食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05850650160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、リスク分析及び予防的アレルゲン表示に関する調査報告書を公表
資料日付 2022年6月6日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は6月6日、リスク分析及び予防的アレルゲン表示に関する調査報告書を公表した。概要は以下のとおり。
 本調査は、零細・中小規模の食品企業がどの程度アレルゲンリスク分析を実施しているか、またそれが予防的アレルゲン表示(PAL)の使用につながるかどうかを理解することを目的とした。特に、リスク評価及びアレルゲンの交差接触の危険ポイントの特定が実施されているかどうかに焦点を当てた。
・背景
 本調査では、2022年1月から3月にかけて、イングランド、ウェールズ、北アイルランドの食品企業42社にインタビューを実施した。このうち37社は、製造、小売、ケータリング、施設の各セクターで営業する中小企業であった。さらに、比較と学習の目的で、リスク分析における優れた実践の模範として選ばれた大規模食品企業(「ゴールドスタンダード」企業と呼ばれる)に対し、5つのインタビューを行った。
・主な調査結果
 「リスク評価」の概念は、各業界でよく理解されており、調査対象の企業が実施していたのは適度(moderate range)なリスク評価であった。リスク評価は、製造業(幅広い事業規模)、中規模小売業において大規模に行われ、中規模施設ではより小規模であった。リスク評価は微生物学的リスクに焦点を当て、HACCP計画によって推進されていた。この目的のために設計されたものではないにもかかわらず、HACCPはアレルゲンを含む全ての食品安全リスクを管理するものと広く見なされていた。アレルゲンリスク評価がHACCP計画に直接組み込まれた例は少なかった。
 本調査に参加した中小食品企業では、アレルゲンリスク評価の実施は限定的であった。実施された場合、評価は定義された体系的プロセスの一部ではなく、断片的であった。典型として、このような評価は食品製造に存在する全てのアレルゲンからの潜在的リスクよりも、選択されたアレルゲンに焦点を当てたものであった。また、異なる管理ポイントを段階的に理解するのではなく、交差接触の可能性が高い作業、特に準備と洗浄に重点が置かれていた。サプライチェーンのリスクを特定・検証する能力の欠如も、製造業者や小売業者において特に懸念すべき点として挙げられた。
 学校、大学、介護施設では、食物過敏症の生徒や入居者の食事要件を把握していることが一般的であった。このような知識は、リスク評価がない場合でも、アレルゲンリスクの管理能力が効果的である可能性があることを意味した。
 全体として、中小企業によるリスク分析プロセスの一環としてのアレルゲン検査は最小限であった。病原体の試験、特に製造業者のための微生物の洗浄バリデーションがいくつかあり、アレルゲンが非含有であると証明する試験が行われた例が2件あった。洗浄バリデーション又は製品試験として、PALの使用を支援するためにアレルゲンの交差接触が試験された例はなかった。
 中小企業全体で、アレルゲンのリスク管理はより包括的であった。小規模の製造業者では、一般的に原材料の物理的分離と安全な保管に重点が置かれていた。中規模製造業者では、製品ラインの分離運転、製造工程間の洗浄、製品の包装、ラベル、輸送の管理が一般的であった。
 直接販売用に包装された食品(pre-packed foods)を製造する小売業者では、アレルゲンの交差汚染を管理するために、分離、食品準備、調理、洗浄の合理的で洗練されたプロセスが存在した。特定の小売業者(例えばベーカリー)では、交差接触のリスクは商品が店頭に出ている販売ポイントにおいて最も大きいと認識されていた。
 PALの理解は、企業にとっては非常に混ざり合っていた。PALが「含まれている可能性がある」という警告に関連するものであるという知識は比較的高かったが、企業はその自主的な位置づけ、及びアレルゲン原材料表示との区別に混乱していた。重要なことは、本調査に参加した中小企業の中で、PAL適用前に正式なアレルゲンリスク評価を実施する必要があることを理解している企業が皆無であったことである。
 当該報告書は以下URLから閲覧可能。
https://www.food.gov.uk/sites/default/files/media/document/Precautionary%20Allergen%20Labelling%20-%20risk%20analysis%20SME%20FBOs_Clean_May%202022.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://www.food.gov.uk/research/food-allergy-and-intolerance-research/risk-analysis-and-precautionary-allergen-labelling-research-report
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