食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06040490475 |
タイトル | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、線虫に汚染された有機廃棄物及び洗浄水の殺菌方法の有効性を検証した研究結果を公表 |
資料日付 | 2023年3月31日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は3月31日、線虫に汚染された有機廃棄物及び洗浄水の殺菌方法の有効性を検証した研究結果を公表した。概要は以下のとおり。 線虫類は寄生性の蠕虫であり、その一部の種は作物に大きな損失をもたらす。線虫類のまん延を回避するために、これらと接触した植物、土壌、汚泥等の有機廃棄物及び水を、廃棄又は再利用する前に殺菌することが重要である。ANSES植物衛生研究所の研究者は、これらの廃棄物を循環型経済の一環として有効利用・再利用することを可能にするとされる殺菌方法の有効性を評価した。 ・背景 ジャガイモシストセンチュウ(Globodera rostochiensis)及びジャガイモシロシストセンチュウ(Globodera pallida)は、世界のジャガイモ生産量の約9%の損失の原因である。防除が必要なこれらの害虫は、シスト(包嚢)の中で守られた卵が土壌中で数年間生存できるため、駆除が非常に難しい。区画が汚染されると、幼虫が生存できなくなるのを待ってから、ジャガイモを再び植える必要がある。 これらの線虫と接触した植物性廃棄物、土壌、汚泥、水は、寄生虫をまん延させる恐れがある。そのため、廃棄する前に効果的に殺菌する必要がある。この責務は、摂取に適さないと判断された植物、土壌廃棄物、洗浄水を除去しなければならない農業食品企業と、これらの線虫類の研究や検出を担う検査室に主に関係する。 ・研究結果 ANSES植物衛生研究所線虫学ユニットの研究者は、研究計画の一環として、全国種芋生産者連盟(FN3PT)と共同で、これらの線虫に汚染された洗浄水及び廃棄物を殺菌する様々な方法の有効性を検査する試験を実施した。その目的は、通常使用される手法の代替法を見つけることであった。というのも、一部の方法は完全に有効ではない、或いは環境への影響があり得るからである。 一例としては、この試験によって、より長い時間実施するという条件で、熱処理は通常これらの線虫に対して用いられる温度である80℃以下で行い得ることがわかった。60℃で3分間又は50℃で30分間処理することによって、より少ないエネルギーで線虫を死滅させることができる。 この方法の有効性は、Globodera属だけでなく、別の二種の植物寄生性線虫であるコロンビアネコブセンチュウ(Meloidogyne chitwoodi)及びニセコロンビアネコブセンチュウ(Meloidogyne fallax)についても、検証することに成功した。 また、研究者は、循環型経済の一環として使用できる有機物の回収方法である、コンポスト化、メタン化(嫌気性消化)、ラグーン池法(ヨシ濾床システム)(※訳注:人工湿地を用いた廃水浄化システム)について試験した。これらの方法のシストセンチュウを駆除する効果は、これまでほとんど評価されていなかった。「コンポスト化及びメタン化は、我々がテストした全ての条件下で、これらの線虫を死滅させるのに非常に有効である。この結果は大いに関心に値する。というのも、農業食品企業は、線虫による感染が販売ロットから検出された場合、その収穫物全体の廃棄を余儀なくされることがあるからだ。したがって、これらの代替法により、感染した植物の有効利用が可能になるだろう」と本研究の著者は述べる。 一方、ヨシ濾床での水の浄化の結果は、非常に様々であった。線虫の駆除は、気候要因に大きく左右されると考えられ、テストした条件で寄生虫を駆除するための信頼性の高い方法にはならない。 本研究の著者は、テストされた処理方法のいずれについても、採用前に、関心のある検査室や企業は、自身の作業条件下で線虫やその他の感染性因子が効果的に除去されることを確認する必要があると明言している。「これらの方法は、我々の研究所及び実験区域で機能した。しかし、条件がいかなるものであれ、我々はその有効性を保証することはできない。また、我々は特定の線虫種に対するこれらの効果を調査したのであり、その結果は全ての植物病原体に一般化できない」と説明している。しかしながら、本研究は、抵抗性が非常に強いとされる寄生虫に適用される代替殺菌方法の有効性を初めて実証したものである。 本研究結果は、2022年12月に科学誌「Journal of Environmental Management」に掲載された。 当該論文(2022, 323:116184、doi: 10.1016/j.jenvman.2022.11618)は以下のURLから閲覧可能。 https://hal-anses.archives-ouvertes.fr/anses-04051118 |
地域 | 欧州 |
国・地方 | フランス |
情報源(公的機関) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
情報源(報道) | フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES) |
URL | https://www.anses.fr/fr/content/nematodes-vegetaux-nouvelles-solutions-dechets |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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