食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu06000080391 |
タイトル | 英国健康安全局(HSE)、食品・飲料製造におけるジアセチルへのばく露に関し注意喚起 |
資料日付 | 2023年1月23日 |
分類1 | - |
分類2 | - |
概要(記事) | 英国健康安全局(HSE)は1月23日、食品・飲料製造におけるジアセチルへのばく露に関する注意喚起を行った。概要は以下の通り。 1.課題 香料として多く使用され、コーヒー焙煎の副生成物でもあるジアセチルの蒸気へのばく露が、深刻かつ不可逆的な肺疾患につながる可能性がある。ジアセチルが混合物及び香料の中に低濃度で存在する場合でも、その蒸気へのばく露は安全な職場ばく露限界値(workplace exposure limits:WEL)を超えている可能性がある。 2.問題の概要 HSEの科学的研究では、ジアセチルを特定の温度以上で加熱すると、空気中の濃度が著しく上昇し、WELを超えるばく露の可能性があることが示されている。 「コーヒー製造におけるリスク」 豆の焙煎及び粉砕時のばく露レベルはWELを超える可能性がある。豆の粉砕時に自然に発生するジアセチルの量は、温度に依存する。焙煎豆がまだ熱い状態(約40℃)で粉砕された場合、濃度は著しく上昇し、焙煎から粉砕までの間に豆が室温(約16~20℃)まで冷却された場合、濃度は低下する。 「香料製造におけるリスク」 ジアセチルを含む香料混合物が低濃度(5%以下)であっても、加熱、高温工程への投入、噴霧乾燥により、空気中のジアセチル濃度は著しく上昇し、WELを超えるばく露の可能性は大きく増加する。 ばく露リスクは、以下の場合に生じる可能性がある。 ・ジアセチルまたは香料の容器の開封 ・容器の移し替え及び計量 ・混合 ・粉末状混合物を製造するための噴霧乾燥 ・包装 ・ベッセル容器または流出物の清掃 「ハザード物質のWEL」 ジアセチル (CAS: 431-03-8)は、2 ,3-ブタンジオンとも呼ばれ、自然に存在する有機化合物であるが、合成的にも製造されている。ジアセチルの蒸気は、コーヒー豆の焙煎及び粉砕の際に副生成物として発生することがあり、ビールの醸造中にも存在することがある。合成ジアセチルはハザード物質として分類されている。吸入すると有毒であり、接触により皮膚刺激及び眼障害を引き起こす可能性があり、飲み込むと有害である。 ジアセチルのWELは、「EH40/2005 職場ばく露限界値」において発表された。限界値は、8時間の時間加重平均(TWA)で20 ppbまたは0.02 ppm、15分のTWAで100 ppbまたは0.10 ppmとなっている。ジアセチルまたはジアセチルを含む混合物に関するサプライヤーの安全データシートには、これらのWELを記載する必要がある。2002年健康に対するハザードとなる物質の管理(COSHH)規則(改正後)では、業務上のばく露がWEL未満であるよう、評価・防止・適切な管理を雇用者に対し義務付けている。 3.必要とされる措置 「リスクの評価」 自社のプロセスにおいて、ジアセチルあるいはジアセチルを含む食品香料を使用する場合、またはジアセチルを生成する可能性がある場合は、リスク評価を実施しなければならない。自社のリスク評価は、ばく露の可能性に関連するハザードを特定し、誰がどのように被害を受けるかを理解し、リスクを評価し、予防策を決定するのに役立つ。 (中略) 「代替品」 より安全な代替品に変更する。代替品には2 ,3-ペンタンジオンなど、ジアセチルに類似した化合物を含んではならない。 「ばく露のリスク管理」 代替が実行可能な選択肢でない場合(例えば、ジアセチルが自然の副生成物である場合)は、厳格な管理が行われなければならない。 ・気化を大幅に抑制できるよう、香料は低温(4℃以下)に保つ。 ・ジアセチルの蒸気を発生源で管理するため、プロセスは密閉し、抽出を利用する。 ・コーヒー製造の場合、粉砕前のコーヒー豆を(少なくとも20℃以下まで)冷却する。 ・ジアセチル香料を製造・使用する場合は、密閉式または自動化されたシステムで、製造の最終段階で香料を添加する。 ・上記の管理でばく露量がWEL未満に低下しない場合は、適切な呼吸用保護具(RPE)を含む適切な個人用保護具(PPE)の提供を検討すべきである。 (以下、省略) |
地域 | 欧州 |
国・地方 | 英国 |
情報源(公的機関) | 英国健康安全局(HSE) |
情報源(報道) | 英国健康安全局(HSE) |
URL | https://www.hse.gov.uk/safetybulletins/diacetyl-vapour-exposure.htm?utm_source=hse.gov.uk&utm_medium=refferal&utm_campaign=diacetyl-safety-alert&utm_content=news-page |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
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掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
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