食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu06010740344 |
| タイトル | ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)、動物由来食品中のサリチル酸の残留物に関する意見書を公表 |
| 資料日付 | 2023年1月30日 |
| 分類1 | - |
| 分類2 | - |
| 概要(記事) | ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA)は1月30日、動物由来食品中のサリチル酸の残留物に関する意見書(30ページ、フランス語、英文サマリーあり)を公表した。概要は以下のとおり。 1. 背景 AFSCA及び産業部門の組織が採取した乳の検体から、サリチル酸の残留物の存在が幾度も検出された。ほとんどの場合、AFSCAの地域管理ユニットの調査によって、これらの残留物の存在に関連し得る薬剤治療や殺生物剤の使用は特定されなかった。したがって、各産業部門は、動物の薬剤治療や殺生物剤の使用とは別の由来の可能性、特に放牧動物が摂取した植物や補助飼料を介した植物由来の可能性について考えた。 このような理由から、科学委員会は、動物由来食品中のサリチル酸の残留物の存在について意見書を提出するよう要請された。その目的は、特に以下の疑問に回答することである。 ・動物由来食品中、特に乳及び筋肉中のサリチル酸の残留物の可能性のある天然供給源は何か? ・サリチル酸の可能性のある天然供給源と外因性投与を区別することは可能か? ・動物由来食品中のサリチル酸の残留物の存在に関連する、動物衛生及び食品の安全性へのリスクは何か?また、残留物の存在のリスクを低減する管理方法を推奨できるか? 2. 結論 サリチル酸は、動物用医薬品として認可された薬理活性物質であるが、ベルギーで認可された殺生物剤にも含まれている。動物用医薬品の投与又は殺生物剤の散布による最大残留基準値(Maximum Residue Limit: MRL)の超過は否定できないが、むしろ動物用医薬品の不適切使用(不適切な投与量、休薬期間や対象種の不遵守)や殺生物剤の不適切な使用(洗浄の欠如や不十分な洗浄、搾乳施設への非認可殺生物剤の使用、同一期間にサリチル酸を含有する複数の殺生物剤の同時使用による残留物の蓄積等)に関連すると推測される。 しかし、ここで強調する必要があるのは、乳に規定されたMRLは極めて低く、この値は欧州のリファレンスラボラトリーのネットワーク内で議論の対象となっていることである。 サリチル酸は植物中に自然に存在する化合物でもある。飼料作物の中では、アルファルファ(luzerne)の干し草(485 mg/kg)、クローバーの干し草(32 mg/kg)、トウモロコシ(最大12.8 mg/kg)が、家畜におけるサリチル酸の潜在的に重要な供給源として特定されている。野生種の中では、ヤナギの樹皮(最大3 ,000 mg/kg)も重要な供給源となっている。しかし、これらの植物性供給源のリストに記載されているサリチル酸の濃度は、品種によって大きく異なり、関係する植物の部位(葉、花、種子)、ストレスや地理的原産地及び栽培条件に左右されるため、慎重に解釈する必要がある。 飼料を介して摂取されたサリチル酸塩が動物組織に移行する可能性に関しては、入手可能な研究は僅かである。反すう動物については、動物用医薬品の登録の一環として研究が実施されているが、飼料からの移行に関する研究はない。乳牛等の複胃動物においては、サリチル酸は主にイオン捕捉によりルーメン(第一胃)に保持され、したがって、血漿への移行は非常に限られていることに留意することが重要である。この反すう動物の特殊性により、吸収を1 ,000分の1に減らすことができ、つまり組織内及び乳中の濃度が低下する。 適正農業規範に従った家畜一日1頭あたりの飼料割当量に基づき、成牛は食餌を介して一日あたり約2 gのサリチル酸を摂取し得ると推定された。入手可能な情報を考慮すると、これらの量はMRLの超過につながらないであろう。 サリチル酸塩は、高用量(>血漿700 mg/L)を摂取した場合、ヒトの健康に対して重大な毒性を引き起こす可能性がある。しかし、植物及び飼料から検出される濃度は、ヒトの健康や動物衛生に対するリスクにはならない。 科学委員会の見解と知見の現状では、サリチル酸が非常に豊富な植物を摂取した場合であっても、サリチル酸の含有量が多いと推測される植物の摂取後に乳中にサリチル酸の残留物が存在することはおそらくないだろう。 サリチル酸塩は、生体内でサリチル酸に加水分解されるため、検体から検出されたサリチル酸が、サリチル酸、アセチルサリチル酸、メチルサリチル酸、或いは別のサリチル酸塩のいずれかに由来するかどうかを特定することはできない。同じ理由で、反すう動物において、サリチル酸が飼料由来(天然)か非飼料由来(薬剤治療又は殺生物剤の残留物)かを区別することは現在不可能である。しかし、科学委員会としては、特定の殺生物剤(0.1~0.5%)又は医薬品(サリチル酸メチル660 mg/g)で達し得る濃度と、飼料中の濃度を比較して、まず非飼料由来について調査することが整合的であると考えた。 3. 当局に対する勧告 不適合の場合、医薬品又は殺生物剤の不適切な使用に関する調査の他に、科学委員会は、アルファルファを豊富に含む飼料を動物に与えたかどうか、或いは、ヤナギを主成分とする補助飼料が使用されたかどうかを確認するよう勧告する。さらに、アルファルファ中のサリチル酸含有量に関する研究の数は限られていること、また、飼料におけるアルファルファの重要性から、この植物性供給源のサリチル酸含有量について追加の研究を実施することが勧告される場合がある。 一方、殺生物剤の使用及びその使用条件の遵守についても、検査を行うべきであろう。殺生物製品の技術データシートや認可文書に、サリチル酸の使用に関する警告を加え、サリチル酸が乳や肉から検出される可能性を強調することが理想的であろう。 飼料から動物由来食品への可能性のある移行率を設定するために、特に反すう動物において追加の研究を実施することが望ましいと思われる。 最後に、科学委員会は、動物組織、特に乳中のサリチル酸残留物の飼料由来(天然)と外因性由来(薬剤治療や殺生物剤による汚染)を区別できるような分析ツールを開発するよう勧告する。また、最近の検出状況を考慮し、科学委員会は今後数年間、牛乳中のサリチル酸の検出傾向を分析し、MRL超過の潜在的原因について、できる限り網羅的な疫学調査を実施するよう勧告する。 |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | ベルギー |
| 情報源(公的機関) | ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA) |
| 情報源(報道) | ベルギー連邦フードチェーン安全庁(AFSCA) |
| URL | https://www.favv-afsca.be/comitescientifique/avis/2022/_documents/Avis01-2023_SciCom2022-12_Residusacidesalicylique.pdf |
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