食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05900280482
タイトル 香港食物環境衛生署食物安全センター、セレウス菌と黄色ブドウ球菌が産生する耐熱性毒素に関する報告を公表
資料日付 2022年8月17日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  香港食物環境衛生署食物安全センターは8月17日、ニュースレター「Food Safety Focus」(第193号、2022年8月)にて報告「セレウス菌と黄色ブドウ球菌が産生する耐熱性毒素:加熱調理済み食品を長時間室温に放置してはならない理由 (報告者:食物安全センターリスク評価グループ、科学主任・博士荘梓傑)」を公表した。概要は以下のとおり。
 最近、地元のレストランのチャーハンから基準値超のセレウス菌が検出された。通常、加熱調理や再加熱により食品の安全性は確保できるが、その後の、加熱調理済み食品の不適切な取扱いは、セレウス菌や黄色ブドウ球菌などの細菌が耐熱性毒素を産生する機会を生み出し、食中毒を引き起こす可能性がある。
・加熱調理済み食品の不適切な取扱いのリスク
 セレウス菌と黄色ブドウ球菌は環境中に広く存在する。食品における含有量は非常に少なく、一般的には食中毒は引き起こすことはない。こうした細菌が、病気を引き起こすには大量増殖し、食品中に十分な毒素を産生する必要がある。加熱調理済みの食品の不適切な取扱い、例えば、環境温度での長期保存は、細菌増殖の機会を生み出す可能性がある。
 加熱調理は黄色ブドウ球菌及びセレウス菌の栄養細胞を効果的に殺すことができるが、セレウス菌は芽胞として存在する可能性がある。芽胞は通常の加熱調理の温度に耐えることができ、破壊するには高温で処理(例えば121℃で3分間処理)する必要がある。しかし、調理の加熱は芽胞からの栄養細胞の増殖を招くだけでなく、競合する他の微生物を殺し、栄養細胞の生育を助長する環境を作り出す。同様に、加熱調理後、食品が黄色ブドウ球菌で汚染された場合、他の微生物は殺されているため、黄色ブドウ球菌が食品中で増殖する可能性がある。これらの細菌は増殖の過程で毒素を産生し、再加熱により除去することはできない。従って、こうした細菌が毒素を産生するリスクを減らすために、食品は加熱調理後に適切に処理する必要がある。
・交差汚染と危険な温度を回避する
 まず、これらの細菌による汚染を最小限に抑えることが重要である。調理エリアを清潔に保つことで、セレウス菌の芽胞を含む環境からの汚染を防ぐことができる。食品を準備する際、食品取扱者は、頻繁な手洗いや食品接触面の清掃など、良好な衛生慣行を確保する必要がある。黄色ブドウ球菌は、ヒトの鼻腔、喉、髪及び皮膚に一般的に存在する。調理済み食品を取り扱う際は、マスクとヘアネットを使用することで、体の他の部分からの黄色ブドウ球菌による汚染を防ぐことができる。手の傷は防水テープで覆う必要がある。
 毒素を産生する微生物、特に効果的に除去することが難しい食品中のセレウス菌の芽胞を避けるために、加熱調理後の細菌の増殖を抑制することも重要である。出来立ての食品はできるだけ早く食べるべきである。それ以外の場合、例えばランチタイムに販売するため事前に準備されたチャーハンなどは、60度以上で保存する必要がある。冷やして提供する食品(豆乳など)や付加的な調理工程(チャーハン用に蒸した米の水分を少なくする加工など)では、作り立ての食品を冷却することがある。冷やす場合は、食品を60℃から20℃まで2時間以内に冷やし、次に冷蔵庫で4時間以内に20℃から4℃まで冷す必要がある。こうした時間制限は、食品が環境温度で長時間放置されるのを防ぎ、危険な細菌の増殖を防ぐ。食品を冷凍した後に再加熱する場合は、中心温度が75℃以上になるまで完全に加熱する必要があるが、危険な温度に繰り返しさらされることを避けるため、再加熱は1回を超えてするべきではない。
・注意事項
1. 加熱調理と再加熱により細菌は殺され、一般的に食品の安全性は保証されるが、食品の取扱い及び保存が不適切な場合、セレウス菌及び黄色ブドウ球菌が耐熱性毒素を産生する機会をもたらす可能性がある。
2. 調理の加熱は、セレウス菌芽胞の発芽による栄養細胞の出現を誘発し、他の微生物を排除し、これら栄養細胞や汚染の原因となる黄色ブドウ球菌の生育に有利な環境を提供する。
3. 加熱調理後すぐに喫食しない食品は、汚染の原因となる細菌の増殖を防ぐために、60℃以上の温度で保持するか、急速に冷却する必要がある。
地域 アジア
国・地方 香港
情報源(公的機関) 香港食物環境衛生署食物安全センター
情報源(報道) 香港食物環境衛生署食物安全センター
URL https://www.cfs.gov.hk/sc_chi/multimedia/multimedia_pub/multimedia_pub_fsf_193_01.html
(※注)食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要(記事)は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。