食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05950700505
タイトル スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、スイス抗生物質耐性報告書(2022年)を公表
資料日付 2022年11月10日
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概要(記事) スイス連邦食品安全獣医局(BLV)は11月10日、スイス抗生物質耐性報告書(2022年)を公表した。概要は以下のとおり。
 2022年のスイス抗生物質耐性報告書(Swiss Antibiotic Resistance Report 2022)によると、医師と獣医師が処方する抗生物質はここ数年、依然として減少しており、耐性率の上昇も今のところ抑えられている。抗生物質の長期的な有効性を確保し、耐性の発生を抑制するために、連邦参事会は2015年、国家抗生物質耐性戦略(StAR)を開始し、ヒト・家畜・伴侶動物、環境における抗生物質の耐性と使用のモニタリングを行っている。モニタリングの結果は、2年ごとに「スイス抗生物質耐性報告書」として公表されている。スイスでは公共の措置の取組みが、あらゆる分野で徐々に成果を上げている。
・ヒト及び動物医療における抗生物質使用の低下(抜粋)
 2021年に獣医師が処方した抗生物質の量は、2019年と比較して約6%減少した。2012年以降、獣医部門における抗生物質の処方は半分近く減っている。ヒトの医療分野において重要な、いわゆる極めて重要な抗生物質(critical antibiotics)の使用量は2019年から2021年にかけて減少し続けており、2016年以降からおおよそ半減している。
 ヒト及び動物医療分野において収集された耐性データでは、様々な耐性の傾向が明らかにされた。いくつかの細菌では顕著に耐性が増加している一方、別の細菌では安定している又は減少していた。全体としては、過去数年間で耐性率が安定していることが明らかになった。
・あらゆる領域での対応策(抜粋)
 ここ数年の間に、ヒトと動物の医療だけでなく、農業分野でも、抗生物質の使用を抑制し、耐性の発生を防ぐために、多くの対策が実施されている。医師や獣医師が適切な抗生物質を選択し、正しく使用できるように、ガイドライン、マニュアル、推奨事項、継続的な教育が用意されている。
 2019年10月以降、獣医師は、動物医療における抗生物質に関する情報システム(SI ABV)を通して、全ての抗生物質の処方を申告しなければならなくなった。その結果は、抗生物質の慎重な使用を保証するためにすでに実施されている対策の評価に役立つものである。
 また、今後は下水処理場での新たな処理工程の導入により、河川・湖沼への抗生物質の流出は大幅に減少することが見込まれる。下水処理場の改良計画は2016年に始まった。2020年には、この新しい工程で処理されたのは汚水の11%であったが、2040年までにこの割合を70%にすることを目標としている。ライン川の水で実施された測定により、抗生物質濃度の明らかな低下が確認されている。
 StARを補完するために、連邦参事会は2015年に国家研究計画を開始した。国家研究計画「薬剤耐性」(PNR 72)により、耐性病原菌の蔓延を抑え、より責任のある抗生物質の使用を確保し、耐性菌による感染症をより良く治療するための解決法について、新たな方向性が得られた。
・協力の強化
 抗生物質耐性に関しては、ヒトの健康と動物衛生は密接につながっている。例えば、PNR 72により、退院患者とその近親者との間、動物病院職員とそこで治療を受けた動物との間での耐性病原体の伝播事例が明らかになった。様々な分野の専門家が、健康・保健衛生に関する複合的な問題の解決策を共に模索し、統合的なワンヘルス・アプローチを進めるようになってきている。このアプローチに基づいて、本報告書はあらゆる分野のデータを分析し、それらをまとめることを目的としている。
 当該報告書(英語、193ページ)は以下のURLから閲覧可能。
https://www.blv.admin.ch/dam/blv/fr/dokumente/tiere/tierkrankheiten-und-arzneimittel/tierarzneimittel/star-antibiotika/swiss-antibiotic-resistance-report-2022.pdf.download.pdf/Swiss%20Antibiotic%20Resistance%20Report_2022.pdf
地域 欧州
国・地方 スイス
情報源(公的機関) スイス連邦食品安全獣医局(BLV)
情報源(報道) スイス連邦食品安全獣医局(BLV)
URL https://www.blv.admin.ch/blv/fr/home/dokumentation/nsb-news-list.msg-id-91361.html
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