食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05840420149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、「レッドミート代替食品としての新食品 - リスク・ベネフィット評価手法を用いた考察(NovRBAプロジェクト)」を外部機関による科学的報告書として公表
資料日付 2022年5月22日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は5月22日、「レッドミート代替食品としての新食品 - リスク・ベネフィット評価手法を用いた考察(NovRBAプロジェクト)」を外部機関による科学的報告書として公表した(4月8日承認、PDF版60ページ、DOI:10.2903/sp.efsa.2022.EN-7316)。概要は以下のとおり。
 2018年、リスク・ベネフィット評価(RBA)手法を用いてレッドミートを新食品に置換することによる健康への総合的影響を推定することを目的とするNovRBAプロジェクトは、EFSA支援の助成研究として始動した。本プロジェクトの主たる目的は、評価において考慮すべき構成要素の選択に関して、既存のRBA手法の枠組みを発展・調和させることにある。加えて、レッドミートを食用昆虫種に置換するケーススタディ介して、RBAの成果を伝達する戦略の提案を志向した。
 本ケーススタディにて検討する昆虫種は、EU加盟国の食品安全管轄当局公表のガイドラインやドキュメント、EU市場への上市の可能性、完全かつ信頼できるデータの入手可能性、肉食・昆虫食に対する消費者の嗜好及び姿勢に関するエビデンス等を考慮の上、選択された。プロジェクト・コンソーシアムは、Acheta domesticus(A. domesticus)を標的に定め、「牛挽肉100%のビーフ・パティ」と「牛肉が食用昆虫生地(A. domesticus粉末と水の比率35:65)を主成分とする調製品と完全に(100%)置換されたパティ」の摂取を比較することに合意した。若年成人がより積極的に当該製品を試食することが予想される点、食事と健康の関連性に関するシステマティック・レビューが主として成人集団を対象としている点から、成人(18歳以上)を対象者とすることが提案された。
 本RBAを実施するため、NovRBAプロジェクトはRiskBenefit4EUプロジェクトの下で開発された方法論的アプローチに従った。最初のステップには、リスク・ベネフィットの問題の定式化、試験対象となるシナリオ2件(参照シナリオ及び代替シナリオ)を定義する問題定義が含まれる。続く重要なステップは、構成要素とそれらに関連する健康アウトカムの特定、優先順位付け、選択である。「構成要素-健康アウトカム」の各対に対して、個別のリスク及び/又はベネフィット評価が実施された。これには、参照シナリオと代替シナリオに関連する栄養素摂取量、微生物学的ハザード及び毒性学的懸念のある化合物へのばく露量を推定することを目的とするばく露評価も含まれる。並行して、用量反応関係及び関連するインプット(リスク程度等)を、その内部妥当性を批判的に評価した上で選択し、代替シナリオを参照シナリオと比較した場合に増加/減少する、症例の発生率/数の推定が実施された。最後に、全ての健康アウトカムは、障害調整生存年数(DALYs)の複合指標に従い定量化された。
 本プロジェクトでは、モデルとなる構成要素を選択する重要なステップを標準化し、各分野(栄養学、微生物学、毒性学)に同等の重要性を付与するため、牛挽肉及びA. domesticus粉末の栄養素、微生物学的因子、毒性学的懸念のある化合物を優先順位付けする、3段階からなる階層化アプローチを開発・試験した。具体的には、「長い」リスト、「短い」リスト、「最終」リストの3つのリストが作成された。長いリストは、徹底的な文献調査、各国の食品成分データベース由来のデータ、各国の食品安全管轄当局由来のデータを集約し、作成されたものである。短いリストは、関連するアウトカムの発生率及び重症度に関するデータを考慮した一連の標準化された基準と、栄養学・微生物学・毒性学に特異的な一連の追加基準に基づき編集された。短いリストに含まれる食品中の構成要素は、主として各「構成要素-健康アウトカム」対の利用可能な用量反応データに基づき、さらに検討された。最終的に、栄養素13種、加熱処理耐性を示す芽胞形成性細菌2種、無機ヒ素が、最終リストに選抜された。特定された各健康アウトカムに対し、疾病発生率に基づき推定された1症例あたりのDALYs値が文献から収集され、入手可能な場合は、国別の値も入手された。RBAモデルは、Excelと確率論的モデリング用アドインソフトウェア@Risk(商標)を用いて開発された。確率論的モデルでは、モンテカルロ・シミュレーションを利用し、変動性及び/又は不確実性を考慮した。
 健康への影響全体は、各国の成人集団数、各国民の食摂取量、現在の疾病発生率の差異を考慮し、国別にDALYsとして推定された。参照シナリオから代替シナリオに移行した際に予想されるDALYs(人口10万人当たり)の変化は、ギリシャにおいて約8
,753 DALYs、デンマークにおいて約6
,572 DALYs、フランスにおいて約21
,972 DALYsと推定された。これは主として、栄養学的及び微生物学的分野における有益な影響を総合した結果である。
 本プロジェクトの文脈において、成果の伝達に関連する課題を明らかとするため、食品としての牛肉と昆虫のリスク認知及びリスク受容に関する文献のレビューも実施された。食用昆虫の摂取に関する主な知見は、嫌悪感、親近感、食品新奇恐怖症状態、昆虫の加工形態vs非加工形態、文脈情報、文化的差異、社会規範に基づくものであった。さらに、姿勢や認知において、社会的・人口統計学的な格差も観察された。RBAケーススタディの結果を伝達する際の注意点として、如何なるコミュニケーションも、(視覚情報あるいは文字情報のいずれかを介して)生きている動物を連想させることにより、動物性嫌悪を誘発したり、リスク認知を高めたりすることを回避すべきである。提案するコミュニケーション活動は、以下に要約される。
(a) 政策決定者に、昆虫摂取に関する理解し易い科学的エビデンスを提供する
(b) 消費者が昆虫摂取に関する情報に深く関わる機会を設ける
(c) 高い信頼を獲得しているマルチプライヤー(multiplier)を活用する
(d) 信頼できる情報源と情報交換を実施する
(e) 産業界に対し、動物性嫌悪に関する情報を提供する
 総括して、NovRBAプロジェクトは、他の食品及びリスク・ベネフィット問題、食品摂取シナリオ、各国及び各集団に適合する可能性のあるモデル構成要素の選択に対して、調整・調和された基準を確立するためのプロセスの特定のステップを進展させ、食品セクターのリスク・ベネフィット評価の分野において既存の評価を前進させた。加えて、文書化・標準化されたアプローチにおける評価を確保しつつ、異なる構成要素を含めることも可能とした。このような調和化は、問題の種類や国を超えて、結果を比較するためには極めて重要となる。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-7316

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