食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06050450482 |
タイトル | 香港食物環境衛生署食物安全センター、食品中のスーパーバグ(多剤耐性菌)に関する報告を公表 |
資料日付 | 2023年4月19日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 香港食物環境衛生署食物安全センターは4月19日、食品中のスーパーバグ(多剤耐性菌)に関する報告を公表した。概要は以下のとおり。 同センターは、ニュースレター「Food Safety Focus」(第201号、2023年4月)にて報告「食品中のスーパーバグ(多剤耐性菌)」(報告者:食物安全センターリスク評価グループ、科学主任・博士庄梓傑」を公表した。 薬剤耐性は、世界的な健康に対する脅威であり、食品、特に食用動物は薬剤耐性微生物の拡散源及び媒介物になる可能性があるため、食品業界に携わる人々を含む分野横断的な迅速な対応が必要である。多剤耐性菌(「スーパーバグ」とも呼ばれる)は、治療に利用できる抗菌性物質がほとんどない、又は全くない感染症を引き起こす可能性があり、その急速な伝播は特に注目に値する。本記事では、食品中の「スーパーバグ」の発見と、感染リスクをどのように下げるかを論じる。 ・食品中の「スーパーバグ」のモニタリングとサーベイランス ヒトは、他のヒト、汚染された食品、水、動物、環境など、さまざまな経路を通じ、薬剤耐性微生物に感染する可能性がある。「One Health」アプローチは、統合されたモニタリング及びサーベイランスシステムを利用し、さまざまなセクターからのデータを包括的な分析のために比較することで、ヒトの疾患における薬剤耐性の実際の負担に対するさまざまな感染経路の寄与する割合を確定し、エビデンスに基づく措置の根拠とすることができる。 食品安全部門においては、同システムは食品由来の薬剤耐性を対象とし、リスク分析のためのデータ収集、傾向分析、疫学研究、食品寄与率解析及び研究を考慮している。一般的に、薬剤耐性微生物の検出は、食中毒事件において病原体を検出する処理方法とは異なり、より多くのデータを収集し、全体の状況を分析し、それに応じたリスク管理行動をとることになる。また、統合的システムの下、ヒト感染例の薬剤耐性が食品由来薬剤耐性の変化により変わるかどうかを判断する必要があり、関連データは薬剤耐性に取り組むための戦略を策定する上で非常に重要である。 食品由来薬剤耐性の状況を明らかにするには、病原性細菌及び共存細菌の分析ために食品検体を採取する必要がある。無作為抽出で「スーパーバグ」が検出されることは一般的ではないため、別の感度の高い方法も「スーパーバグ」を特定するために使用される。この方法では、特定の「スーパーバグ」を対象に抗生物質を使用して検体をスクリーニングするものである。「スーパーバグ」に属さない他の細菌は抗生物質により殺されるため、たとえ基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生菌やカルバペネム耐性腸内細菌科細菌が少数であってもこれらを検出できる。ESBLは極めて重要な抗生物質に対する耐性を付与し、こうした薬剤耐性特性を備えた細菌は、カルバペネムなどの有効な抗生物質でのみ対処しなければならない。しかし、カルバペネムに対する耐性も上昇し続けており、特定の薬剤耐性特質をもつ菌株や遺伝子の検出が増加しているなど、これらの「スーパーバグ」の傾向に注意を払うことは非常に重要である。 ・非加熱喫食用食品における「スーパーバグ」リスク フードチェーンの末端に近い食品由来薬剤耐性を追跡する必要があり、動物製品に加えて、非加熱喫食用食品も収集される。非加熱喫食用食品で「スーパーバグ」が発見されるリスクは、その「スーパーバグ」が食品由来病原菌であるかどうか、すなわち食事を通じて疾病に罹患するかどうかにある。食品由来病原菌である「スーパーバグ」の場合、その感染症の症状は、抗生物質によって殺菌または抑制可能な病原体によって引き起こされる疾病の症状と似るが、その感染症は深刻な場合には治療が困難になる可能性がある。一方、発見された「スーパーバグ」が病原性であるかどうかにかかわらず、薬剤耐性遺伝子がヒトの腸内の他の細菌に広がる可能性がある。しかし、遺伝子の伝播は偶発的なものであり、細菌は必ずしもヒトの体内に留まるわけではないため、伝播の発生頻度を特定することは困難である。現在、「スーパーバグ」で汚染された食品を長期間摂取すると、ヒト体内の薬剤耐性の種類が増加するという決定的な証拠はない。とはいえ、特に食品媒介感染症にかかりやすい脆弱な集団においては、薬剤耐性微生物へのばく露は最小限に抑える必要がある。 ・食品中の「スーパーバグ」との接触回避は可能か。 食品由来薬剤耐性の増加は、間違いなく薬剤耐性菌に感染するリスクを高めるが、細菌が耐性を持っているかどうかの判断により行動を決めるべきでない。薬剤耐性微生物は食品由来病原菌と同様に環境中に存在するため、農場から食卓まで、食品が汚染される可能性がある。「スーパーバグ」及び食品由来病原菌に感染するリスクを減らすには、日常生活において食品安全の5つのポイントを守る必要がある。一方、妊娠中の女性、乳幼児、高齢者、免疫機能が低下している人など、影響を受けやすい集団(慢性疾患のある人、抗生物質治療を受けている人、制酸剤を使用している人、長期的にステロイド又は移植拒絶反応を防ぐための薬などを服用している人)はリスクが高いため、「スーパーバグ」や食品由来病原菌を殺すのに十分な加熱が行われていない生や加熱調理が不十分な非加熱喫食用食品を喫食することは避けるべきである。 |
地域 | アジア |
国・地方 | 香港 |
情報源(公的機関) | 香港食物環境衛生署食物安全センター |
情報源(報道) | 香港食物環境衛生署食物安全センター |
URL | https://www.cfs.gov.hk/sc_chi/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_201_02.html |
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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