食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05870400475
タイトル フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)、食品中の病原性大腸菌の検出を向上させるための新しい検査方法を開発した旨を公表
資料日付 2022年7月6日
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概要(記事)  フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は7月6日、食品中の病原性大腸菌の検出を向上させるための新しい検査方法を開発した旨を公表した。概要は以下のとおり。
 ANSESは食品、特に生乳製品中の病原性大腸菌をより早く的確に検出できる検査方法を開発した。
 検出の課題は、消化器感染症の原因となる病原性大腸菌と、非病原性大腸菌とを区別することである。実際、大腸菌は哺乳類の腸内細菌叢の正常な構成要素であり、これらはヒトにとって無害であるが、腸管出血性と呼ばれる一部の特定の株は、出血性下痢を引き起こすことがある。
 腸管出血性大腸菌の病原性は、二つの遺伝子によって決定される。一つは、志賀毒素という強力な毒素を産生する能力を決定する遺伝子であり、もう一つは腸壁に強く付着する能力を決定する遺伝子である。ある細菌が病原性であるためには、この二つの特性を併せ持つ必要がある。
 この二つの遺伝子は、食品中の病原性大腸菌を検出する際に、PCR分析によって調べられる。問題は、食品検体(チーズや生肉等)には、複数の異なる大腸菌株が存在する可能性があることである。「これらの遺伝子の内の一つを持つ株と、もう一方の原因遺伝子を持つ別の株が存在する可能性は十分にある。この二つの株は、二つの遺伝子の内の一つしか持っていないため無害であるが、同じ食品検体からこの二つの遺伝子が検出されてしまうので、やはりアラートシグナルが出てしまう」とANSES食品安全性研究所の病原性大腸菌研究ユニット長のPatrick Fach氏は説明する。
 標準検出法ISO13136:2012では、同一細菌内に二つの遺伝子が存在するかどうかを調べるために、株を単離する必要がある。これは時間とコストがかかる手法であり、シャーレ上の微生物培養から大腸菌株を区別することが難しいため、いつも成功するというわけではない。
 そのため、ANSESは、同一の大腸菌株がリスクをもたらすこの二つの遺伝子を持っているかどうかを判断できるような別の遺伝子マーカーを探した。研究チームは、全国酪農経済センター(CNIEL)と協力して、これらのマーカーを評価した。
 その結果、従来の検査と比較して、陽性とみなされた検体数は、低温殺菌処理をしていない山羊乳で26.5%減少し、羊の生乳チーズで51.9%、牛の生乳で29.7%減少した。これは、生産工程での品質管理の際の「偽陽性」、つまり病原性大腸菌を含んでいると誤ってみなされ、追加の確認検査が必要となる検体が少なくなったことを意味する。
 この新しい遺伝子マーカーにより、ANSESが開発した検査では、病原性大腸菌株の検出が、以前は4日かかっていたのに対し、24時間で可能となった。この研究は、International Journal of Food Microbiology誌に掲載された。
 当該論文(International Journal of Food Microbiology (2022
, 366:109564
, doi:10.1016/j.ijfoodmicro.2022.109564))は以下のURLから閲覧可能。
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0168160522000356
地域 欧州
国・地方 フランス
情報源(公的機関) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
情報源(報道) フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)
URL https://www.anses.fr/fr/content/un-nouveau-test-pour-mieux-d%C3%A9tecter-les-e-coli-pathog%C3%A8nes-dans-les-aliments
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