食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05690940160
タイトル 英国食品基準庁(FSA)、食品安全に関するメッセージのコミュニケーションを調査した研究結果を公表
資料日付 2021年9月30日
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概要(記事)  英国食品基準庁(FSA)は9月30日、食品安全に関するメッセージのコミュニケーションを調査した研究結果を公表した。概要は以下のとおり。
 当該定性調査では、一般消費者の行動変化を促すための最善策への理解を深めるため、COM-Bの要素が活用された(注※:後述)。これらの要素は、FSA Food Safety Communication Toolkitの枠組みの策定に使われた。
 調査研究報告書「6. サマリー及び結論」
 当該調査研究は、一般の人たち向けに行う食品安全上の発信を行う場合の、現在の消費者の行動のドライバーや、オーディエンス間でのドライバーのばらつきを探ることが目的であった。以下に示す当該定性的調査研究から得られた主な結論は、(注※)COM-Bの要素である「能力(capability)、「動機(motivation)」、及び「機会(opportunity)」を思案しつつ、消費者動向の変化をフォローするための更なる考察への一助となる。
 一般的に、家庭での食品安全は、参加者が躊躇なく取り組む課題であった。人々は、安全に食品を取り扱い、調理する人物の重要性を認識していた。予想されるとおり、食品に関連する個人レベルでの態度及び体験には大きなばらつきが見られた。同様に、食品の調理、取り扱い及び保存に関するリスクが消費者に考慮されている程度についても明確な相違が見られた。
 したがって、調理に対する自信の度合が、食品安全に対する考え方の重要なドライバーであり、当該調査研究において試された種々のアプローチのドライバーであった。この自信は、個人的な調理経験と最も強く関連していたため、年齢と共に上昇する傾向があった(ただし、常に相関性が見られた訳ではない)。COM-Bフレームワークは、個人が心理的及び物理的に望ましい行動を確実に実行可能とするために、個人の能力を構築することの重要性を強調している。本調査研究から、この能力の構築を目的とするコミュニケーションへの反応は、既に存在している自信という感情に強く影響されることが判明した。この自信は、食品リスクへの行動に対する態度にも影響を与える可能性があり、リスクが低いと認識される場合、「リスク」が変化のため動機として機能する可能性は低い。
 被検者の多くは、食品の下準備、加熱調理及び保存に安心感を覚え、自分自身が引き起こす食品安全リスクへの懸念はなかった。自信の度合いが高い消費者ほど、既に自分の行動が自分と他人を安全に保っていると感じていた。多くは、過去に問題を経験していないことを理由に挙げた。こうした被検者は、自分が知らなくて驚いた食品安全に関する科学を組み合わせて、最も深く関与し、その結果として自分がどう行動すべきかを明確に説明することができた。重要な点は、新情報及びそれに関連する行動は、既知の内容に照らし合わせて信頼できると見なされる必要があったということである。
 予見されるとおり、自信の度合いが低い消費者ほど、食品安全に関する疑問も多くなった。全員ではないものの、多くは、食品の取扱や調理に関する更なる学習を受け入れる気持ちがあった。このような消費者は、食品安全の基本に関する安心を得たいと考えており、その場合の食品安全の基本とは、自分及び他人を安全に保つために取ることのできる単純かつ達成可能なステップと関連していた。
 他の被験者は、調理経験が必ずしもないわけではなかったが、食品安全に関する懸念がより大きかった。多くの場合、自分が或いは友人や知人が以前に食中毒を経験したことが理由である。或いは、細菌全般に対して不安を感じていたからである。彼らは、特に視覚的観点から、強い感情的反応を引き起こすように設計されたアプローチに基づいて、不安が増大すると説明した。食中毒に対する既存の懸念又は細菌に対する一般的な不安は、食品安全上の行動を取る動機付けの理由となるが、調査研究からは、どのようなコミュニケーションであれ、これらを経験した消費者は慎重に考慮する必要であることが示された。
 本調査結果はまた、詳細に探究することは本調査研究の対象範囲外であるものの、食品安全慣行に関しては文化的差異が存在することが示唆した。これらに関しては特に、少数民族のバックグラウンドを持つ参加者は、「一般的に推奨されている行動とは異なる」と彼らが説明した特定の行動を認識し、議論した。これらの行動を実行する動機は、家族や家族より広いコミュニティの経験に極めて強固に根ざしており、悪影響を与えることなく世代を超えて実践されてきた。したがって、これらの行動に疑問を呈することは、食品安全メッセージの信頼性に関する疑念を引き起こす可能性がある。
 食品安全メッセージの明確性及び信頼性は重要であった。食品安全行動に対する明確な根拠、実用的かつ簡潔なガイダンスを提供し、科学用語や情報を参照することは、全て、人々を引き付けるために役立つ。情報提供のチャネル及びメッセンジャーは、メッセンジャーへの信頼が重要な役割を果たすことにより、メッセージの信頼性を証拠立てることも可能とする。本調査研究から、明確で信頼できるコミュニケーションは、望ましい行動を実行するための意識及び能力を、人々に構築する一助となり得ることが示唆された。
 食品に関する安全な行動に関するコミュニケーションを行う機会を特定する際は、個人レベルでの反響が重要であることが明らかになった。コミュニケーションにおいて描かれるシナリオは、このような反響と容易に関連付けられる必要がある。
 変化への動機付けとなる感情面での反応を喚起するためのコミュニケーションは、多様な反応を引き起こしたことから、このような種類のアプローチは慎重に利用すべきであることが示唆された。
 最後に、COM-Bの構成要素である「能力」、「動機」及び「機会」の相互反応は複雑である。このことは、詳細な反応を追求するためには、一般消費者を対象に行う特定のコミュニケーションを試験することの重要さを強調している。
 これらの結果は、将来の食品安全上のコミュニケーションを策定において主要原則及び指針となるFSA Food Safety Communicationsのツールキットの開発に使われている。
 詳細(79ページ)は以下のURLから入手可能。
https://www.food.gov.uk/sites/default/files/media/document/fsa-consumer-food-safety-communications-research-report_0.pdf
地域 欧州
国・地方 英国
情報源(公的機関) 英国食品基準庁(FSA)
情報源(報道) 英国食品基準庁(FSA)
URL https://www.food.gov.uk/research/research-projects/fsa-consumer-research-to-explore-communications-on-food-safety-messaging
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