食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05790660307
タイトル スペイン食品安全栄養庁(AESAN)、「Cimicifuga racemosaの根/根茎を原材料に含む食品サプリメントの消費に関連するリスクについての報告書」を公表
資料日付 2022年3月10日
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分類2 -
概要(記事)  スペイン食品安全栄養庁(AESAN)は3月10日、「Cimicifuga racemosaの根/根茎を原材料に含む食品サプリメントの消費に関連するリスクについての報告書」を公表した(2021年11月24日AESAN科学委員会承認)。概要は以下のとおり。
 ブラックコホシュ(black cohosh)として知られるCimicifuga racemosa (L.) Nutt.の根又は根茎の抽出物は、伝統的に月経前症候群、更年期障害、その他の婦人科疾患を含む様々な症状の治療に用いられており、世界保健機関(WHO)及び欧州医薬品庁(EMA)はこの用途を認めている。スペインでは、Cimicifuga racemosaを含む製品は、植物ベースの医薬品として、あるいは食品サプリメントとして販売されている。
 食品会社及び食品の一般健康登録(RGSEAA)に登録されているCimicifuga racemosaを含有する食品サプリメントをランダムに抽出すると、それらの形態に統一性はなく、含有量には非常に幅があることが確認された。
  2006年、スペイン医薬品・医療機器庁(AEMPS)は、Cimicifuga racemosaの根茎抽出物の使用と急性肝障害との関連性に関する情報文書を発表し、この点に関する一連の勧告を示した。
 これを受けAESAN科学委員会は、Cimicifuga racemosaを原材料として含有する、食品サプリメントの消費による潜在的毒性に関する既存の科学的エビデンスのレビューを実施した。
 プラセボと比較したCimicifuga racemosa抽出物の更年期症状に対する有効性は、最近のメタアナリシスで実証されている。ところが、この科学的根拠は植物由来医薬品にのみ確立されており、食品サプリメントに対しては確立されていない。
 安全性に関して、Cimicifuga racemosaの標準化された抽出物は、一般的に良好な忍容性を有することが科学文献で示されている。Cimicifuga racemosaの肝毒性作用の可能性については、これまでの科学的研究において、そのエビデンスは得られていない。しかし「ブラックコホシュ」と表示された製品は、臨床の場において、製品の用量、純度、由来、調製、及び使用と症状発現の時間的関係についてのデータが乏しかった肝障害のいくつかの症例と関連している。したがって、Cimicifuga racemosaの摂取と肝障害の関係性については議論の余地がある。最新のデータでは、Cimicifuga racemosaを含む食品サプリメントの摂取と肝障害の間に因果関係はないことが示唆されている。しかし、この種のサプリメント摂取の安全性を適切な方法論で分析した研究が不足していることで、これらの現在市販されているサプリメントの用量及び抽出物の種類が肝毒性と関連しているとも断定できないため、肝機能が低下している人にはその使用は推奨されない。
 また、医療関係者、研究者及び使用者には、この種のサプリメントと因果関係があると思われる重大な副作用を、適切な機関に報告することが求められ、規制当局は市販後調査制度を整備する必要がある。さらに、Cimicifuga racemosaを含有する食品サプリメントについては、成分及び表記内容が実際の成分と一致しているかを確認するための標準化が必要である。
 最後に、Cimicifuga racemosaを含有する食品サプリメントの有効性と安全性について結論を出すにあたっては、適切な方法論に基づいた臨床試験を推進することが必要である。
 当該報告書(PDF版23ページ、スペイン語)は以下のURLから入手可能。
https://www.aesan.gob.es/AECOSAN/docs/documentos/seguridad_alimentaria/evaluacion_riesgos/informes_comite/CIMICIFUGA_RACEMOSA_COMPLEMENTOS.PDF
地域 欧州
国・地方 スペイン
情報源(公的機関) スペイン食品安全栄養庁(AESAN)
情報源(報道) スペイン食品安全栄養庁(AESAN)
URL https://www.aesan.gob.es/AECOSAN/web/seguridad_alimentaria/subdetalle/todos_informes.htm
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