調査を受けた19人の患者のうち、15人が発症前の1週間に同じブランドのカシュー・ブリーを喫食したと報告した。州及び連邦政府職員により、製品原料、加工中及び最終製品、並びに当該カシュー・ブリー製造施設の環境スワブに由来する36検体が採取された。小売店由来の20検体中19検体(95%)及び製造施設由来の16検体中4検体(25%)の合計23検体(64%)から51株のサルモネラ属菌が検出された。これらの結果に基づき、当該カシュー・ブリーの製造者は全製品を自主的に回収した。4種類のサルモネラ属菌が分離され、WGSの結果、非臨床検体で検出されたS. Chester及びS. Urbanaのみがヒトの疾病に関連していたことが示された。また、S. Duisburg及びS. Typhimuriumは臨床検体からのみ分離され、食品又は環境検体からは検出されなかった。
 食品検体検査の結果及びFDAの遡及調査に基づけば、当該ブリー製品の製造に使用されたカシューナッツの原材料が汚染源であった可能性が高い。カシュー・ブリー製造のレビューにより、カシューナッツの加工前に殺菌処理(例:低温殺菌又は放射線照射)が行われていないことが明らかとなった。FDAはカシューナッツの供給業者と協力し、汚染の可能性のあるカシューナッツが今後市場に出回らないよう取り組み、供給業者は是正措置を講じた。
 生のナッツ及び種子製品に関連した集団感染はよく知られており、カシューナッツ・チーズに関連したサルモネラ属菌集団感染も報告されている。製品原料の殺菌処理の欠如は、そのまま喫食される状態で提供され、一般に安全と認識されている当該製品の汚染リスクを高める可能性がある。同じ飲食店で一般的でない同じ食品を喫食した後に発症した2人の人物が特定されたこと、また稀な血清型であるS. Duisburgが検出されたことは、この集団感染の発生源に関する早期の仮説設定につながった。NCBIを介した公開WGSデータの活用により、この集団感染が標準的な複数州間集団感染検出手法によって特定されるほどに大規模になる前に、迅速な調査が可能となった。当該調査中に小売店で回収されたカシュー・ブリー製品の95%でサルモネラ属菌が検出されたことを考慮すると、迅速な検出、調査、及び製品回収により、さらなる疾病の発生が防がれた。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) MMWR(2023, 72(21):589-590)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7221a4.htm

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