食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05970530464
タイトル オーストリア保健・食品安全局(AGES)、クマリン(Cumarin)の概況報告書を公表
資料日付 2022年12月16日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  オーストリア保健・食品安全局(AGES)は12月14日、クマリン(Cumarin)の概況報告書を公表した。概要は以下のとおり。
1. 概説
 クマリンは心地良い香りを有する植物成分であり、クルマバソウ(woodruff)に典型的な風味及び香りをもたらす。天然由来である当該物質は、血液濃度を低下させる医薬品として使用され、「クマリン系」とも略される合成誘導体(PhenprocoumonやWarfarin、等)とは区別される。
2. クマリン含有製品類
 シナモン・カッシア品種、トンカ豆、クルマバソウ等にクマリンは含有されている。新鮮なクルマバソウ約3 gには、クマリン・6 mgが含有される。シナモンにおけるクマリン含有量は平均2
,900 mg/kgと推定されている(品種により8 - 4
,380 mg/kgの範囲で変動する)。特にシナモンの樹皮と葉は、多くの食品や茶菓に使用されているほか、民間療法、医薬品の製剤でも利用される。クマリン含有量の多い品種は、アジアの伝統医学分野での使用も頻繁である。これらにより、不要なクマリンを意図せず摂取してしまう可能性がある。クリスマスは菓子、飲料や煮込み料理など、特にシナモンが多く使われる機会がある。
 クマリンは、また香水、シャワージェル、ローションやデオドラント製品の香料として化粧品関連企業で使用されている。この物質は皮膚から比較的容易に吸収されるため、日常的な使用によりクマリン吸収量が高まる可能性がある。接触アレルギー性があることから、規則(EC)No. 1223/2009(EU化粧品規則)で法的に規制されている。
3. 健康リスク
 クマリンは長期の大量摂取により、肝臓に悪影響を与え、敏感な人では、血液中の肝臓に関する数値が上昇し、黄疸に至ることさえある。動物実験では、クマリンの長期大量投与で、マウスやネズミにがんが発生することが確認されている。一方、ヒトではクマリンによる腫瘍形成の報告はない。
4. オーストリアにおける状況
 食品中に含有されるクマリン最大値は、香料に関する規則(EU) No. 1334/2008付属書IIIにて規制されている。精製物質として意図的に食品に添加することは禁じられ、香辛料成分としての添加のみが認められる。
 工業的・商業的に製造される製品において、欧州におけるクマリンの最大値は、通常の摂取量にて耐容一日摂取量(TDI、0.1 mgクマリン/kg体重)を超過しないように規制されている。伝統的なオーストリアのペストリーあるいはクリスマス クッキー等のシナモンを含有する製品を習慣的に摂取しても、健康を害するリスクはないと予想される。クリスマス シーズン中に摂取量が増大しても、通年での摂取量を考慮すれば、通常、バランスが取れており、許容一日摂取量を長期にわたり懸念となる程超過するとは予想されない。
 2019年の優先的活動の一環として、多様な食品群において、クマリン最大含有量が法的に許容される範囲にあるか否かを確認した。オーストリア全土から57サンプルが検査され、1サンプル(シナモン入りスパイス ビスケット)は、クマリン最大値を超過していた。
5. クマリンに関して優先すべき行動
 総じて、シナモン・カッシア品種、クルマバソウの葉、トンカ豆は適度に使用することを推奨する。
6. 専門的情報
 ドイツ連邦リスク研究所(BfR)と欧州食品安全機関(EFSA)は、耐容一日摂取量(TDI)を0.1 mg/kg体重と算出している。クマリンの摂取量を計算する際には、シナモン、クルマバソウ、化粧品、食品サプリメントなど、様々な供給源の合計を考慮することが不可欠である。
地域 欧州
国・地方 オーストリア
情報源(公的機関) オーストリア保健・食品安全局(AGES)
情報源(報道) オーストリア保健・食品安全局(AGES)
URL https://www.ages.at/mensch/ernaehrung-lebensmittel/rueckstaende-kontaminanten-von-a-bis-z/cumarin
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。