食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06050430470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、「欧州における薬剤耐性サーベイランス2023(2021年データ)」と題する報告書を公表
資料日付 2023年4月14日
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概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は4月14日、「欧州における薬剤耐性サーベイランス2023(2021年データ)」と題する報告書を公表した。概要は以下のとおり。
 本報告書にまとめられた結果は、2022年に中央アジア及び欧州薬剤耐性サーベイランス(CAESAR)ネットワーク並びに欧州薬剤耐性サーベイランスネットワーク(EARS-Net)に報告された侵襲性分離株由来の薬剤耐性(AMR)データ(2021年のデータ)に基づいている。合計で16か国がCAESARにデータを報告し、EARS-Netには欧州連合(EU)の全加盟国及び欧州経済領域(EEA)の2か国(アイスランド及びノルウェー)の計29か国がデータを報告した。EARS-Net及びCAESARネットワークは、データの収集及び分析に関し比較可能な方法を用いているが、本報告書の結果は、異なる国のサーベイランスシステムから得られたものである。これらは本質的に個別のプロトコルやその実施慣行の影響を受けるため、各国間のAMRパターンを比較する際には注意を要する。
 2021年に得られた分離株に関し、AMRサーベイランスネットワークに報告された細菌のAMRの状況は、細菌種、抗菌性物質系統及び地理的地域によって大きく異なっていた。第三世代セファロスポリン系及びカルバペネム系に対する耐性は、一般に大腸菌(Escherichia coli)よりも肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)の方が高かった。大半の国では大腸菌のカルバペネム耐性は稀であったが、33%の国では肺炎桿菌の耐性率が25%以上と報告された。カルバペネム耐性は、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)及びアシネトバクター種(Acinetobacter species)でも多く見られ、肺炎桿菌よりも高い割合であった。以前の地域別報告書で観察されたように、耐性には北から南、西から東への勾配があり、欧州地域の南部と東部では北部と西部よりも高い耐性率が観察された。特に、肺炎桿菌の第3世代セファロスポリン耐性及びカルバペネム耐性、アシネトバクター属菌のカルバペネム耐性で顕著であった。
 2020年及び2021年の両年にCAESARにデータを提出した13か国のみを考慮した場合、全体の報告分離株数は2020年よりも2021年の方が多かった。これは、すべての病原体において、より多くの分離株が報告された結果である。こうした全体的な傾向は国レベルでは必ずしも観察されなかったが、アシネトバクター属菌分離株についてはすべての国で2020年よりも2021年の方が多く報告された。2021年にCAESARにデータを提出した16か国すべてにおいて、分離株の大半(70.0%)は大腸菌(37.9%)、黄色ブドウ球菌(17.2%)及び肺炎桿菌(14.9%)であった。
 2021年の細菌種別の結果を見ると、大腸菌のフルオロキノロン系への耐性は、概してWHO欧州地域の北部で最も低く、南部で最も高かった。当該微生物に関するデータを報告している45か国のうち2か国(4%)で10%未満の耐性率が観察された。17か国(38%)は25%以上の耐性率を報告した。50%以上の耐性率は4か国(9%)で観察された。大腸菌の第三世代セファロスポリン耐性については、45か国中12か国(27%)が10%未満の耐性率を報告したが、50%以上の耐性率が4か国(9%)で観察された。44か国中8か国(18%)はカルバペネム耐性大腸菌の割合が1%以上と報告した。
 肺炎桿菌の第三世代セファロスポリン耐性は、WHO欧州地域で相当に広まっている。2021年は、当該微生物に関するデータを報告している45か国中7か国(16%)で10%未満の耐性率であったが、19か国(42%)、特に同地域の南部と東部で50%以上の耐性率が報告された。肺炎桿菌のカルバペネム耐性は、大腸菌よりも頻繁に報告された。2021年のWHO欧州地域の北部及び西部の肺炎桿菌のカルバペネム耐性率は概して低く、45か国中14か国(31%)が1%未満と報告した。15か国(33%)が25%以上の耐性率を報告し、うち8か国(45か国中18%)は50%以上と報告した。
 カルバペネム耐性緑膿菌の割合は、欧州地域で大きな差異が観察された。2021年の当該微生物に関するデータを報告している44か国のうち2か国(5%)で5%未満の耐性率が観察された一方、6か国(14%)は50%以上の耐性率を報告した。
 2021年のカルバペネム耐性アシネトバクター属菌の割合は欧州地域内で広くばらつきがあり、当該微生物に関するデータを報告している45か国のうち3か国(7%)が1%未満、欧州南部・東部を中心とする25か国(56%)では50%以上であった。
 2021年の黄色ブドウ球菌のデータを報告している44か国のうち11か国(25%)で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の割合が5%未満であった。MRSAの割合が25%以上だったのは44か国中13か国(30%)であった。
 ペニシリン非野生型肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)の割合は、地域によって大きな違いが見られた。2021年の当該微生物に関するデータを報告している43か国のうち2か国(5%)では、その割合が5%を下回っていたのに対し、5か国(12%)では25%以上であった。
 腸球菌(Enterococcus faecium)のバンコマイシン耐性は、地域内の国によって大きく異なっていた。2021年の当該微生物に関するデータを報告している44か国のうち6か国(14%)は耐性率1%未満を報告したが、17か国(39%)は25%以上の耐性率であり、うち5か国(44か国中11%)は50%以上の耐性率を報告した。
 患者の年齢層や性別に関する情報を含む各細菌種の国別情報は、WHO欧州地域のウェブサイトから入手可能である。
 本報告書(186ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/Antimicrobial%20resistance%20surveillance%20in%20Europe%202023%20-%202021%20data.pdf
 本報告書公表に係るECDCのプレスリリースは以下のURLから閲覧可能。
https://www.ecdc.europa.eu/en/news-events/whoecdc-report-antimicrobial-resistance-threatens-patient-safety-european-region
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/antimicrobial-resistance-surveillance-europe-2023
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