食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06020540294
タイトル 世界保健機関(WHO)、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2023/1/27~3/3)を公表(鳥インフルエンザA(H5)ウイルス)
資料日付 2023年3月3日
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分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は3月、人獣共通感染症のインフルエンザに関する概要及び評価報告書(2023/1/27~3/3)を公表した(6ページ)。鳥インフルエンザA(H5)ウイルスに関する概要は以下のとおり。
・感染状況
 2023年1月26日の前回のリスク評価以降、インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染によるヒト症例3例がWHOに報告された。
 2023年2月23日、カンボジアは鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス感染によるヒト確定症例1例をWHOに通知した。患者であるプレイベン州の11歳の女児は2023年2月14日に発症し、地域の病院で治療を受けた。2月21日、患者は重症の肺炎で国立小児病院に入院した。同日、重症急性呼吸器感染症(SARI)定点サーベイランスシステムを通して検体が採取された。同日、検体は国立公衆衛生研究所において逆転写PCR(RT-PCR)検査により鳥インフルエンザA(H5N1)ウイルス陽性と判定された。検体はまた、ナショナルインフルエンザセンターであるカンボジア・パスツール研究所に送付され、当該所見が確認された。当該患者は2月22日に死亡した。
 当該女児の濃厚接触者12人(8人の無症状の濃厚接触者及び4人の疑い例の定義に当てはまる有症状者)が特定され、検体の採取・検査が行われた。接触者の1人は当該女児の父親で、2月14日に軽度のインフルエンザ様症状を発症しており、2月23日にインフルエンザA(H5N1)陽性と判定された。その他11人の検体はA(H5N1)及びSARS-CoV-2陰性であった。
 両症例由来のウイルスの塩基配列データは、公的に公開されたデータベースであるGISAIDを通して共有された。ウイルスの配列解析により、これらの症例由来のA(H5N1)ウイルスはA(H5)クレード2.3.2.1cに属し、2014年以降東南アジアの家きんで循環している同クレードのウイルスと類似していることが明らかとなった。
 現地調査により、両症例は病気及び死亡家きんへのばく露歴があったことが明らかとなった。現在まで、本事例に関するインフルエンザA(H5N1)ウイルスのヒトからヒトへの伝播は認められていない。加えて、積極的な症例探索によっても更なるインフルエンザA(H5N1)ウイルス感染者は特定されなかった。
 2023年2月24日、中国は、2023年1月31日に発症した江蘇省の53歳女性の症例を報告した。患者は重症の肺炎で2月4日に入院した。当該患者は安徽省で裏庭家きん(backyard poultry)へのばく露があった。報告時点で、家族の間での更なる症例の疑いはなかった。ウイルスの塩基配列解析により、当該患者由来のA(H5N1)ウイルスはA(H5)クレード2.3.4.4bに属することが示された。
 2023年1月26日の前回のリスク評価以降、インフルエンザA(H5N6)ウイルス感染によるヒト症例1例がWHOへ報告された。
 2023年2月2日、中国は2022年12月17日に発症した広東省の49歳男性の症例を報告した。患者は重症の肺炎で12月21日に入院し、その後回復し退院している。患者は裏庭家きんへのばく露歴があり、報告時点で家族の間での更なる症例の疑いはなかった。
 2023年1月26日の直近のリスク評価には、エクアドルから報告された鳥インフルエンザA(H5)ウイルス感染によるヒト症例1例が含まれていた。更なる検査情報により、そのウイルスのN型はN1であることが確認された。従って当該症例はインフルエンザA(H5N1)ウイルス感染によるヒト症例であると考えられる。
 2022年11月11日のリスク評価には、ベトナムから報告された鳥インフルエンザA(H5)ウイルス感染によるヒト症例1例が含まれていた。更なる検査情報により、そのウイルスのN型はN1であることが確認された。従って当該症例はインフルエンザA(H5N1)ウイルス感染によるヒト症例であると考えられる。当該ウイルスが属するA(H5)クレードは不明である。
 国際獣疫事務局(OIE)への報告によると、アフリカ、アジア、欧州及びアメリカ大陸の野鳥及び飼育鳥類において、様々なインフルエンザA(H5)亜型のウイルスが継続的に検出されている。また哺乳類の感染も報告されている。
・リスク評価
(1)鳥インフルエンザA(H5)ウイルス感染の更なるヒト症例が発生する可能性
 全体として、リスク評価に変更はない。ヒト症例のほとんどは、感染した家きん又は生きた家きん市場等の汚染された環境との接触を通じてA(H5)ウイルスにばく露された散発的な感染であった。当該ウイルスは動物及び関連する環境中で検出され続けているため、更なるヒトの症例が予想される。
(2)鳥インフルエンザA(H5)ウイルスがヒトからヒトへ伝播する可能性
 医療従事者を含むA(H5)ウイルス感染の小規模なクラスターが以前に報告されているが、現在の疫学的及びウイルス学的エビデンスでは、インフルエンザA(H5)ウイルスはヒト間での持続的な伝播能力を獲得していないと示唆されているので、その可能性は低い。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/publications/m/item/influenza-at-the-human-animal-interface-summary-and-assessment-3-march-2023
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