食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05740370149
タイトル 欧州食品安全機関(EFSA)、複数の化合物への複合ばく露のヒトのリスク評価のための、化合物を評価グループに分類する科学的基準に関するガイダンス文書を公表
資料日付 2021年12月17日
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概要(記事)  欧州食品安全機関(EFSA)は12月17日、複数の化合物への複合ばく露のヒトのリスク評価のための、化合物を評価グループに分類する科学的基準に関するガイダンス文書(2021年11月17日採択、37ページ、doi: 10.2903/j.efsa.2021.7033)を公表した。概要は以下のとおり。
 本ガイダンス文書では、各成分に基づく手法の観点から、化合物をヒトの健康に関する評価グループに分類するための科学的基準の使用について検討する。科学委員会は、化合物全体からリスク評価を開始することは実現可能でないと認識している。実際には、法的要件や特定の懸念によって、一緒に評価すべき化合物が事前に定義されることが多く、評価は委任事項(ToR)において特定の化合物グループ(植物保護製剤、汚染物質等)に限定される。このように、化合物のグループ又はその成分が特定され、グループ化はしばしば実用的な考慮事項、規制基準、科学的基準に基づき行われる。その後、利用可能なハザードデータを収集し、予備的な評価グループを作成することができる。規制基準はほとんどの場合、法律上の要件に基づきリスクマネジャーがToRの中で設定し、共通の規制領域に基づく予備評価グループを提供することができる。グループ化のための科学的基準はハザードに基づき、対象となる個々の化合物の毒性学的及びトキシコキネティックスの特性の類似性を利用している。優先順位付けの方法は、特に資源が限られている場合に、実用的な手段でグループ化を検討する化合物の数を絞り込むためのグループ化も支援する。これらの方法は、リスクに基づく又はばく露を重視しており、複合的なリスクにわずかにしか寄与しない化合物を特定するための選択肢を提供する。そのような化合物は「優先度の低い化合物」と呼ばれ、さらなるグループ化から除外される可能性がある。
 ハザードを重視した基準をグループ分けに適用するためには、毒性に関する利用可能なエビデンスを収集し、重み付けを行い、統合するためのエビデンスの重み付け(WoE)手法が必要である。毒性に関する機構(mechanistic)情報を基準として使用し、一方で毒性及びトキシコキネティックの特徴(体内負荷量(body burden)等)も考慮し、化合物を評価グループに分類するためのハザードを重視する基準を適用する枠組みを提案する。実際には、有害転帰経路(AOP)に関する知識が得られれば、グループ化の不確実性は最も低くなり、次に評価対象の化合物の作用機序(MoA)に関する知識が得られる。現象学的な影響や標的器官への毒性を用いたグルーピングは、より高い不確実性に繋がる。(毒性学的情報がない、または乏しい)データ不足の化合物が「in vitro又はin silicoの橋渡しデータ」を用いて新たなアプローチ方法(NAMs)のバッテリーの一部としてデータの豊富な化合物と一緒に評価グループに含まれる可能性がある。しかしながら、その結果としての不確実性は高くなる。MoA情報を使用した化合物をグループ化するための一般的な構造化されたエビデンスの重み付け手法が付録Bに記載されている。
 構造の類似性も、化合物を評価グループに分類するための基準として利用できるが、成分の類似性評価の信頼性を高めるためには、複数の特徴(化合物のクラス、共通の官能基、共通の前駆体や分解生成物等)を考慮する必要がある。また、経済協力開発機構(OECD)のQSAR Toolboxのように、関連する物質の同定を支援するソフトウェアツールもいくつか存在する。この目的のために、分子ドッキングやさまざまな機械学習ツールなど、多くのin silico手法が利用可能である。しかし、同じ特性を予測するためには、エビデンスの重み付けを使用して、各モデルの適用領域を評価し、複数のモデルの結果を統合することが不可欠である。また、特にMoAや毒性に影響を与える可能性がある特定の化合物の部分や構造的特徴の存在に関して、化合物間の類似性と非類似性の両方を評価することも重要である。トキシコキネティックデータも、特に一つの種類の化合物の代謝情報が利用可能で毒物学的に関連した共通の代謝物が共有されている場合にグループ化に役立つ。
 ガイダンス文書には、評価すべき化合物の数が先験的に膨大で、リソースが限られている場合に適用される優先順位付けの方法が含まれている。これらは、グループ化のために、又はすでに作成された評価グループ内で検討される化合物数を減らすための手段である。そのため、ヒトに同時に存在する可能性が低い、あるいは複合的なリスクにわずかに寄与するだけの化合物は、グループ化の優先度が低いと考えられる。このような優先度の低い化合物を定義するために適用されるカットオフ値は、評価の状況や使用される優先順位付けの方法によって異なり、実証化し正当化する必要がある。これらの方法には、複合リスク及び単一リスク手法に基づくアプローチ、及びばく露に重点を置く手法を含む。関連する統計的手法の説明と実際の例は、付録C、D、Eに記載されている。
 化合物を評価グループに分類するために提案された科学的基準の適用可能性と実施を試験するための今後の作業についての提言がなされている。具体的なケーススタディを用いたEFSAの関連パネルでのテスト段階を提案する。さらに、データ交換や手法・ツールの調和を促進するために、この分野における諸機関の間、加盟国間、国際的な協力が必要である。ハザードを重視する基準の実施を支援するために、OpenFoodToxデータベースのさらなる更新と、化学的特性に関するデータを構造化するためのOECDの国際整合規格(international harmonised standards)の使用を提案する。さらに、化合物を評価グループ化する過程においてEFSAパネルを横断した乖離を回避するために調整されたエビデンスの重み付け手法が適用されるべきである。最後に、化合物のグループ化を支援するために、in silico手法(QSAR、生理学に重点を置いたキネティック(PB-K)モデル等)の開発及び実施も推奨される。
 優先順位付けの方法に関して、科学委員会は、規制要件、データの入手可能性、対象となる化合物の数の観点から、リスク指標のカットオフ値の妥当性を特定し試験することを推奨する。出発点として、複合リスクに対する単一化合物の寄与率を10%以上とするデフォルト値を提案する。
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州食品安全機関(EFSA)
情報源(報道) 欧州食品安全機関(EFSA)
URL https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/7033
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