食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06050460301
タイトル 論文紹介:「現場からの手記:2022年に米国モンタナ州で発生した原水の摂取に関連したカンピロバクター症集団発生」
資料日付 2023年4月14日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  MMWR(2023, 72(15):411-412、doi: 10.15585/mmwr.mm7215a6)に掲載された論文「現場からの手記:2022年に米国モンタナ州で発生した原水の摂取に関連したカンピロバクター症集団発生(Notes From the Field: Campylobacteriosis Outbreak Associated with Consumption of Raw Water - Montana, 2022)、著者R Hinnenkamp (Public Health and Safety Division, Montana Department of Public Health and Human Services)ら」の概要は以下のとおり。
 原水(消毒やろ過が行われていない水)の摂取は米国の新たなトレンドとなっており、深刻な健康被害をもたらす可能性がある。適切な処理(病原体の除去など)を行っていない屋外の淡水源(湖、河川及び小川など)から直接採取した水の摂取は、疾病や集団感染の原因となる可能性がある。本報告では、モンタナ州西部の自治体が、未処理の表流水の摂取に関連した19例の下痢症集団発生にどのように対応したかを記載している。
 2022年5月9日、モンタナ州Sanders郡は州の保健局に、同自治体においてカンピロバクター感染症6例の発生を報告した。この症例数は、2017~2021年の5年間における年間平均症例数(6例)を実質的に超過するものである。すべての感染者は、5月4日以降に始まった症状発症前に、モンタナ州Paradise近隣の小川の表面水の出口にあたる給水地点A由来の水を飲んだと報告した。その後6週間の間に、同じ水源にばく露された人々の間でCampylobacter jejuni感染症例が追加で13例発生し、検査機関による検査(2例は培養非依存的手法による確認、4例は培養による確認)又は疫学的関連(7例)により特定された。1人が入院し、死亡者は報告されていない。
 5月16日、Sanders郡公衆衛生局の環境衛生職員は、給水地点Aから23リットルの水を採取した。モンタナ州検査局は、当該水試料15リットルに対し、4つの分離フィルター(孔径0.45μm)を用いてろ過を行った。これらのフィルターは、標準的な方法に従ってカンピロバクター属菌の培養及び分離のための培地に静置された。調査員は、他の病原体の培養や検出は行わなかった。5月24日、当該水試料は培養によりカンピロバクター属菌陽性であることが確認された。6月3日、職員は、当該水試料由来のカンピロバクター属菌1株と当該集団感染のヒト検体由来の同菌分離株について全ゲノムシークエンス解析を行い、コアゲノムMLST及び全ゲノムMLSTの両方で配列を比較した。ヒト検体及び水試料由来のカンピロバクター属菌分離株は、遺伝的に近縁であった。全ゲノムシークエンス解析と疫学データにより、当該集団感染が給水地点Aに直接由来する水を飲んだ結果であるという確定的エビデンスが得られた。
 給水地点Aは、モンタナ州交通局の鉄道施設の道路用地内にある。この給水地点は、1900年代初頭に、小川が道床を侵食するのを防ぐために建設された可能性が高い。隣接地の所有者は、家庭用及び農業用としてこの水を使い始めた。それ以降、一般住民は給水地点Aを飲料水源として利用していた。給水地点Aは未処理の地表水を含むが、多くの地域住民は自然の湧水だと思い込んでいる。利用者は、同給水地点のコンクリートボックスから流れ出る水の下に直接容器を置いたり、コンクリートボックスの中の水に直接容器を入れたり、大型容器に水を引き込むためのポンプや吸引管を水の中に入れて給水していた。当該集団感染以前にモンタナ州交通局が掲示した看板には、この給水地点が公共の水源として承認されていないことが警告されていた。
 水試料が採取されたコンクリートボックスの中に、空の鳥の巣が見つかった。鳥類はカンピロバクター属菌の感染源として知られており、試料採取時には鳥はいなかったが、この巣の存在は、鳥類が当該集団感染を引き起こした主要な汚染源となった可能性を示している。
 当該集団感染における疫学的、環境的、及び検査に基づくエビデンスの組み合わせは、当該給水地点を廃止するのに十分であった。6月16日の関係者との話し合いの後、モンタナ州環境品質局は、当該水源は公共水道の定義を満たすため、安全飲料水法の要件を満たす必要がある、又は水源の利用を永久に停止しなければならないと述べた。モンタナ州交通局は、2022年6月28日、小川の水が地下に残るように経路を変更し、一般利用を永続的に停止した。2022年6月16日以降、追加の症例は確認されていない。小川や河川を含む屋外の水源から水を飲む人は、飲む前に必ずその水を処理する必要がある。沸騰させることは最も確実な殺菌方法であるが、ろ過等の処理もまた、屋外の水源から水を飲むことによる疾病のリスクを低減するだろう。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) MMWR(2023, 72(14):411-412)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/72/wr/mm7215a6.htm

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