食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05680470305
タイトル 欧州連合(EU)、特定の食品類におけるトロパンアルカロイドの最大値に関して規則(EC) No 1881/2006を改正する委員会規則(EU) 2021/1408を官報にて公表
資料日付 2021年8月30日
分類1 -
分類2 -
概要(記事)  欧州連合(EU)は8月30日、特定の食品類におけるトロパンアルカロイドの最大値に関して規則(EC) No 1881/2006を改正する委員会規則(EU) 2021/1408を官報にて公表した(PDF版4ページ)。概要は以下のとおり。
 委員会規則(EC) No 1881/2006は、トロパンアルカロイドを含め、食品に含有される特定の汚染物質の最大値を規定する。
 アトロピンは、(-)-ヒヨスチアミンと(+)-ヒヨスチアミンのラセミ混合物であり、そのうち(-)-ヒヨスチアミン・エナンチオマーのみが抗コリン活性を示す。分析上の理由から、ヒヨスチアミンのエナンチオマーを識別不可能な場合もあるが、植物におけるトロパンアルカロイド生合成では、(-)-ヒヨスチアミンと(-)-スコポラミンは産生されるが、(+)-ヒヨスチアミンと(+)-スコポラミンは産生されないため、植物由来食品に含有されるアトロピン及びスコポラミンの分析結果は、(-)-ヒヨスチアミン及び(-)-スコポラミンの含有量を反映する。
 欧州食品安全機関(EFSA)は、2013年に食品及び飼料中のトロパンアルカロイドに関する科学的意見書を採択し、(-)-ヒヨスチアミンと(-)-スコポラミンが同等の効力を有すると想定して、両トロパンアルカロイドの総計に対して、0.016μg/kg体重のグループ急性参照用量(ARfD)を設定した。EFSAは、入手可能であった限定的な情報に基づき、幼児(toddlers)における食事性ばく露は、当該グループARfDを相当に超過する可能性があると結論し、天然に、或いは、汚染物質として含有される、食品及び飼料中のトロパンアルカロイドをさらに正確に特性決定する必要性を強調し、穀類及び油糧種子中のトロパンアルカロイド含有量に関して、分析データの総括を推奨した。
 当該科学的意見書の結論を考慮し、きび、ソルガム、そば、或いは、それらの派生製品を含有する乳幼児向けの穀類加工食品及びベビーフードに対して、欧州委員会規則(EU) 2016/239により、アトロピン及びスコポラミンの最大値が規定された。
 2013年の科学的意見書の推奨事項に従い、EFSAは、連合域内の多様な地域において製造された、広範囲に渡る植物由来食品に含有されるトロパンアルカロイドの濃度を調査するための提案を公表し、2016年12月に調査結果を公表した。
 2018年2月、EFSAは、新たな含有量データを考慮し、連合内の集団におけるトロパンアルカロイドへの急性食事性ばく露の評価に関する科学的報告書を公表した。複数の急性ばく露推定値が、複数の集団のARfDを超過することが示され、トロパンアルカロイド、特にアトロピン及びスコポラミンの存在が健康上の懸念となっていた。
 したがって、当該トロパンアルカロイドを高濃度で含有し、集団のばく露を助長することが判明した食品類、すなわち、特定の穀類、穀類由来製品、及びハーブ煎じ液に対し、当該トロパンアルカロイドの最大値を設定する必要がある。ばく露に寄与する食品群の内、穀類及び穀類製品に関しては、適正農業及び収穫規範により、チョウセンアサガオ等のトロパンアルカロイド含有種の種子による作物の汚染は最小限に抑制される。汚染された場合当該種子は、選別及び洗浄により、特定種の穀物からは除去可能であるが、そば、ソルガム、きび、とうもろこしからは容易に除去できない。これらの食品毎に、アトロピン及びスコポラミンの総計に対する最大値は規定される。
 さらに、最新のモニタリングデータから、とうもろこし、或いは、とうもろこし由来製品を含有する、乳幼児向け穀類加工食品及びベビーフードもトロパンアルカロイドで汚染されている可能性が示された。したがって、乳幼児向け穀物加工食品及びベビーフードに対する既存の最大値を、これらの食品類に拡張することは適切と判断される。
 脆弱な集団に対する保護を確保しつつ、適正農業及び収穫規範が導入、或いは、実施されたのはごく最近であることを考慮し、さらに、食品事業者が本規則の規定する新要件に適応することを可能とするため、とうもろこしを含有する乳幼児向け食品以外の食品に関しては、最大値の適用を開始するまでに妥当な期間を設け、適用日以前に合法的に市場投入されたあらゆる食品類に対して、移行期間を設けることが適切である。
(条文省略)
 付属書(規則(EC)No 1881/2006付属書、セクション8、エントリー8.2からの変更箇所を要約)
1. 食品分類「乳幼児向け穀類加工食品及びベビーフード」の原材料として、きび、ソルガム、そばに加え、とうもろこしを新たに追加する。
2. 以下の食品分類に新たに最大値を規定する(0.2~50μg/kg)。2022年9月1日から適用される。
未加工のきび、未加工のソルガム、未加工のとうもろこし、未加工のそば、ハーブ煎じ液等
地域 欧州
国・地方 EU
情報源(公的機関) 欧州連合(EU)
情報源(報道) 欧州連合(EU)
URL https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=uriserv%3AOJ.L_.2021.304.01.0001.01.ENG&toc=OJ%3AL%3A2021%3A304%3ATOC
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