食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06040130475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、飲料水中の新興化合物の出現に関する最新の全国調査結果を公表
資料日付 2023年4月6日
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分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は4月6日、飲料水中の新興化合物の出現に関する最新の全国調査の結果を公表した。概要は以下のとおり。
 新興化合物の出現に関する全国調査は、ANSES水文学研究所(Nancy(訳注 フランス北部の都市))によって約3年ごとに実施されている。その目的は、水資源及び水道水の生産のために処理された水の汚染に関する知見を充実させることである。これらの知見は、水の生産及び配水の責任者が水質監視計画を構築するために有用であり、地域圏保健庁(ARS)が公衆衛生検査計画を補完するために役立つ。また、本データは、水道水の摂取に関連する住民のばく露評価にも利用される。
 ARS及び保健総局(Direction generale de la sante)との協議により、2019年に開始した調査活動については、以下の3つの汚染物質分類が選ばれた。
・157種類の農薬及び農薬の代謝物
・54種類の爆発物の残渣物
・溶剤1種: 1,4-ジオキサン(1,4-dioxane)
 調査活動によって、136,000件以上の結果を収集することができた。海外領土を含むフランスの全領土で、原水及び処理水の検体採取を実施した。その目的は、配水の約20%を占める集水地点を分析することであった。
・結果
 検体採取は特に157種類の農薬と農薬の代謝物に関するものであった。そのうちの89種類が原水から少なくとも1回検出され、処理水からは77回検出された。
 水質上限値(limite de qualite)0.1 μg/リットルを超えた7種類の「新興」化合物のうち、特に検出されたのがクロロタロニル(chlorothalonil)R471811という代謝物である。クロロタロニルR471811は特に、2つの点で研究者の注意を引いた。一つは、2検体に1検体以上の割合で最も頻繁に検出された農薬の代謝物であるという点、もう一つは、3検体に1検体以上の割合で水質上限値を超えているという点である。
 ANSESの評価作業の結果、データが不足していたため、2021年に予防措置として関連のある代謝物とみなされたクロロタロニルR471811には、水質上限値0.1 μg/リットルが適用されている。
 この代謝物は、スイスで飲料水から著しく頻繁に検出されたことを示す同国のデータが2019年に発表されたことを受け、今回の調査に加えられた。当該代謝物は、フランスで2020年から禁止されている殺菌剤のクロロタロニルの環境中での分解に由来するものである。これらの結果は、一部の農薬の代謝物がその特性に応じて、その発生源となる有効成分の禁止の後、環境中に数年間残留し得ることを証明している。
 また、クロロタロニルの別の代謝物1種が、検体の約3%において水質上限値0.1 μg/リットルを上回る濃度で検出された。
(調査された他の物質)
 2022年にANSESが関連性がないと評価した別の農薬の代謝物であるメトラクロール-ESAも半数以上の検体で定量され、その中で、関連のない代謝物に対して定められた管理値0.9 μg/リットルを超えるものは2%未満であった。
 また、爆発物の残渣物は、処理水の検体の10%未満で、主に第一次世界大戦に遡る軍需工場用地、或いは軍需産業活動の周辺から見つかった。これは特に、トリニトロトルエン(TNT)の代謝物や最近使用された物質に関わるものである。1,4-ジオキサンは検体の8%で定量化された。
(水質改善に不可欠なデータ)
 ARSと保健総局に伝えられた新興化合物の出現に関する本調査の結果は、信頼のおける科学的基準となり、当局は水に関する定期衛生検査の枠組みで監視すべき分子リストを補完することができる。また、当局は、水質上限値を超える化合物に対する適切な管理措置を規定することができるようになる。
 当該報告書(85ページ、フランス語)は以下のURLから閲覧可能
https://www.anses.fr/fr/system/files/LABORATOIRE2022AST0255Ra.pdf
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/polluants-emergents-dans-leau-potable-le-point-sur-les-principaux-resultats-de-la-derniere-2
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