食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu06000020150
タイトル 欧州化学品庁(ECHA)、PFAS規制案(附属書XV)を公表
資料日付 2023年2月7日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州化学品庁(ECHA)は2023年2月7日、PFAS規制案(附属書XV)を公表した。規制案の概要は、以下のとおり。
 序論(抜粋)
 本附属書XVでは、PFASの使用によるリスクに対処するための最も適したリスク管理オプションとして、化学物質の登録、評価、認可および制限に関する欧州議会および理事会規則(REACH規則)に基づく2つの規制オプションの効果、実用性、監視可能性および社会経済影響に関する評価を提供している。
 懸念(抜粋)
 本規制案の対象となるすべてのPFASおよび/またはそれらの分解生成物の主な懸念は、非常に高い残留性で、REACH規則の付属書XIIIによる非常に残留性が高い(vP)という基準をはるかに超えていることである。PFASとその分解生成物は、他のどの合成化学物質よりも長く環境中に残留する可能性がある。
 規制リスク管理の選択肢
 環境におけるPFASの蓄積量が増加する過程は不可逆的であり、人および環境へのばく露を伴うため、PFASの排出を最小限に抑えることが必要である。異なる規制リスク管理オプション、例えば、調和のとれた分類および表示(CLH)と認可、が検討されてきたが、これらのオプションは物質毎のアプローチに従うものである。対照的に、規制は広い化学的範囲を定義する可能性を提供し、それによって、あるPFASが別のPFAS(まだ設計されていないかもしれない)に代わるという遺憾な代替(regrettable substitution)を避けることができる。同時に、PFASは工業用、業務用、消費者用の幅広い製品に遍在しているため、達成不可能なエンド・オブ・パイプ解決策(訳注 工場等で発生した有害物質を最終的に外部に排出しない解決策)ではなく、製造と使用を禁止するために、継続的で制御不能な排出の問題を発生源で取り組むことができるようになる。規制は幅広い用途をカバーし、物質そのものだけでなく、他の物質や混合物、EU域外からの輸入品を含む成形品の製造や使用から生じるリスクにも対処することができる。したがって、規制は、多くの用途に使用されるこのような大規模で複雑な物質群を適切に管理するための最も適切かつ効果的な選択肢である。
 規制の範囲(抜粋)
 本規制案の化学的範囲は、フッ素化メチル(CF3-)またはフッ素化メチレン(-CF2-)炭素原子を少なくとも1つ含む物質(H/Cl/Br/Iが結合する化合物は除く)と定義される。ただし、いくつかの例外がある(後述)。これは、2021年に発表された経済協力開発機構(OECD)のPFASの定義に沿ったもので、国際的な科学コミュニティによって精査され、広く受け入れられているものである。この定義は、完全に分解するPFASのいくつかのサブグループを含む10
,000種以上のPFASを包含している。これら完全に分解するサブグループは、それらの主要な構造要素によって記述することができ、高い難分解性という根本的な懸念(上述)を満たさないため、本規制案の範囲から除外される。
 PFASのすべての用途が、文書提出者(訳注 ドイツ、オランダ、スウェーデン、ノルウェー、デンマークの各国当局)によって具体的に評価されたかどうか、および/または本報告書に記載されているかどうかにかかわらず、特定の例外規定が策定されていない限り、本規制の対象となる。
 社会経済分析(抜粋)
 2つの規制オプションが評価された。18カ月の移行期間を設けた例外なしの全面禁止(RO1)と、用途別の期限付き例外を設けた全面禁止(18カ月の移行期間と5年または12年の例外期間)(RO2)である。対象となる用途に関連する様々な関係者のPFAS禁止コストに関する具体的な情報は乏しく、主に定性的であったため、適用除外とその期間は主にPFASの代替物質の入手可能性と適用可能性に基づいた。RO2には、植物保護製品(PPP)、殺生物性製品(BP)、人および動物用医薬品(MP)の活性物質として使用されるPFASなど、期限を定めない適用除外もいくつか含まれており、これらの製品はそれぞれの規制で扱われている。
 提案された適用除外の他に、文書提出者は、適用除外が保証される可能性はあるが、根拠が弱い用途も特定した。これらの用途は括弧書で示されており、除外を実証するためには、追加情報が必要であり、本規制案の第三者協議の期間に提供されなければならないことを示す。実質的な根拠が提供された場合にのみ、文書提出者はこれを評価し、緩和が正当化されるかどうかを検討することができる。当面の間、括弧内の用途は「適用除外なし」と理解すべきである。
 比例原則(※訳注1)に関する結論
 本規制案で詳細に扱われている14(※訳注2)の使用分野および/または用途について、文書提出者は、PFAS排出の程度は規制措置をとるに値すると結論する。この必要性は、(詳細に)対処されていない使用分野や用途(および廃棄物段階)からの追加排出が懸念を高め、結果として規制によるリスク管理措置の必要性を高めるだけであるという事実によって、さらに強化される。多くの用途では、機能的な代替物質がすでに利用可能である。
 最終的に、何もしないことによる社会的コストは、PFASの使用を禁止することによるコストを常に上回ることから、RO1とRO2はいずれもリスクに見合っていると思われる。これは、PFASとその分解生成物が環境中に残留することを根拠としている。いったん規制が行われると、産業ストック(使用中や棚にある(長寿命の)製品)や廃棄物にPFASが存在するため、排出は今後何年も続き、PFASの環境ストックが増え、結果として人と環境のPFASばく露が増えることを認識しなければならない。
 いずれの規制オプションもリスクに見合っていると考えられるが、文書提出者は最もバランスの取れたオプションとしてRO2を提案する。RO2は、代替手段がまだ確立されていない製品が突然入手できなくなることによる社会への望ましくない影響を緩和する余地を残し、利害関係者と産業界が代替品へのスムーズな移行を準備することを可能にする。ただし、RO2における緩和措置の結果として、PFASsの禁止を遅らせることは、健康や環境への影響から生じるコスト負担を将来世代に転嫁することになるということに留意する必要がある。
 当該規制案に関する書類は、下記URLから入手可能。
https://echa.europa.eu/restrictions-under-consideration/-/substance-rev/72301/term
※訳注1 達成されるべき目的とそのために取られる手段としての権利および利益の制約との間に均衡を要求する原則
※訳注2 「繊維製品、内装、皮革、衣料、カーペット(TULAC)」、食品接触材料および包装、金属メッキおよび金属製品の製造、化粧品、消費者用製品類(洗浄剤等)、スキーワックス、フッ素化ガスの応用、医療機器、輸送、電子機器と半導体、エネルギー分野、建築材料、潤滑剤、石油と鉱業、の14分野
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) 欧州化学品庁(ECHA)
URL https://echa.europa.eu/-/echa-publishes-pfas-restriction-proposal
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