食品安全関係情報詳細

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タイトル 国際連合食糧農業機関(FAO)、「動物細胞から育てた食品を何と呼ぶべきか?-食の安全の第一歩となる用語の定義」と題する記事を公表
資料日付 2023年3月3日
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概要(記事)  国際連合食糧農業機関(FAO)は3月3日、「動物細胞から育てた食品を何と呼ぶべきか?-食の安全の第一歩となる用語の定義」と題する記事を公表した。
 動物細胞をタンクで培養して作った食品を何と呼ぶか?味や栄養素においては同様の経験を与えてくれるが、食卓に出すために家畜及び家きんの殺生が必要ない場合、それでも「ステーキ」や「チキン」なのであろうか?私たちが何を得ているのかを正確に知るために、我々が授ける名称が重要であることは明らかである。また、その食品の安全性を確保するプロセスにおいて、その専門用語がどう関わってくるかも重要である。
 この命名法の問題は、人類の新しい形態のタンパク質の探求という、この最新の分野が活発化する中で生じる問題のひとつに過ぎない。議論はさておき、12カ国において約100社がこういった食品製造に着手し、すでに1社は消費者に販売を行っている。
 つまり、食品安全に関する議論は待ったなしである。
 2022年11月、FAO及び世界保健機関(WHO)が開催した専門家協議では、これらの類いの食品の安全性をいかに確保するかが議題となった。
 しかしFAO食品安全オフィサーのMasami Takeuchiが説明するように、安全性確保の議論を始める前に、議論しているものを何と呼ぶかについて合意する必要がある。「どんな議論でも、まず命名法に合意することから始めなければならない。同じ単語あるいは術語を使用しなければ、お互いに話をすることは不可能である。」
「名称には何があるのか?」
 そのため、FAOは当該協議に向けて作成した報告書の一つにおいて、どの用語がどのセクターで最も使われているかを分析し、各長所及び短所を検証しつつ、用語の問題に焦点を当てた。
 「人工(artificial)」肉、「実験室育ちの(lab-grown)」肉、「模造(fake)」肉、「清浄な/公正な(clean)」肉等、さまざまな呼び名が出回っている。その中には、明らかに価値判断を伴うものもある。また、「培養された(cultured)」や「栽培・養殖された(cultivated)」のように、養殖魚やシーフード等の既存の製品との混同を生み出す可能性をもつものもある。
 また、曖昧になりすぎないよう、いくつかの用語を「肉」の単語の前に修飾語として使用する必要があることも課題である。このことは、その製品が食肉として、さらに一部の国では、この種の食品がもたらす宗教的要件やその他の要件を全て備えた食肉として、規制される必要があるのかどうかという疑問を提起する可能性がある。例えば、ハラル及びコーシャの食事規則に、これらの新しい食品はどのように適合するのだろうか?
 Takeuchiは、FAOはオープンマインドであり続けていると言いつつ、「この用語の課題に関するFAOの分析では、今のところ、「細胞ベース(cell-based)」食品という表現が最善の選択であると示唆されている」と話す。
「全世界が市場」
 科学者たちは10年以上にわたり、こういった食品の研究に取り組み、何十社もの企業が関わってきたにもかかわらず、今のところ、シンガポールだけが2020年以降、「培養された(cultured(同国が選択した用語))」チキンナゲットの形状において、こういった食品の食用を承認しており、一部の熱心な消費者に対し限定的な試食会で提供された。そのため、11月協議の開催地が、この東南アジアの都市国家であったことは偶然ではない。
 しかし、安全性及び用語に関する議論が進む一方で、世界のスーパーマーケットにこの種の製品が広く出回るようになるには、どれくらいの時間がかかるのだろうか?当然のことながら、各国はまず、こういった食品の規制作業に入る前に、何と呼ぶべきかを考えなければならない。それからが、コーデックス委員会を通して、潜在的なハザードの特定及びリスク分析に必要な綿密なステップを踏み、規制に必要となる科学的助言による支援を行うFAO及びWHOの出番である。
 他の食品の場合と同様に、新しい食品では言うまでもなく、それは多くのステップを伴うプロセスであるが、「この種の食品の安全性を確保するための方法論を、誰もが確実にもつことが早急に必要である」とTakeuchiは言い、「安全でなければ意味がない」と付け加える。
「持続可能性:存在すべきか否か?」
 まだ商品棚にはないとはいえ、細胞ベース食品が議題として取り上げられるにつれて、当然ながら細胞ベース食品を巡っては、様々な疑問、希望、懸念が存在している。家畜や家きんの大規模な疫病が発生した場合、細胞ベース食品は動物性タンパク質の持続可能な代替供給源となり得るのか?消費者ニーズの高まりによる畜産セクターへの圧迫を緩和できるのか?動物福祉にとっての勝利となるのか?
 要するに、まだ結論を出すには早すぎる。環境インパクト、エネルギー、水の使用量など、細胞ベース食品の多くの側面は、大規模生産に基づく場合にのみ、適切に評価することができる。しかし、そのためには大規模な投資が必要なのは言うまでもなく、さらに広範囲にわたる規制当局の承認が必要となるであろう。
 生産規模拡大に関するあらゆる課題の解決は、細胞ベース食品の将来を決定する重要なプロセスである。より多くの国がこの種の製品を承認し、生産規模が拡大すれば、「その時こそ、環境及び動物福祉のあらゆる問題について、より深く理解し始めることが可能となる」とTakeuchiは言う。
 しかし目下、FAOの焦点が「食の安全」であることは明らかである。「製品の安全性を確保し、それを人々に伝える方法を理解する必要がある」とTakeuchiは締めくくる。
 明らかに、依然すべきことは多くある。しかし科学者が、こういった食品が消費者にとって有益無害であるということを確保するという課題に真剣に取りかかる時、全ては名称から始まるのである。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 国際連合食糧農業機関(FAO)
情報源(報道) 国際連合食糧農業機関(FAO)
URL https://www.fao.org/fao-stories/article/en/c/1632086/

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