食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu05890720314 |
| タイトル | ドイツリスク評価研究所(BfR)、農業における再生水利用に由来して青果物に付着する病原体による健康リスクに関する意見書を公表 |
| 資料日付 | 2022年8月2日 |
| 分類１ | - |
| 分類２ | - |
| 概要（記事） | ドイツリスク評価研究所(BfR)は8月2日、農業における再生水利用に由来して青果物に付着する病原体による健康リスクに関する意見書を公表した。 ドイツでは、レタス、ニンジン、イチゴ、生鮮ハーブ等、地表近傍にて生育し、生食される生鮮農作物は、再生水で灌漑してはならない。BfRは、本経路にて植物表面に付着、あるいは、植物内部に侵入する可能性のある病原性ウイルスや寄生虫に着目し、この生鮮農作物に対する灌漑を避けるよう勧告する。現存するデータは、確定的なリスク評価を行うには未だ充分ではない。しかしながら、特定のウイルス種や単細胞性の寄生虫(原生動物)が環境からの影響をはね除け、生鮮青果物を介して疾病の原因となることを示すエビデンスが存在する。BfR所長のアンドレアス・ヘンゼルは、「農業における再生水は、食品安全に対する新たな課題である。可能な限り病原体を減少させるため、優れた処理方法及び検出方法が必要となる」と述べる。 1. 背景 気候変動、予測不可能な天候パターン、干ばつにより、ドイツ及び欧州全域の水資源は枯渇しつつある。枯渇への対処として、規則(EU) 2020/741では、農業用灌漑における再生水利用のための最低要件を規定している。水の再利用に関する当該EU規則は2023年6月26日から適用され、環境、ヒトの健康、動物衛生の保護を目的とする。BfRは、特定の病原性ウイルス及び原生動物に着目し、植物性の食材の灌漑に向けた再生水利用に由来する潜在的健康リスクについて評価を実施した。加熱による潜在的病原体の低減あるいは殺菌が行われない、生食される青果物に焦点を当てている。 2. 概要 利用可能なデータに基づき、BfRは、生食用の部位が地表近傍あるいは地中にて生育する植物の灌漑に再生水を使用しないことを推奨する。本推奨は、適切な処理工程及び管理により、灌漑用水に病原体、中でも、ヒトを宿主とする病原性ウイルス及び原生生物が含まれないことが確証可能となるまで適用される。現在の知識によれば、病原体は、検討されている全ての灌漑システム(地下点滴灌漑、点滴灌漑、畦間灌漑、スプリンクラー・システム、水耕栽培)を介して植物可食部の表面に付着し、あるいは、内部に侵入し、生食にした場合、ヒトの疾病の原因となる可能性があるためである。病原体の種類や発症者の健康状態により、健康障害の程度は変動し、高リスク･グループでは重症化の可能性がある。排水処理時に病原体を不活性化・低減する方法の妥当性に関して、研究を進める必要がある。 本意見書においてBfRは、ブドウ園や果樹園等、生食用部位が土壌から離れて生育する植物の栽培では、(訳注：規則(EU) 2020/741に規定する)品質クラスA又はBの再生水を用いての灌漑が可能であると判断している。ただし、生食用部位と再生水(適切に選択された灌漑システムを介した再生水)、及び、生食用部位と灌漑された土壌の直接的接触がないことを条件とする。検討対象のウイルス及び原生動物は熱感受性であるため、摂取前に十分に加熱された植物性食品については、再生水中に含有される病原体による健康への悪影響はないと予想される。 灌漑に利用される再生水中に含有されるヒトの病原性細菌も、生食される青果物に由来する疾病リスクを高める可能性がある。本リスクに関しては、2020年発表のBfR、ユリウス・キューン研究所(Julius Kuhn Institute)、マックス・ルブナー研究所(Max Rubner Institute)による共同評価において提示されている。 3. 意見書 「再生水: 植物性食品へのウイルス性病原体の付着防止」(No 019/2022、2022年7月8日付、PDF版24ページ) https://www.bfr.bund.de/cm/349/reclaimed-wastewater-preventing-viral-pathogens-on-plant-foods.pdf 「再生水： 植物性食品への原生動物の付着防止」(No 021/2022、2022年7月27日付、PDF版41ページ) https://www.bfr.bund.de/cm/349/reclaimed-wastewater-preventing-protozoa-on-plant-foods.pdf 「再生水: 生鮮青果物への病原性細菌の付着防止」(No 021/2020、2020年4月21日付、PDF版61ページ) https://www.bfr.bund.de/cm/349/reclaimed-waste-water-preventing-bacterial-pathogens-on-fresh-fruit-and-vegetables.pdf |
| 地域 | 欧州 |
| 国・地方 | ドイツ |
| 情報源（公的機関） | ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR) |
| 情報源（報道） | ドイツリスク評価研究所(BfR) |
| URL | https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2022/28/reclaimed_wastewater_in_agriculture__health_risk_from_pathogens_on_fruit_and_vegetables_-304028.html |
（※注）食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要（記事）は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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