食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06030040535
タイトル 英国毒性委員会(COT)、PFASに関する中間ポジション・ステートメント(初稿)を公表
資料日付 2023年3月16日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国毒性委員会(COT)は2023年3月16日、パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)に関する中間ポジション・ステートメント(初稿)を公表した。概要は以下のとおり。
 当該資料は、2023年3月28日開催予定の会議(COT Meeting)用の資料であり、COTの意見を反映するものではないことから引用禁止である。
 序論
 COTは、これまでに何度もPFASについて検討し、最近では、4種類のPFASの合計に対する新しい耐容週間摂取量(TWI)の科学的根拠がレビューされた欧州食品安全機関(EFSA)の意見書「食品中におけるパーフルオロアルキル化合物の存在に関連するヒトの健康へのリスク」(※訳注)に関する声明を発表した。COTは、当該TWIの導出にはかなりの不確実性があることを認識した。その後、委員会は、英国政府省庁が行うヒトの健康リスク評価を支援するために、どのようなさらなるガイダンスが提供できるかを検討するよう要請された。
 2022年10月のCOT会議では、EFSAのTWIおよびPFASのエビデンスベースにおけるその他の不確実性に関する現在の意見を簡潔にまとめると共に、さまざまな毒性学的エンドポイントの評価を含むPFASに関する今後の作業の概要を説明する中間ステートメントを作成することが合意された。ステートメントの第一草稿は、「付属書A」として本書に添付されている。
 委員会への質問
 委員会は、次の2つを検討するよう求められている。
a)委員会は、この中間ポジション・ステートメント(初稿)の一般的な構成と内容に関してコメントはあるか。
b)委員会は、今後予定されている作業について、さらなる提案はあるか。
 「付属書A」
 背景
 COTは、これまでに何度もPFASについて検討し、最近では、4種類のPFASの合計に対する新しいTWIの科学的根拠がレビューされたEFSAの意見書「食品中におけるパーフルオロアルキル物質の存在に関連するヒトの健康へのリスク」(※訳注)に関する声明を発表した。その後、委員会は、英国政府省庁が行うヒトの健康リスク評価を支援するために、どのようなさらなるガイダンスが提供できるかを検討するよう要請された。
 PFASに関するさらなるCOT作業に関するイニシャル・ペーパーは、2022年10月のCOT会議で議論され(TOX/2022/53)、その後、すべての健康影響に基づく指標値(HBGV)の概要ペーパーが2022年12月に発表された(TOX/2022/67)。
 エビデンスベースにおける不確実性
 委員会は、パーフルオロオクタン酸(PFOA)とパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)に対するEFSAのTWIおよび米国環境保護庁(US EPA)の参照用量(RfD)案の基礎となった小児のワクチン反応低下という重要なエンドポイントに関して、ワクチン反応の生物学的意義と重要な研究(Abrahamら(2020) (引用文献1)とGrandjeanら(2012) (引用文献2))に関する懸念(reservations)に関連して、多くの不確実性が存在すると考える。EFSAのTWIに関する意見書の中で、TWIを決定するために行われたいくつかのモデリングに関しても、COTは多くの懸念をもっている。より広範なエビデンスベースの検討において、委員会は、選択された重要な研究およびエンドポイントの違いのため、他の権威ある機関によるHBGVの導出で、多くの異なるアプローチが採用されており、その結果、いくつかの異なるPFASに対して様々なHBGVが利用可能であることに留意する。より詳細な情報は、2022年12月の会議で報告されたペーパー(TOX/2022/67)で入手可能である。
 ほとんどのPFASに対してデータが不足しており、その結果、少数のPFASにしかHBGVは導出されていないこと、存在するすべてのPFASの合計または類似物質のグループ化など、検出されたすべてのPFASをどのように評価することが最善であるかが不確実であることなど、PFASのリスク評価に関するその他の課題にも、委員会は留意する。より詳細な情報は、2022 年10月の会議で報告されたペーパー(TOX/2022/53)で入手可能である。
 指摘された不確実性、および PFAS のリスク評価を行う英国政府省庁を支援するためのより多くのガイダンスの必要性から、 COT はエビデンスベースとリスク評価について独自の検討を行うこととなった。
 COTの今後の作業
 COTの今後の作業は、委員のサブグループによって行われ、次の4つを含む。
・毒性学的および疫学的データの独立したレビュー(いくつかの重要なエンドポイントに焦点が当てられると共に、評価されたエンドポイントの生物学的関連性が考慮されることになる)
・PFASのトキシコキネティクスの検討
・評価のために、異なるPFASがグループ化できるか、またどのようにグループ化できるかについての検討
・データが許す限り、一つ、または複数のHBGVを導出すること
 COTによる暫定的な推奨
 委員会は、PFASのさらなるレビューが広範かつ長期にわたる事業であることを認めている。PFASへのばく露に関連する潜在的なリスクについて評価が実施される場合、当面は、重要な効果と採用されたモデリング手法に関する不確実性を認識した上で、特定された化合物について利用可能なHBGVを考慮することが望ましい。
(引用文献1) Abraham K. et al. (2020). Internal exposure to perfluoroalkyl substances (PFASs) and biological marker in 101 healthy 1-year-old children: associations between levels of perfluorooctanoic acid (PFOA) and vaccine response. Archives of Toxicology, 94, 2131?2147.
https://doi.org/10.1007/s00204-020-02715-4
(引用文献2) Grandjean P. et al. (2012). Serum vaccine antibody concentrations in children exposed to perfluorinated compounds. JAMA, 307, 391?397.
https://doi.org/10.1001/jama.2011.2034

(※訳注)この科学的意見書はEFSAが2020年9月に公表。4種類のPFAS(PFOA、PFNA、PFHxS、PFOS)の合計値について、TWIを4.4 ng/kg体重/週としている。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国毒性委員会(COT)
情報源(報道) 英国毒性委員会(COT)
URL https://cot.food.gov.uk/Interim%20position%20statement%20on%20per-%20and%20polyfluoroalkyl%20substances%20%E2%80%93%20first%20draft
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