食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05860420294
タイトル 世界保健機関(WHO)、複数国にわたる小児における病因不明の重症急性肝炎についての続報を公表(6月24日付)
資料日付 2022年6月24日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  世界保健機関(WHO)は6月24日、複数国にわたる小児における病因不明の重症急性肝炎についての続報を公表した。概要は以下のとおり。
1. 集団発生の概況(Outbreak at a glance)
 2022年6月22日の時点で、WHOの症例定義※を満たす小児における病因不明の重症急性肝炎の可能性例(probable case)920例が、5つのWHO地域の33か国からWHOに報告されている。2022年5月27日に公表された前回の疾病発生ニュース以降、新たな4か国からの症例を含む270人の新たな可能性例がWHOに報告された。当該ニュースには、集団発生の疫学に関する最新情報、臨床検査に関する新しい暫定ガイダンスの公開、及びWHOグローバル臨床プラットフォーム(WHO Global Clinical Platform)での臨床症例報告様式(CRF)の開始が含まれる。小児における病因不明の重症急性肝炎が5つのWHO地域にわたって検出されることは普通ではなく、一部症例では重度の臨床的後遺症があり、詳細な調査が必要である。
2. 集団発生の説明:
 当該集団発生は、2022年4月5日に英国がWHOに、スコットランド中部の、生来健康な10歳未満の小児の病因不明の重症急性肝炎の10例を通知したのが最初の確認であった。
 2022年6月22日の時点で、可能性例920例が、5つのWHO地域の33か国から報告されている。これらには、2021年10月1日以降の遡及的に特定された、後述するWHOの症例定義に適合する新たな症例が含まれる。分類が保留されており、累積推定症例数に含まれていない症例を報告している国がさらに4か国ある。可能性例のうち、45例(5%)の小児が移植を必要とし、18例(2%)の死亡がWHOに報告されている。
 報告された可能性例の半分はWHO欧州地域から報告されており(20か国が460症例を報告)、英国の267症例(世界の症例の29%)が含まれている。2番目に多い可能性例数はアメリカ地域(n=383、米国の305例を含む)から報告されており、西太平洋地域(n=61)、東南アジア地域(n=14)及び東地中海地域(n=2)がそれに続いている。17か国が5例以上の可能性例を報告している。実施されているサーベイランス強化政策が限られていることもあり、実際の症例数は過小に見積もられている可能性がある。より多くの情報及び検証済みデータが入手可能になるにつれ、症例数は変化すると予想される。
3. 症例の臨床検査
 可能性例の暫定症例定義に基づいて、臨床検査ではこれらの小児におけるA-E型肝炎ウイルスは除外した。WHOに報告されたデータは不完全であるが、他の病原体が多くの症例で検出された。
 アデノウイルスは、利用可能なデータがある症例の中で、引き続き、最も頻繁に検出される病原体である。欧州地域では、利用可能な結果が得られた症例の55%(203例/371例)でPCRによりアデノウイルスが検出されている。米国からの暫定報告によると、利用可能な結果が得られた症例の45%(113例/252例)でアデノウイルスが検出されている。
 SARS-CoV-2は多くの症例で検出されているが、血清学的結果に関するデータは限定的である。欧州地域では、利用可能な結果が得られた症例の15%(47例/307例)でPCRによりSARS-CoV-2が検出されている。米国からの暫定報告によると、利用可能な結果が得られた症例の10%(8例/83例)でSARS-CoV-2が検出されている。
 報告されたほとんどの症例では疫学的関連はないと見られた。しかしながら、疫学的関連例がスコットランド及びオランダで報告されている。
※WHOの暫定症例定義:
(1)確定例:現時点では該当なし。
(2)可能性例:2021年10月1日以降、血清トランスアミナーゼ(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)又はアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT))が500 IU/Lを超える急性肝炎(非A-E肝炎)を呈している16歳以下の者。
(3)疫学的関連例:2021年10月1日以降、可能性例の濃厚接触者である、急性肝炎(非A-E肝炎)を呈している全ての年齢の者。
4. WHOのリスク評価
 WHOは、以下を考慮して、世界レベルでのリスクを中程度と評価している。
(1)この重症急性肝炎の病因は依然不明であり、調査中である。
(2)現在WHOが利用可能な疫学、検査、組織病理学的及び臨床情報は限定的である。
(3)実施されているサーベイランス強化政策が限られていることもあり、実際の症例数及び地理的分布が過小に見積もられている可能性がある。
(4)病因物質の可能性のある伝播様式はいまだ明らかになっていない。
(5)医療関連感染の利用可能な報告はないが、疫学的関連例の報告が数件あるため、ヒトからヒトへの伝播を排除することはできない。
地域 その他
国・地方 その他
情報源(公的機関) 世界保健機関(WHO)
情報源(報道) 世界保健機関(WHO)
URL https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/2022-DON394
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