食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05840460110
タイトル カナダ保健省(Health Canada)、新食品安全性評価のガイドラインの「付録1: 植物育種製品の新奇性の解釈に関するガイダンス」を公表
資料日付 2022年5月18日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  カナダ保健省(Health Canada)は5月18日、新食品安全性評価のガイドラインの「付録1: 植物育種製品の新奇性の解釈に関するガイダンス」を公表した。概要は以下のとおり。
1. 序説
 1999年に公表されたカナダの新食品規則(食品医薬品規則(Food and Drug Regulations: FDRs・Division 28・Part B)は、製造者には市販前通知の提出を、規制当局には市販開始に先立ち当該通知記載の情報により食品の安全性が立証される旨を決定することを義務付けている。これらの要件の対象範囲は、当該規則における「新食品」の定義により詳述される。食品が「新奇(novel)」である場合、当該規制により、市販前通知及び規制当局の認可が要求される。
 新食品規則の解釈を支援するため、カナダ保健省は、新食品の安全性評価に向けたガイドラインを発表した。当該ガイドラインは、規制当局が新食品の市販前安全性評価を行う手法、及び、通知に記載されるべき情報に関して解説する。本ガイダンス文書が最後に更新されたのは2006年である。
 それ以降、技術の進歩により、新植物品種の作出を可能とする新たな遺伝子改変ツール(遺伝子編集技術等)が創出された。その結果として、開発者は、それらの新たな改変ツールを用いて作出された品種等の植物育種品種に由来する製品群について、新食品規則をさらに明確であり、予測可能であり、かつ、より透明性のあるものとする必要性を表明している。
 更新された本ガイダンスは、規則が公表されて以降この科学分野が遂げた発展を念頭に、規制当局の経験を生かしつつ、規制における健康及び安全に関する目的を考慮している。また、植物育種技術に関する更なる理解を反映した方向性において、さらには、国際的な規制当局パートナーとの連携から得られる利点を反映した方向性において、現在の科学的知見、基礎となるスキーム、当該規則の目的(すなわち、消費者にリスクをもたらす可能性のある新食品について市販前評価を要求すること)を考慮し、新食品規則を解釈している。
2. 背景
 1999年、バイオテクノロジー(組換えDNA技術)を適用して作出された植物の安全性に関する不確実性に対処することを目的の一つとして、新たな規則が制定された。しかしながら、遺伝子改変の特定のプロセスに基づき法律を整備した多くの法域とは異なり、カナダの新食品規則は、特定の従来育種製品を含め遺伝子改変植物由来の多様な食品全般を「新奇」と定義すると解釈できる形において記述され、市販に先立ち市販前通知及び安全性評価を要求している。今日まで当該規則は、これらの市販前通知及び評価の要件が食品に適用されるか否かを決定する際、植物作出に利用された育種手法が安全であると充分に特性評価されているか否かを考慮しない形で解釈されてきた。
 植物品種開発者は、商業化前の育種プロセスにおいて、さらには、バイオテクノロジーを適用して作出された品種等の植物品種が商業的に存続する期間を通じて、食品安全との関連において新植物品種を厳格に分析し理解を深めている。詳細にわたる製品の特性評価により、植物が、意図的に作出された特性と関連する意図せぬ影響を食品安全に及ぼすリスクを制限することが可能となる。さらに、このような特性評価は、新たな特性がもたらす如何なる結果も、食品安全に関連して充分に理解されていることを確証するものでもある。これらの特性評価の原則は、新植物品種作出に利用される手法にかかわらず、常に植物育種の実践の一部であった。時の変遷と共に、開発者は技術進歩を介して、作出した製品を更に精度高く特性評価するための新たな分析ツールを獲得している。本ガイダンスは、開発者が作出した製品を分析・特性評価する責務、あるいは、作出した製品が食品として安全であることを確証する責務を変更するものではない。
 作出及び選抜に利用された手法にかかわらず、植物育種に由来する新製品の完全なる特性評価と関連する、充分に確立され普遍的に適用される植物開発者の実践及び能力に関し、カナダ保健省は理解を示すものである。開発者の知識、科学的根拠エビデンス、植物品種開発過程及び商業化後のモニタリングから得られるデータを統合し判断すれば、これらの植物品種由来製品が安全であり、そのためFDRs・B.28.001(c)にて定義される「新食品」の範疇にはないことを十分に証拠立てる。
3. 新食品と見なされない植物育種製品に由来する食品
 植物開発者の実践及び能力に関する結論を考慮し、カナダ保健省は、下記の5カテゴリーに分類される食品の安全性は既に矛盾なく、かつ、充分に特性評価されていると見なし、FDR B.28.002・B.28.003に従い新食品として個別に評価しても、その安全性に関するカナダ保健省の知識体系を強化することはないと判断する。
 ・ ヒトの健康と関連する既知のアレルゲン又は毒素との類似性を導入する方向性において、あるいは、増強させる方向性において、内因性タンパク質を変化させない遺伝子改変を有する植物由来の食品。
 ・ 既知の内因性アレルゲン、既知の内因性毒素、又は、既知の内因性抗栄養素の含有量が、当該植物種におけるこれらの分析対象物質について文書化された範囲を超過して増加させない遺伝子改変を有する植物由来の食品
 ・ 主要栄養成分及び/又は主要代謝経路に影響を与えない遺伝子改変を有する植物由来の食品
 ・ 意図的に当該植物の食品用途を変更しない遺伝子改変を有する植物由来の食品
 ・ 最終製品に外来DNAを含有する結果とはならない遺伝子改変を有する植物由来の食品。
 カナダ保健省は、新食品規則を解釈し、上記カテゴリーに属する食品を、FDRs B.28.001(c)に規定される「新食品」の定義を満たすために必要となる新奇性の閾値を満たさない食品として分類とする。このように狭く解釈された定義は、市販前安全性評価規則の根底にある予防的安全目標を考慮したものである。
4. 食品安全及び栄養に対する影響
 植物に導入された、あるいは、植物において改変された特性のほとんどは、食品の安全性に影響を与えないことが知られているが、潜在的な安全性上の懸念を提起する特性も存在し、それらは「新食品」とみなされ、市販前評価が必要とされる。カナダ保健省が安全性上の懸念及び栄養学的懸念があると判断し、植物由来食品を「新奇」と分類するメリットが認められる特性は以下である。
 ・ アレルゲン、毒素、抗栄養素への影響
 ・ 主要な栄養成分及び主要代謝経路への影響
 ・ 当該植物の食品用途における意図的な変更
 ・ 最終製品に外来DNAを含有する植物由来食品
5. 従来植物育種手法のリスト(詳細省略)
地域 北米
国・地方 カナダ
情報源(公的機関) カナダ保健省(Health Canada)
情報源(報道) カナダ保健省(Health Canada)
URL https://www.canada.ca/en/health-canada/services/food-nutrition/legislation-guidelines/guidance-documents/guidelines-safety-assessment-novel-foods-derived-plants-microorganisms/guidelines-safety-assessment-novel-foods-2006.html#a5
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