食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06030420475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、アフリカ豚熱(ASF)に対するワクチンの展望に関して情報を提供
資料日付 2023年3月24日
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分類2 -
概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は3月24日、アフリカ豚熱(ASF)に対するワクチンの展望に関して情報提供を行った。概要は以下のとおり。
・背景
 ASFは、2014年から欧州連合(EU)に広がっている家畜伝染病の原因であり、野生イノシシの個体群や養豚に甚大な損害をもたらしている。ASFウイルスは、フランスではまだ検出されていないが、現在、イタリア、ポーランド、ドイツで循環している。当該疾病はヒトには伝播しないが、治療法がない。
 ANSES Ploufragan-Plouzane-Niort研究所の豚に関するウイルス学・免疫学(VIP)ユニットは、ASFのナショナルリファレンスラボラトリーとしての任務の枠組みで、EU域内で現在循環しているウイルス株Georgia 2007/1を不活化した。この熱不活化(inactivation thermique)の効果の検査時に、Georgia株に由来する弱毒株が偶然検出された。Georgia株に感染すると大抵100%致命的であるが、本弱毒株は感染した動物に僅かな発熱しか引き起こさなかった。
・研究結果
 研究チームは、本弱毒株に関する一連の研究を実施し、当該ウイルスを筋肉内又は経鼻接種した豚の大部分で症状が僅かであることを確認した。安全性は完全ではないにせよ、生存率は元のウイルス株を接種した場合よりもはるかに高かった。
 「ワクチンの筋肉内接種は、家畜生産で最も使用されている方法である。一方、経口ワクチン接種は、餌を使った野生イノシシへのワクチン投与を可能にするであろう。この方法は、2000年代初頭に豚熱(Classical Swine Fever: CSF)に対して使用され、フランスでCSFが存在した地域から当該疾病を駆逐することができた。我々が、当初からこの2つの投与経路をテストしたのはそのためである」とVIPユニット長のMarie-Frederique Le Potier氏は説明する。
 また、感染した豚が免疫応答を起こし、ワクチン接種後早ければ2週間の時点から症状を呈することなく、ASFウイルスによる感染に抵抗できることも有望な結果である。これらの研究結果は、2022年12月に「Viruses」誌に掲載された。
・ワクチンの展望
 ANSESの研究者は、特に当初のように豚から採取された細胞ではなく、in vitroで生成された細胞株で増殖できるよう、弱毒株を引き続き調査検討した。この段階は成功を収め、大規模なワクチン製造の可能性が出てきた。さらに、このように生成されたウイルス株は、優れた有効性を維持しつつも、元の弱毒株よりも症状が少なかった。
 現在、複数の研究が進行中であり、特に、この弱毒株が動物から動物へ伝播しないこと及び再び強毒化しないことを確かめている。また、ワクチン接種後に病原性ASFウイルスにばく露された動物が、ウイルスを再度伝播させるのを防ぐワクチンの能力も評価される予定である。
 同庁の研究者が開発したワクチンは、遺伝子操作によって生産されていないという利点があるため、自然界での同ワクチンの使用認可が容易になると推測される。実際、欧州西部ではイノシシがおそらく同ワクチンの最初のターゲットになるであろう。この動物種に最も感染が広がっており、野生動物相における同ウイルスの存在が、養豚に対するリスクとなっている。
 当該論文(Viruses (2022, 14(12):2777、doi: 10.3390/v14122777)は以下のURLから閲覧可能。
https://hal.science/anses-03922446v1
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/perspective-vaccin-contre-peste-porcine-africaine
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