食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06010440301
タイトル 国際原子力機関(IAEA)、動物生産環境における薬剤耐性の検出及び特性決定に向けた革新的となる核アプローチ及び関連する分子アプローチに関する協同研究プロジェクトの公募を公表
資料日付 2023年2月10日
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概要(記事)  国際原子力機関(IAEA)は2月10日、動物生産環境における薬剤耐性の検出及び特性決定に向けた、革新的となる核アプローチ及び関連する分子アプローチに関する協同研究プロジェクト(D32043)の公募を公表した。概要は以下のとおり。
 IAEAは、動物生産環境における薬剤耐性(Antimicrobial Resistance(AMR))の検出及び特性決定に向けた、革新的となる核アプローチ及び関連する分子アプローチに関する新たな5カ年協同研究プロジェクト(Coordinated Research Project(CRP))への参加を研究組織に呼びかけている。毎年100万人以上の死者を出すAMRは、「サイレント・パンデミック」と呼ばれ、世界的に健康上の懸念となっている。
 抗菌性物質は、治療、疾病予防、成長促進等の目的で飼育動物に使用される。世界で販売される抗生物質の3分の2以上が動物に使用されている事実を考慮すると、動物生産システムにおけるAMRの出現、及び、ヒトへの伝播は重大な問題である。
 各国のAMR監視プログラムは、多くの場合、ヒトの健康や食品安全を目的とした動物におけるAMRの検出に重点を置いており、動物生産施設には殆ど注意が払われてこなかった。動物生産現場におけるAMRの積極的監視の実現に向けては、AMRの検出・特性決定に向けたガイドライン、調和された検体採取プロトコル、費用対効果の高い技術の不足が制約となっている。分析手法の多くは、選択的に培養された細菌におけるAMR/ARGs(antimicrobial resistance genes(薬剤耐性遺伝子群))の検出に重点を置いているが、多くの微生物種は培養不可能であるか、培養は困難である。
 安定同位体技術及び分子/ゲノム技術は、飼育動物環境から収集された検体において、培養に依存せずに潜在的な薬剤耐性を検出するための強力なアプローチを提供する。抗菌性物質は長期に渡り、生産効率向上のための成長促進剤として、家畜飼料において治療量以下の用量にて使用されてきた。このような抗菌性成長促進剤(antibiotic growth promoters(AGPs))は畜産業に利益をもたらしてきたが、その使用は、腸内環境の微生物に耐性が出現する一因となっている。即ち、AGPsの効果的な代替品を特定することは、動物生産現場における抗菌性物質の使用量低減に向けた重要なアプローチとなる。
 IAEAのこの新たなプロジェクトは、豚、鶏、牛という3種類の主要な動物生産システムを対象とする。本CRPは、以下に関する検証された/調和されたプロトコルの開発支援を予定している。
・ 農場環境由来検体の収集及び分析
・ 家畜に影響を与える感染性因子間における薬剤耐性の分布特性
・ 動物生産におけるAGPsの代替候補物質の性能に関する科学データ
・ 動物飼育施設内におけるバイオセキュリティを改善しAMRを低減する適正飼養規範(good husbandry practices)に関する戦略/ガイドライン
 本CRPは、発展途上国の研究契約者8名、先進的なAMR研究に従事する研究機関の技術契約者3名及び研究同意者3名にて構成される予定である。選抜された各研究契約者には、5年間にわたり年間1万ドルのシード・グラントが与えられる。
 全体的な目的
加盟国、中でも発展途上国が、国内のAMR監視プログラムの効率及び効果を向上させ、動物生産現場におけるAMR低減のための適正飼養規範を促進するために、革新的な核アプローチ及び関連アプローチを利用できるようにすること。
 具体的な研究目的
1. 高インプット及び低インプットの動物生産環境におけるAMR検出に向けた農場レベルの検体採取法(バイオエアロゾル(※訳注:生物に由来する浮遊粒子状物質)、水、飼料、糞便等)の開発、評価、検証
2. 核科学的・分子生物学的・微生物学的手法を用いた、高インプット及び低インプットの動物生産環境におけるAMR分布特性の確証
3. 動物生産現場における、飼料添加物としてのAGPs代替品の有効性評価
4. 動物-ヒト-環境間のインターフェースにおけるAMRの発生及び伝播に関する科学的エビデンスの確証
5. 動物感染症における、細菌類以外の薬剤耐性(駆虫剤耐性、殺ダニ剤耐性、抗真菌剤耐性等)に関するフェノタイピング及びジェノタイピング手法の評価と最適化
6. 飼育動物現場におけるAMRの出現・発生リスクの低減を目的とする、適性飼養規範、あるいは、抗菌性物質に関する管理責任(stewardship)の試行及び推奨
 本CRPへの提案提出は2023年4月9日を締切とする。IAEAは研究機関に対し、可能な限り、女性研究者や若手研究者を提案に関与させることを推奨する。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) 国際原子力機関(IAEA)
URL https://www.iaea.org/newscenter/news/new-crp-innovative-nuclear-and-related-molecular-approaches-for-detection-and-characterization-of-antimicrobial-resistance-in-animal-production-environment-d32043
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