食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05820440470
タイトル 欧州疾病予防管理センター(ECDC)、子供における病因不明の重症急性肝炎症例の増加に関する迅速リスク評価書を公表
資料日付 2022年4月28日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州疾病予防管理センター(ECDC)は4月28日、子供における病因不明の重症急性肝炎症例の増加に関する迅速リスク評価書(19ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
 2022年4月20日時点で英国から111症例が報告されており、また2022年4月27日現在、欧州連合/欧州経済領域(EU/EEA)の12か国から約55例の推定(probable)及び確定症例(confirmed case)が報告されている。さらに、米国から12例、イスラエルから12例、及び日本から1例報告されている。臨床像は、黄疸及び顕著な肝トランスアミナーゼの上昇を伴う、入院を要する重症急性肝炎である。現在まで大半の症例では、黄疸に先立ち、嘔吐、下痢、及び吐き気などの消化器疾患がみられた。現在も症例の転帰に関する情報が収集されている。これまでのところ、情報の得られた大半の患者は回復しているが、一部は急性肝不全に進行し、肝移植を必要とした。
 根本的な病因を明らかにするために、症例に関する詳細な疫学的調査及び臨床検査が進行中である。症例に対し広範な感染性因子に関する検査が実施されており、最も多く検出された病原体はアデノウイルス及びSARS-CoV-2であった。イングランド及びスコットランドでは、それぞれ75.5 %及び50 %の症例でアデノウイルス陽性と判定された。英国の調査での11例のサブタイピングにより、これらすべてのアデノウイルスがF種41型であることが明らかにされた。これは米国から報告された一部の症例で確認されたものと同じサブタイプである。また、英国で調査された症例のうち、いくつかの血液以外の検体で他のアデノウイルスが見つかっている。EU/EEAでの検査に関する情報は不完全だが、報告された症例のうち11例がアデノウイルスに陽性と判定された。英国では、最近1?4歳の子供の糞便検体におけるアデノウイルスの検出に顕著な超過が見られるなど、例年の陽性数と比較して、地域社会における多くのウイルスの検出の統計的な超過が報告されている。
 トローリング質問調査(trawling questionnaire)に基づく英国の症例に関する初期の疫学調査では、注記すべき共通のばく露(食品、医薬品、又は毒物など)を特定することはできなかった。英国の調査の一環として、症例から採取した検体の毒性学的分析が進行中である。スコットランドの調査では、2組の症例について疫学的な関連性が報告されたが、その他のクラスターは報告されていない。すべての報告国において、これまでの症例の大部分は、過去に重大な病歴を有していない。
 これらの調査に基づけば、現在の有力な仮説は、通常環境であれば軽症となるアデノウイルス感染症に罹患した幼児に影響を及ぼすコファクター(cofactor)が、より重症の感染症又は免疫介在性の肝障害を誘発する、というものである。他の病因(他の感染性又は毒性物質など)についてはいまだ調査中であり、除外されてはいないが、妥当性は低いと考えられる。当該疾患の病理及び伝播経路もまだ不明である。当該疾病は非常に稀であり、ヒトからヒトへの伝播に関するエビデンスも明らかでなく、EU/EEAでの症例は散発的であり、傾向も不明である。そのため、欧州の小児集団のリスクを正確に評価することはできない。しかしながら、急性肝不全を起こし、肝移植を必要とする症例が報告されていることを考慮すると、影響を受ける小児集団に対する潜在的影響は大きいと考えられる。高度な専門性を有する小児集中治療及び移植サービスへのアクセスが転帰にさらに影響する可能性がある。病因が不明であり、小児集団が影響を受けること、また重篤な転帰となる可能性があることを考慮すると、現在当該疾病は懸念される公衆衛生事例である。
 EU/EEA諸国は、症例に関する詳細な疫学的、臨床的、ウイルス学的情報、及び毒性学的分析を含むその他の情報を収集するための国レベルのサーベイランスをできるだけ早く確立することが不可欠である。最近の感染、個人的及び環境的決定因子など、他の要因及び潜在的なコファクターを検討する分析的研究の中で、仮説検証のための追加情報を収集すべきである。感染及び重症化のリスク要因の特定、可能性のある伝播経路の調査、完全な臨床スペクトルの記述、同じ病因が年齢や他の条件によって異なる臨床症状を引き起こすかどうかの確認を行うための具体的な研究を設計する必要がある。ECDCは、このような研究の立ち上げを計画しているEU/EEA諸国に対しガイダンスを提供し、調整を行う予定である。
 今後の調査では、地域社会で循環している急性ウイルス感染症(特にアデノウイルス)の年齢別の基礎レベルや、それが通常予想されるレベルを超えているかどうかの評価が含まれる。
 公衆衛生当局は、積極的な症例の発見及び新規症例の報告の必要性について情報提供するために小児科医、開業医及びその他の医療専門家と意思疎通を図る必要がある。
 発症後早期に、症状のある子供の適切な検体を用いてアデノウイルス及びその他の肝炎を引き起こす可能性のあるウイルスに関する検査を行う必要がある。ECDCは、原因病原体やコファクターの特定を支援するための、一連の広範な検査を推奨している。
 症例定義を満たす症例は、できるだけ早く欧州サーベイランスシステム(TESSy)に報告すべきである。更なる検査結果が得られれば、症例記録を更新することができる。
 病因が不明なため、現段階では有効な管理措置を定義することはできない。幼い子供は、アデノウイルスなどのウイルスへ糞便を介し経口ばく露(faecal-oral exposure)する可能性が高い。したがって、幼児のいる環境では、一般的な衛生慣行(入念な手指衛生、清掃及び表面の消毒など)の強化が推奨される。
 当該リスク評価書は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/RRA-20220420-218-erratum.pdf
 当該肝炎の報告プロトコル(2022年4月29日付)は以下のURLから入手可能。
https://www.ecdc.europa.eu/sites/default/files/documents/Hepatitis-of-unknown-origin-Reporting-Protocol_1.pdf
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
情報源(報道) 欧州疾病予防管理センター(ECDC)
URL https://www.ecdc.europa.eu/en/publications-data/increase-severe-acute-hepatitis-cases-unknown-aetiology-children

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