食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05690010109
タイトル 米国下院監視・改革委員会の経済消費者政策小委員会、「新たな開示により、更なる乳児用食品中の危険なレベルの有害重金属が示されている」と題するスタッフレポートを公表
資料日付 2021年9月29日
分類1 --未選択--
分類2 --未選択--
概要(記事)  米国下院監視・改革委員会(Committee on Oversight and Reform
, U.S. House of Representatives)の経済消費者政策小委員会は9月29日、「新たな開示により、更なる乳児用食品中の危険なレベルの有害重金属が示されている」と題するスタッフレポート(25ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
 2021年2月4日、経済消費者政策小委員会は、「乳児用食品は危険なレベルのヒ素、鉛、カドミウム及び水銀で汚染されている」と題するスタッフレポートを公表した。当該スタッフレポートにより、Nurture社、Beech-Nut社、Hain社及びGerber社によって製造された乳児用食品中の危険なレベルの有害重金属が公けとなった。
 2021年2月4日のスタッフレポートの時点では、Campbell 社(Plum 社)、Walmart社及びSprout 社の3社は小委員会が要求した文書及び情報を提供していなかった。スタッフレポートの公表後、3社は、程度は様々であったが協力を開始した。
 6月、Beech-Nut社は、アラスカ州の公衆衛生当局によって確認された有害重金属の存在により、一部の乳児用食品のリコールを発表した。Gerber社は、同社の製品がBeech-Nut社の製品と同様の無機ヒ素レベルであったにもかかわらず、何の対応策も講じなかった。
 調査結果
1. アラスカ州が実施した米国食品医薬品庁(FDA)の資金提供による検査では、Beech-Nut社及びGerber社の乳児用米シリアルの複数検体に、FDAの100ppbの制限(すでに危険な高さの基準であり、現在FDAが引き下げている)よりも多くの無機ヒ素が含まれていることが確認された。Beech-Nut社はリコールを行ったが、アラスカ州の検査で100 ppbを超えるものが含まれていると判明した6検体のうち2検体だけに関連する製品コードに限定した。Gerber社は、検査で100 ppbを超えた乳児用米シリアル2検体に関連する製品のいずれもリコールしなかった。
・Beech-Nut社の米シリアルは、最大125 ppbの無機ヒ素、平均85.47 ppbの無機ヒ素を検出した。
・Beech-Nut社が有害重金属について最終製品ではなく、原材料を検査するという慣行が、リコールされた製品の危険な無機ヒ素レベルを検出できなかった一因となっているようである。
・Gerber社の米シリアルは、無機ヒ素が最大116 ppb、平均87.43 ppb含まれていた。
・Gerber社の有機米シリアルは危険であり、無機ヒ素が最大76 ppb、平均65.6 ppb含まれていた。
2. ほとんどの乳児用食品業界で使用されている有害重金属の検査慣行には欠点があり、自社製品の有害重金属含有量を過小評価している。当該小委員会は2月4日のスタッフレポートにおいて、ほとんどの乳児用食品メーカーが最終製品を全く検査していないことを確認した。代わりに、各社は個々の原材料のみを検査し、それらの結果を使用して、最終製品の有害重金属レベルを推定している。メーカー1社(Hain社)の推定には甚だしい誤りがあった:有毒重金属レベルはその最終製品で28 %から93 %過小評価されていた。小委員会は、全てのメーカーが最終製品の検査を採用するよう勧告した。
・Beech-Nut社は原材料検査法を使用し、乳児用米シリアル中の高レベルの無機ヒ素を検出できなかった。最終製品の検査では、同社の製品に最大125 ppbの無機ヒ素が含まれていたことが分かった。
・Sprout社は有害重金属についての原材料の検査は原材料供給業者に依存しているが、「年に一度」だけ検査するように依頼している。Sprout社の検査方法は、乳児用食品メーカーの中で最も無謀なようである。
3. 小委員会が入手した社内文書及び検査結果によると、Plum社の乳児用食品は高レベルの有害重金属で汚染されている。
・ヒ素:2017年から2019年の間に検査したPlum社のSuper Puff米原料製品の100 %で、200 ppbを超えるヒ素が含まれていた。Plum社の平均的なSuper Puff製品には、79 ppbの無機ヒ素を含む233.74 ppbのヒ素が含まれていた。Plum社の製品には、最大470 ppbのヒ素及び最大225 ppbの無機ヒ素が含まれていた。(FDAがボトル入り飲料水で許可している無機ヒ素の最大レベルは10 ppb、乳児用食品安全法では乳児用シリアルの無機ヒ素の最大レベルは15 ppb)
・鉛:Plum Organics製品の54.5 %が5 ppbを超えている。(5 ppbは、FDAがボトル入り飲料水で許可している最大量)
・カドミウム:Plum Organics製品の38.3 %が5 ppbを超えている。(5 ppbは、FDAがボトル入り飲料水で許可している最大量)
4. 2018年、Walmart社は、有害重金属からの乳児の保護に逆行する大きな一歩を踏み出した。 同社は6年間、乳児用食品最終製品の内部最大無機ヒ素制限を23 ppbに設定した。 しかし、2018年に同社は、そのより保護的な基準を放棄し、基準値を4倍以上にし、乳児用食品に100 ppbの無機ヒ素を許容した。Walmart社は、乳児の神経学的発達を保護する上で、同社の極端な方向転換を正当化できる理由を示さなかった。
5. 小委員会の勧告
・FDA:
(1)有害重金属最大レベルをより早期に発行する:最近のBeech-Nut社及びGerber社の検査結果は、後ではなく、より早期の措置が必要であることを示している。小委員会の2021年2月4日のスタッフレポートに対応し、FDAは行動計画「ゼロにより近づける(Closer to Zero)」を作成し、乳児用食品中の鉛、ヒ素、カドミウム及び水銀の、草案及び最終的な制限を公表するスケジュール案を設定した。ただし、FDAのスケジュール案は遠い将来のことである。FDAは、これらの有害重金属の最終的な制限を公表するための提案されたスケジュールを加速する必要がある。
(2)最終製品検査の義務化:小委員会の調査は、不正確な個々の原材料の検査に基づいて有害重金属レベルを推定することは危険であることを示した。なぜなら、これらの検査により有害重金属レベルが過小評価されるからである。FDAは、乳児用食品メーカーに各社の最終製品の検査を要求する必要がある。
・業界:
(1)最終製品検査の採用:FDAが乳児用食品メーカーに最終製品での有害重金属検査を要求しない場合、業界は自主的にその慣行を採用する必要がある。これは各社製品における国民からの信頼回復に向けての簡単な一歩である。
(2)有害原材料の自主的な段階的廃止を行う:乳児用食品メーカーは、有害重金属を多く含む原材料の代替品を自主的に見つける必要がある。適切な代替品が見つからない場合は、米のように頻繁に有害重金属を多く含有している原材料を多く含む製品を段階的に廃止すべきである。
地域 北米
国・地方 米国
情報源(公的機関) その他
情報源(報道) 米国下院監視・改革委員会(Committee on Oversight and Reform U.S. House of Representatives)
URL https://oversight.house.gov/sites/democrats.oversight.house.gov/files/ECP%20Second%20Baby%20Food%20Report%209.29.21%20FINAL.pdf
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