食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05930540160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、迅速なリスク評価「食品中のひまわり油が精製なたね油で代用された場合、英国の消費者に対するエルカ酸(Erucic acid)の長期的リスクはどのようなものか?」を公表
資料日付 2022年10月20日
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分類2 -
概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は10月20日、迅速なリスク評価「食品中のひまわり油が精製なたね油で代用された場合、英国の消費者に対するエルカ酸(Erucic acid)の長期的リスクはどのようなものか?」を公表した。概要は以下のとおり。
エグゼクティブサマリー
 なたねは重要な油糧種子作物であり、生産される油は食品及び食品製造に広く使用されている。アブラナ科の他の種とともに、なたね種子には脂肪酸の一種であるエルカ酸が含まれている。高度のエルカ酸の摂取は、いくつかの生物種においては心臓に悪影響を及ぼす。商業利用されているなたねの栽培品種は、エルカ酸の含有量が低くなるように品種改良されており、なたね油を含め、油のエルカ酸含有量には最大値が設定されている。欧州食品安全機関(EFSA)による最近の見直しでは、耐容一日摂取量(TDI)は7 mg/kg体重/日に設定された。
 ウクライナにおいて進行中の事態によるサプライチェーンの混乱により、食品及び食品製造に使用されるひまわり油の全部または一部をなたね油に置き換える必要があり、消費者のエルカ酸へのばく露が増加する可能性があることを意味している。
 二つのばく露シナリオが検討され、一つ目のより控えめな(conservative)シナリオでは、なたね油においてエルカ酸が最大許容値である2%含まれていると仮定され、二つ目のより現実的なシナリオでは、0.13から0.52%の範囲にあると報告されているエルカ酸の含有量データが使用されている。後者が最も現実的なシナリオであるため、本評価の基礎として使用された。
 この後者の英国消費者ばく露評価では、すべての植物油がなたね油だけに置き換えられるシナリオにおいて、高摂取者の特定の集団は、摂取量の上限でTDIを最高で40%まで超える可能性が示されている。しかし、評価の控えめな性質及び推定ばく露シナリオから、エルカ酸含有量と関連して、ひまわり油からなたね油への置き換えが消費者に悪影響を及ぼす可能性は低いことが示唆された。
 英国の集団において、精製なたね油の有害反応の報告が乏しいこと、及び重篤な病気あるいは死亡のエビデンスが乏しいことに基づき、我々は以下のとおり判断している:
1. 増加する可能性のある精製なたね油からのエルカ酸の摂取に対する一般集団の有害反応の頻度はごくわずかであり、稀なものであるため、考慮するに値しない。
2. 増加する可能性のある精製なたねからのエルカ酸の摂取に対する幼児年齢集団の有害反応の頻度は非常に低くい、しかしながら、排除はできない。
 なたね油を含む、油及び乳児用調製粉乳のエルカ酸含有量は法律で定められており、食事中のエルカ酸への潜在的なばく露を制限していることに留意すべきである。しかし、エルカ酸の悪影響に最も敏感であると思われる年齢集団であり、最もばく露量が高い幼児(toddlers)については、高摂取者はTDIを超えており、動物実験で観察された影響は比較的短期間で生じることから、悪影響を排除することができない場合もある。とはいえ、これらの影響は軽度で、一過性かつ可逆的であり、ばく露評価の控えめな性質を考慮すると、悪影響の可能性は低いとみなされる。すべての食事成分と同様に、年長の幼児におけるばく露量は、体重の増加に伴い低下することに留意すべきである。
 ひまわり油の代替が継続される場合には、このリスク評価の仮定、特に最悪のケースのばく露評価に向けた推定摂取量(すべての植物油が精製なたね油で代替されると想定した推定摂取量)は、GB市場での代替から12ヶ月後に再検討し、摂取量を確認することが推奨される。
 概して、なたね油を介した過度のエルカ酸ばく露の結果として生じうると報告されている疾患が、重篤となる可能性は一般的に中程度であると考える(例えば、中等症、日常生活に困難を来す(incapacitating)程度にはなるが通常は生命を脅かさない、中程度の持続期間)。
 不確実性の程度は中程度と考える(例えば、いくつかの入手可能なデータはあるが、完全なデータはない)。市場が代替された後、なたね油で代替されたひまわり油の実際の量に対してばく露評価を再検討することで、この不確実性のレベルは大幅に減少する可能性がある。
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://www.food.gov.uk/research/research-projects/rapid-risk-assessment-what-is-the-long-term-risk-of-erucic-acid-to-uk-consumers-if-sunflower-oil-in-food-is-substituted-with
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