食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu05870430325 |
| タイトル | 米国国立衛生研究所(NIH)、ノロウイルス及びその他の「胃腸のウイルス」が唾液を介して広がる可能性があるとする研究について公表 |
| 資料日付 | 2022年6月29日 |
| 分類1 | - |
| 分類2 | - |
| 概要(記事) | 米国国立衛生研究所(NIH)は6月29日、ノロウイルス及びその他の「胃腸のウイルス」が唾液を介して広がる可能性があるとする研究について公表した。概要は以下のとおり。 重度の下痢性疾患を引き起こすことが知られている種類のウイルス(クルーズ船での大規模な集団感染で有名なウイルスを含む)は、マウスの唾液腺で増殖し、唾液を介して広がる可能性があると、NIHの研究者が発見した。当該研究結果は、世界中で毎年何十億人もが苦しみ、致命的となる可能性がある、これらの一般的なウイルスに新たな伝播経路が存在することを示している。 唾液を介したこれらのいわゆる腸管ウイルスの伝播により、咳、会話、くしゃみ、食物及び用具の共有、さらにはキスをすることでさえ、ウイルスを広める可能性があることが示唆される。この新たな研究結果は、今後ヒトでの研究で確認される必要がある。 Natureに掲載された当該研究結果は、これらのウイルスによって引き起こされる疾病を予防、診断、及び治療するためのより良い方法につながり、命を救う可能性がある。当該研究は、NIHの構成機関の一つである米国心肺血液研究所(NHLBI)により主導された。 ノロウイルスやロタウイルス等の腸管ウイルスが、これらのウイルスを含む糞便で汚染された食品や液体を摂取することによって感染拡大し得ることは、研究者らに以前から知られていることである。腸管ウイルスは、唾液腺をバイパスし、腸管を標的とし、後に糞便を介して排出されると考えられている。一部の研究者らは別の伝播経路があるかもしれないと疑っていたが、この理論はこれまでほとんど実験されていなかった。 現在、研究者らは、ヒトにおいて腸管ウイルスの唾液を介した伝播が可能であることを確認する必要がある。もしそれが可能であると分かった場合、この伝播経路は従来の経路よりも、もっと一般的であることも確認されるかもしれないと述べている。そのような知見は、世界中で毎年多数発生している腸管ウイルス感染症が、唯一の伝播経路としての糞便汚染では十分に説明できない理由を明らかにするのに役立つであろうと述べている。 長年にわたって腸管ウイルスを研究してきたAltan-Bonnet氏(訳注:NHLBIの宿主-病原体ダイナミクス研究室の責任者)は、この発見は全く予期しないものであったと述べている。彼女のチームは、乳児期マウスにおいて腸管ウイルスを用いた実験を行っていた。乳児期のマウスは、その未熟な消化器系及び免疫システムにより感染症に対する感受性が高いため、これらの感染症を研究するために選択されるモデル動物である。 今回の研究では、研究者らは、10日齢未満の生後間もないマウスの一群にノロウイルス又はロタウイルスのいずれかを経口投与した。その後、仔マウスはケージに戻され、当初はウイルスフリーであった母マウスに授乳させた。ちょうど1日後、Altan-Bonnet氏のチームメンバーの1人であるNHLBIの研究者であり、共著者のSourish Ghosh博士は、異常に気づいた。仔マウスは、その腸管内にIgA抗体(病気と闘う重要な構成物)の急増を示した。これは、仔マウスの免疫系が未熟であり、この段階で自身の抗体を作ることが予想されていないことを考慮すると、驚くべきことであった。 Ghosh氏は他の異常にも気づいた。ウイルスは、高レベルで母マウスの乳房組織(乳管細胞)で複製されていた。Ghosh氏は母マウスの胸部から乳を採取したとき、母マウスの乳中のIgA上昇のタイミング及びレベルが、仔マウスの腸管中のIgA上昇のタイミング及びレベルを反映していることを発見した。母親の乳房における感染は、母乳中のウイルスと闘うIgA抗体の産生をブーストしたようであり、それは最終的に仔マウスの感染の消失に役立ったと研究者らは述べた。 そもそもは、ウイルスが母マウスの乳房組織にどのようにして入ったかを知りたく、研究者らは追加の実験を実施し、仔マウスは、従来の経路(母マウスが摂餌する、共有の飼育場所に、汚染された糞便を残すことによる)を介して母親にウイルスを伝播してはいないことを発見した。そのときに研究者は、母マウスの乳房組織のウイルスが感染した仔マウスの唾液から来て、授乳中に何らかの形で広がるのかどうかを確認することにした。 当該理論を試験するために、Ghosh氏は仔マウスから唾液検体及び唾液腺を採取し、唾液腺でこれらのウイルスが非常に高レベルで複製され、大量のウイルスが唾液中に排出されていることを確認した。追加試験により、まもなく、当該唾液説「授乳は母から仔へ、及び仔から母への両方向のウイルス感染を引き起こした」が確認された。 Nature(2022年6月29日、doi:10.1038/s41586-022-04895-8)に掲載された当該研究論文「腸管ウイルスは唾液腺で複製され、唾液を介して感染する(Enteric viruses replicate in salivary glands and infect through saliva)、著者S. Ghosh(NHLBI , NIH , 米国)ら」は、以下のURLから入手可能。 https://www.nature.com/articles/S41586-022-04895-8 |
| 地域 | 北米 |
| 国・地方 | 米国 |
| 情報源(公的機関) | 米国衛生研究所(NIH) |
| 情報源(報道) | 米国衛生研究所(NIH) |
| URL | https://www.nih.gov/news-events/news-releases/nih-scientists-discover-norovirus-other-stomach-viruses-can-spread-through-saliva |
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