食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05920400301
タイトル 論文紹介:「現場からの手記:2012年8月から2022年7月までに米国12州でNoroSTATを通して報告されたノロウイルス集団感染」
資料日付 2022年9月23日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  MMWR(2022
, 71(38):1222-1224、doi:10.15585/mmwr.mm7138a3)に掲載された論文「現場からの手記:2012年8月から2022年7月までに米国12州でNoroSTATを通して報告されたノロウイルス集団感染(Notes from the Field: Norovirus Outbreaks Reported Through NoroSTAT - 12 States
, August 2012-July 2022)、著者AK Kambhampati (Division of Viral Diseases
, National Center for Immunization and Respiratory Diseases
, CDC
, 米国)ら」の内容は以下のとおり。
 ノロウイルスは米国における急性胃腸炎の主要な原因である。2020年4月、米国のノロウイルス集団感染の発生率は大幅に低下したが、これは、施設の閉鎖、社会的距離の確保及び手指衛生の強化など、COVID-19に関連した医薬品を用いない介入(non-pharmaceutical interventions)の実施に起因する可能性が高い。同様の発生率の低下は他国でも見られた。米国のノロウイルス集団感染は、2022年1月から急増し、パンデミック前(2012年~2019年)のレベルに近づいている。ノロウイルスの伝播は、徹底した手洗い及び汚染された表面の適切な洗浄と消毒により防ぐことができる。
 2012年に米国疾病管理予防センター(CDC)は、米国で発生したノロウイルス集団感染に対するサーベイランスの適時性と完全性を向上させるため、NoroSTAT(Norovirus Sentinel Testing and Tracking Network)を設立した。NoroSTATはCDC及び12州の保健省の協同ネットワークである。集団感染(Outbreak)とは、一つの共通のばく露に関連する2名以上の患者の発生と定義される。NoroSTAT参加州は、すべての確認されたノロウイルス集団感染(即ち、検査確定ノロウイルス症例が2例以上ある集団感染)及び推定ノロウイルス集団感染(即ち、検査確定ノロウイルス症例が2例未満の集団感染)について、届出から7営業日以内に最小限の一連のデータ要素を全米集団発生報告システム(NORS)に報告する。また、これらの州は、ノロウイルス陽性の集団感染の検体のタイピング情報について、各州の公衆衛生研究所で集団感染関連のノロウイルス陽性糞便検体2検体を受け取った後7営業日以内に、全国的なノロウイルス研究機関サーベイランスネットワークであるCaliciNetにアップロードする。集団感染の報告は、州の財政サイクルに基づき、サーベイランス年度(即ち、8月1日~7月31日)でまとめられる。
 2021年~2022年のサーベイランス年度(2021年8月1日~2022年7月31日)に、NoroSTATに参加する12州はCDCに992件のノロウイルス集団感染を報告した。これに対し、2019年~2020年及び2020~2021年のサーベイランス年度には、これらの州からそれぞれ1
,056件及び343件のノロウイルス集団感染が報告された。パンデミック前にこれらの州から報告されたノロウイルス集団感染の数は、1
,219件(2015年~2016年)~1
,471件(2018年~2019年)であった。2021年~2022年にNoroSTAT参加州から報告されたノロウイルス集団感染の特徴は、パンデミック前に報告されたものと類似していた。大部分の集団感染(82%)はヒトからヒトへの拡大によるものであった(パンデミック前の範囲は71%~85%)。集団感染の過半数(59%)は長期介護施設で発生し(パンデミック前の範囲は53%~68%)、17%は検査確認された(パンデミック前の範囲は22%~48%)。2021年~2022年に発生したタイピング情報のある検査確認集団感染のうち、合計43%がGII.4 Sydney(P16)株によるものであった。当該株は2015年~2016年に出現して以降、優勢なノロウイルス株となっている。
 2021年~2022年のサーベイランス年度にNoroSTAT参加州が報告したノロウイルス集団感染数は、2020年~2021年のサーベイランス年度に報告した数のほぼ3倍であった。COVID-19パンデミック時に実施された医薬品を用いない介入は、ノロウイルスを含め他の感染症の集団発生の予防に有効であったと考えられる。医薬品を用いない介入が緩和されたため、ノロウイルス集団感染の発生率はパンデミック前のサーベイランス年度と同様のレベルに戻っており、GII.4ウイルス株が引き続きノロウイルス集団感染の原因として最大の割合を占めている。ノロウイルスの伝播は、石鹸と水による徹底した手洗い、症状の終了後48時間以上経過するまで食品の調理を避けること、嘔吐や下痢で汚染された表面を適切に洗浄及び消毒することで防ぐことができる。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) MMWR(2022 , 71(38):1222-1224)
URL https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/71/wr/mm7138a3.htm
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