食品安全関係情報詳細
| 資料管理ID | syu05800280294 |
| タイトル | 世界保健機関(WHO)、欧州における広範囲薬剤耐性(XDR)ソンネ赤痢菌(Shigella sonnei)感染に関する情報を公表 |
| 資料日付 | 2022年3月24日 |
| 分類１ | --未選択-- |
| 分類２ | --未選択-- |
| 概要（記事） | 世界保健機関(WHO)は3月24日、欧州における広範囲薬剤耐性(XDR)ソンネ赤痢菌(Shigella sonnei)感染に関する情報を公表した。概要は以下のとおり。 WHOは、2022年2月4日、2021年後半以降に英国及び北アイルランド、並びにWHO欧州地域の他の複数か国で報告された広範囲薬剤耐性(XDR)ソンネ赤痢菌による症例数が異常に多くなっているという通知を受けた。ほとんどのソンネ赤痢菌感染症の罹患期間は短く、死亡する割合は低いが、多剤耐性(MDR)及びXDRの細菌性赤痢では、中程度から重度の症例向けの治療の選択肢が非常に限られるため、公衆衛生上の懸念となっている。 1. 英国の状況 英国は現在、XDRソンネ赤痢菌による84症例の一つのクラスターを調査している。検体採取日は2021年9月4日から2022年3月1日までである。この数は、2020年4月1日から2021年8月31日までの17か月間で16症例(いずれもXDRではなかった)であったことと比較されるが、この期間中の症例通知率は、COVID-19パンデミック管理措置のために過小評価されていた可能性がある。調査されたクラスターの症例は、イングランド、スコットランド及び北アイルランドの全ての地域に分布している。 調査中、37例が聞き取り調査を受け、そのうち46 %(17/37)が救急治療を受け、24 %(9/37)が入院した。男性間性交渉者(MSM)の性感染症を含む、直接的なヒトからヒトへの伝播が、聞き取り調査を受けた症例の中で最も多く報告された感染経路として特定された。37例全てが、様々な種類の抗菌性物質(ペニシリン、第3世代セファロスポリン系、アミノグリコシド系、テトラサイクリン、スルホンアミド系、キノロン系及びアジスロマイシン)に非感受性であることが報告されており、重症例の治療の選択肢を非常に限定的なものにしている。 2. WHO欧州地域の他の国の状況 2022年3月17日の時点で、欧州地域の少なくとも、さらに9か国が、XDRソンネ赤痢菌に感染した複数の症例を含むソンネ赤痢菌による症例を報告している。これら症例は、英国で報告されたものと類似した薬剤耐性プロファイルを示している。 国名／報告された症例数又は検体数の順に記載。 (1)オーストリア／9例、(2)ベルギー／20例(無作為抽出された薬剤耐性S. sonneiの検体)、(3)デンマーク／XDR細菌性赤痢の2例、(4)フランス／100を超える分離株、(5)ドイツ／14例、(6)アイルランド／XDR細菌性赤痢の8例(追加の2例が調査中)、(7)イタリア／6例、(8)ノルウェー／6例、(9)スペイン／30例 3. 細菌性赤痢の疫学 細菌性赤痢は、ソンネ赤痢菌を含む四種の赤痢菌の一つによって引き起こされる胃腸感染症である。同細菌は感染用量の非常に低い病原体である。 赤痢菌は感染者の腸管内に見られ、ヒトとヒトとの接触、感染者の糞便との接触、又はハエ、媒介物、汚染された食品又は水の摂取等の間接的な接触によって、糞口経路を介して伝播する可能性がある。無症候性保菌者も当該疾病を伝播する可能性がある。持続的な性行為感染は、細菌性赤痢の重要な感染経路になっている。 XDRソンネ赤痢菌の症例は、豪州及び米国で以前に報告されている。 細菌性赤痢は、ほとんどの低中所得国(LMIC)で風土病化しており、世界中の出血性下痢の主要原因である。毎年、少なくとも8 ,000万症例の出血性下痢と70万人の死亡の原因となっていると推定されている。ほぼ全て(99 %)の赤痢菌感染がLMICで発生している。 4. WHOのリスク評価 これまでのところ、XDRソンネ赤痢菌感染症例は、監視能力が高く、水と衛生(water , sanitation and hygiene: WASH)基準が高い国でのみ報告されている。ただし、感染後の赤痢菌の長期にわたる保菌、無症候性保菌者の潜在的な役割、及び非常に低い感染用量は、XDR株が世界的に拡散される可能性のある要因である。XDRソンネ赤痢菌が、WASH状態が最適ではない、資源が限られた国々に侵入した場合、子供を含めて高い致死率を伴う可能性がある、大規模な下痢性疾患の集団発生のリスクがある。 5. WHOの勧告 予防：赤痢菌の伝播の低減には、石けんと水による手洗いを含む一般的な衛生対策が重要である。赤痢菌によって引き起こされる出血性下痢の予防は、主に、ヒトからヒトへの伝播を含む、地域社会内での当該細菌の拡散を防ぐための対策に依存している。これらには、石けんによる手洗い、安全な飲用水の利用可能性の確保、ヒトの排泄物の安全な処理、乳幼児の母乳育児、食品の安全な取り扱い及び加工、並びにイエバエの防除等がある。伝播の低減のため、症状のある人は性的接触を避けるべきである。 |
| 地域 | その他 |
| 国・地方 | その他 |
| 情報源（公的機関） | 世界保健機関（WHO） |
| 情報源（報道） | 世界保健機関（WHO） |
| URL | https://www.who.int/emergencies/disease-outbreak-news/item/extensively-drug-resistant-shigella-sonnei-infections---europe |
（※注）食品安全関係情報データベースに関する注意事項
本データベースには、食品安全委員会が収集した食品安全に関する国際機関、国内外の政府機関等の情報を掲載しています。
掲載情報は、国際機関、国内外の政府機関等のホームページ上に公表された情報から収集したものですが、関係する全ての機関の情報を確認しているものではありません。また、情報内容について食品安全委員会が確認若しくは推薦しているものではありません。
掲載情報のタイトル及び概要（記事）は、食品安全委員会が和訳・要約したものであり、その和訳・要約内容について情報公開機関に対する確認は行っておりませんので、その文責は食品安全委員会にあります。
情報公表機関からの公表文書については、個別項目の欄に記載されているURLからご確認下さい。ただし、記載されているURLは情報収集時のものであり、その後変更されている可能性がありますので、ご了承下さい。
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