食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05850070150
タイトル 欧州化学品庁(ECHA)、アウトドアスポーツ射撃と釣りで使用される鉛の制限支持を公表(2022年5月31日)
資料日付 2022年6月6日
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分類2 -
概要(記事)  欧州化学品庁(ECHA)は 2022年5月31日、アウトドアスポーツ射撃と釣りで使用される鉛の制限支持を公表した。概要は以下のとおり。
 ECHAのリスク評価委員会(RAC)は、狩猟の弾薬、アウトドアスポーツ射撃および釣りにおける鉛の使用を制限することを支持している。狩猟用鉛製弾丸の段階的廃止までのより短期間での移行を推奨する。社会・経済評価委員会(SEAC)は、意見書が12月に最終決定する前の6月初旬に意見草案に同意することが期待されている。
 RACは、狩猟とアウトドアスポーツ射撃の鉛製発射物および釣りの重りとルアーに使用される鉛の使用を制限するECHAの意見書を採択した。
 当該委員会は、狩猟などの活動における鉛の使用は適切に管理されていないリスクをもたらすと考えている。当該提案は、人、野生生物(特に、鳥類)および環境への鉛のリスクを減らすために適切であると判断された。
 意見書で、当該委員会は、次の1-4を強調した。
1. 若干変更され、提案された制限は、鉛のリスクに対処するための効果的で実用的かつ監視可能な対策である。
2. 狩猟用鉛製弾丸の段階的廃止のより短期間での移行:RACは、狩猟用弾丸への鉛の使用禁止までの移行期間で、欧州食品安全機関(EFSA)によって提案されている5年間は必要ないと考えている。これは、湿地における鉛製弾丸の使用はすでにEUで規制されていること考慮しての判断である。移行期間が短かい程、環境に放出される鉛の量は少なくなる。
3. 鉛含有の弾薬と釣りの重りの表示と販売時点での消費者に対する情報提供:RACは、重量比1%を閾値として、製品への鉛のリスクに関する表示と消費者への情報提供を行うことを推奨する。この値は、鉛含有の弾薬と釣りの重りを市場に出す制限の閾値と同じである。閾値を同一にすると、当該制限の執行が容易になることが期待される。ECHAは当初、閾値として重量比0.3%を提案していた。
4. スポーツ射撃における鉛製銃弾に対する制限の緩和(Derogation):RACは、もし緩和措置が実施されないのであれば、当該制限の施行は単純化されると考えている。これは、ECHAが推奨する制限オプションと一致している。しかし、規則決定者が緩和措置を必要とするのであれば、RACは、スポーツ射撃で使用する弾丸サイズを1.9から2.6 mmに限定することを提案する。
 意見書作成期間を通して、RAC委員は野生生物(例えば、鳥類、屍肉食性または捕食性動物)、家畜と環境(水、土壌)に対する鉛のリスクに関する利用できる科学的エビデンスを分析した。委員は、鉛製弾薬で捕獲された狩猟肉を摂取する健康リスクも、例えば、欧州食品安全機関(EFSA)により提供されているデータの妥当性と代表性(representativeness )を評価することなどによって、評価した。後者のデータはいくつかの不確実性を示したが、子供や妊娠中の女性のような脆弱な人々に対するリスクを示すには十分信頼できると考えられた。鉛は、ごく微量でも子供の神経発達に有害である。
 通常のプロセスに従って、ECHAは、2021年9月24日締め切った6カ月に渡る意見公募期間で受領したコメントを反映させて当初の提案を更新した。重要な更新内容は、Q&A文書で説明されている。背景文書(background document)と呼ばれる更新された提案は、まもなく公開される予定である。
 意見書の採決前に、RACは、15カ月間に渡って5つのプレナリーワーキンググループと5つの準備ワーキンググループの会議を開催した。欧州化学工業連盟(Cefic)、環境弁護士グループ(ClientEarth)などの機関および専門家が、利害関係者オブザーバーとしてこれらの会議に参加した。
 次のステップ
 SEACは、6月初旬に意見草案に同意することが期待されている。SEACの意見草案への60日の意見公募は、その後すぐに開始される。両委員会の意見書は、2022年末までに作成される。それら意見書は、2023年早々に欧州議会に送付される。化学物質の登録、評価、認可および制限に関する欧州議会および理事会規則(REACH規則)の決定はEU各国による欧州委員会で行われ、評議会と欧州議会によって精査される。
 背景
 2021年2月、ECHAは、狩猟とアウトドアスポーツ射撃の銃弾および釣りへの鉛の使用をEU全域で制限するための提案書を作成した。ECHAは、現在、年間少なくても1億3500万羽の鳥類が、使用済み鉛製弾丸の摂取によって鉛中毒のリスクにさらされていると推測している。加えて、鉛製銃弾で撃たれた動物の摂取により1400万羽、鉛製釣り道具の摂取により700万羽が、それぞれリスクにさらされている。スポーツ射撃の使用済み鉛製銃弾は、周辺の土壌および水を汚染する。人々は、鉛製銃弾で捕獲された狩猟肉の摂取などを通して、直接的に鉛にばく露する。当該制限が採択されれば、制限しない場合に比べて、鉛排出量を72%削減することができる。そして、多くの絶滅危惧種を含めた野生生物の鉛中毒を防ぐことができると共に、110万人の子供と妊娠中の女性への鉛ばく露を減らすことができると考えられる。当該制限の提案書は、欧州委員会の要求で作成された。狩猟などの活動における鉛の潜在的規制は、持続可能性と水、空気、土壌に対する汚染ゼロに向けたアクションプランのための化学的方策である欧州グリーンディールの考え方に沿っている。警察、治安と税関などの非民間人の鉛製銃弾使用と共に、軍用鉛製銃弾は、制限案の範囲外である。鉛製銃弾の屋内使用も除外される。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) 欧州化学品庁(ECHA)
URL https://echa.europa.eu/-/rac-backs-restricting-lead-in-outdoor-shooting-and-fishing
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