食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05630400307
タイトル スペイン食品安全栄養庁(AESAN)科学委員会、「科学委員会雑誌33号」において「気候変動が食品中のマイコトキシンの含有量に及ぼす影響に関する報告書」を公表
資料日付 2021年5月31日
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概要(記事)  スペイン食品安全栄養庁(AESAN)科学委員会は5月31日、「科学委員会雑誌33号」を発行し、その中で「気候変動が食品中のマイコトキシンの含有量に及ぼす影響に関する報告書」を公表した。概要は以下のとおり。
1. この20年間、食品中のマイコトキシンが増加傾向にあり、この傾向は、特に気候変動に起因していると考えられるが、モニタリングシステムの一般化や高度な分析技術の登場も、この傾向に寄与していると考えられる。
2. 基本的にさまざまなマイコトキシンの産生は、それぞれのケースでマイコトキシンを産生するカビのエコフィジオロジーに依るもので、生態系、特に環境中の湿度や温度、降雨、昆虫の存在が、作物への毒素産生カビの侵入やマイコトキシンの蓄積を決定する要因となっている。そのため、現在の世界中の毒素産生カビの分布は、各地域の気候条件に左右されている。
3. 近年、温暖化が進んでいる温帯地域の穀物には、熱帯・亜熱帯地域に典型的なアフラトキシンを産生するカビが増加し、問題となっているというエビデンスがある。このことが間接的に発生する牛乳中のアフラトキシンM1汚染増加をもたらしている、という話も出ているようである。
4. フザリウム毒素はより複雑だが、さまざまな地域においてF. graminearum(ZearalenoneとDeoxynivalenolの産生かび)、F. poaeとF.langsethiae(特に毒素T2とHT2の産生かび)、F. avenaceum(毒性の低いマイコトキシン産生かび)の発生の増加を伴った、異なるフザリウム属種の地理的再分布があるとみられる。さらに、フモ二シン産生種はより高緯度の地域に移動する可能性がある一方で、フモ二シンのリスクは干ばつが引き金となり、トウモロコシ生産地域で増加する可能性がある。このことは、気候変動の結果として、これらのマイコトキシンの発生に局所的な変動はあっても、大きな世界的な変動があることを必ずしも意味しない。
5. 増え続けるマイコトキシンの問題軽減には、耐性品種開発を含む予防的農業慣行、湿度管理や抗真菌薬(fungistaticos)の使用等の保管過程における優良慣行、選別や洗浄等の物理的除染プロセス、微生物や酵素を使用してマイコトキシンを分解(degradacion)する生物学的除染プロセス、汚染ロットのサンプリング・分析・廃棄等、さまざまな戦略がある。
6. 気候変動が特定の地域からある作物を消滅させ、その作物に寄生している菌類を排除する可能性、あるいは単に極端な条件が毒素産生カビの生存を阻害し、作物は継続できるということになる可能性がある。
 当該報告書はAESAN発行の科学委員会雑誌33号に掲載されており、同誌は以下URLにおいて閲覧可能。https://www.aesan.gob.es/AECOSAN/docs/documentos/publicaciones/revistas_comite_cientifico/comite_cientifico_33.pdf
地域 欧州
国・地方 スペイン
情報源(公的機関) スペイン食品安全栄養庁(AESAN)
情報源(報道) スペイン食品安全栄養庁(AESAN)
URL https://www.aesan.gob.es/AECOSAN/docs/documentos/seguridad_alimentaria/evaluacion_riesgos/informes_comite/MICOTOXINAS_CAMBIO_CLIMATICO.pdf
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