食品安全関係情報詳細
資料管理ID | syu05930080314 |
タイトル | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、フッ素含有化学物質PFOAの経皮吸収に関する自己実験を公表 |
資料日付 | 2022年10月14日 |
分類1 | --未選択-- |
分類2 | --未選択-- |
概要(記事) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は10月14日、フッ素含有化学物質PFOAの経皮吸収に関する自己実験(self-experiment)を公表した。概要は以下のとおり。 パー及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、長期持続性を示すフッ素含有産業化学物質である。撥水性、撥油性、防汚性を兼ね備える特性から、食品用紙製包装容器、アウトドア用繊維、ノンスティック・フライパン等、多岐にわたる消費財に組み込まれている。PFASsは世界中の環境に拡散し、食品を介して少量が摂取されている。当該化合物の一部は、ペーフルオロオクタン酸(PFOA)のように、非常に時間を掛けてヒトから排泄される。そのため、生物体内に蓄積されることとなり、特に問題視されている。 特性向上を目的として、PFASは極一部の化粧品に添加されている。添加されたPFASは、パッケージに表示する義務がある。このような化粧品には,PFOA等の問題となる化合物が不純物や分解産物として含有される可能性がある。これまで、皮膚に塗布された後、当該物質の相当量が体内に浸透することはないと推測されてきた。しかしながら、ヒトの皮膚からのPFASの吸収に関するデータは入手可能ではなかった。この度、BfRの科学者1名は、日焼け止め製品に添加されたPFOAが体内に吸収されるか否かを初めて自己実験(self-experiment)にて検証した。実験者と同僚が科学誌・Environment Internationalにて報告したように、体内への吸収は正に事実である。少量のPFOAは皮膚バリアを通過し、血中に検出される可能性がある。 疫学研究から、日焼け止め製品、チークパウダー、洗顔料等の各々の化粧品の使用と血中PFAS濃度の上昇がリンクしている可能性が示唆されている。しかしながら、げっ歯類や皮膚モデルを用いた研究では、これまでのところ、PFOAという物質が皮膚を介して相当量体内に浸透するというエビデンスを得ていない。本研究は、PFOAの取り込みをヒトにおける現実的な条件下に調査した初めての研究となる。本研究の目的遂行のため、PFOA・110マイクログラム(100万分の1グラム)と日焼け止め製品・30グラムを混合し、日光浴前のように皮膚全体に塗布し、2日後、残留物を洗い流した。 「血中への移行には時間が掛かる」 被検者の血液は、115日間にわたりPFOAに関して調査された。PFOAは皮膚を介して時間を掛けてしか吸収されず、最高血中濃度に達するのは3週間後であることが判明した。その後、血中濃度は徐々に低下した。使用したPFOAの半減期は、生物体内にて1.8年と推定され、この期間の経過後、その半量は排泄される。この結果は、ヒトにおいて当該物質の排泄には時間が掛かるという、これまでの知見と一致する。科学者らは、クリームに含有されるPFOAの約1.6%が体内に浸透したと推定している。本結果から、化粧品に含有されるPFOAのうち、着目すべき相当の割合が生物体内へと通過し得ること、及び、PFOAがこの現象と関連する量で含有される場合、皮膚を介した取り込み経路を無視することはできないことが、本パイロット・テストにおいて実証された可能性がある。本結果は恐らく、PFOAのみならず、他のPFASにも当てはまる。 被験者の血中PFOA総量に対する日焼け止め製品由来PFOAの割合は、最大で10%弱であった。これは、塗布1回後には既に、体内のPFOA総量に対して高い割合に達することを意味する。日焼け止め製品1gあたり3.7マイクログラムという、実験上高く設定したPFOA濃度に起因するものである。このような高濃度のPFOAが化粧品から検出されることは、過去世界的にも極めて稀であり、EUにおいては一度たりともない。 規則(EU) 2019/831により、PFOAは化粧品には使用できない。PFOAの製造・使用・市販・輸入は、一部の例外を除外として、EUでは原則禁止されている(欧州委員会委任規則(EU) 2020/784参照)。2020年7月に実施された欧州全域を対象とする規則の結果、PFOAは偶発的、且つ、不可避である微量汚染物質として、製品1gあたり最大0.025マイクログラムまでの検出量しか許容されない。半減期の長い他の重要となるパーフルオロ化合物については、対応する規則が2023年2月に施行される予定である。 「PFASのリスク評価」 疫学研究において、高い体内PFAS総量は多様な生物学的変化と相関している。その因果関係を明らかにするためには、さらなる研究が必要となる。中でも、ワクチン接種後の小児に観察される抗体生成量の低下は極めて重要と考えられる。欧州食品安全機関(EFSA)の現リスク評価は、これらの免疫学的データに基づいている。しかしながら、規則の結果として、PFOAという物質へのばく露は、過去20年で大幅に低減している。 BfRのPFASsに関するサイトでは、さらに情報を提供している。 https://www.bfr.bund.de/cm/349/pfas-in-food-bfr-confirms-critical-exposure-to-industrial-chemicals.pdf https://www.bfr.bund.de/cm/349/industrial-chemical-pfba-does-not-accumulate-excessively-in-lungs-and-kidneys.pdf https://www.bfr.bund.de/cm/349/pfas-industrial-chemicals-BfR-is-participating-in-the-eu-wide-restriction%20proposal.pdf |
地域 | 欧州 |
国・地方 | ドイツ |
情報源(公的機関) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
情報源(報道) | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
URL | https://www.bfr.bund.de/en/critical_assessment_of_chemometric_models_employed_for_varietal_authentication_of_wine_based_on_uhplc_hrms_data-308564.html |
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本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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