食品安全関係情報詳細

資料管理ID syu05630110314
タイトル ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)、乳児用調製乳中のエルカ酸に由来する健康影響に関する意見書を公表
資料日付 2021年6月4日
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分類2 -
概要(記事)  ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)は6月4日、乳児用調製乳中のエルカ酸(erucic acid)に由来する健康影響に関する意見書(2021年6月4日付け、No. 017/2021)(ドイツ語、PDF版30ページ)を公表した。概要は以下のとおり。
 エルカ酸は、アブラナ科野菜(セイヨウアブラナ等)及び他の植物の油に富む種子に存在する。即ち、なたね油等の植物油はエルカ酸を含有する。
 エルカ酸を恒久的に多量摂取すると心臓の可逆性の脂肪変性に繋がる場合がある。このため、欧州食品安全機関(EFSA)は耐容一日摂取量(TDI)を導出した。更に、欧州委員会は、特定の食品(乳児用調製乳及びフォローアップミルクを含む)におけるエルカ酸の最大規準値(Maximum Level)を設定した。
 本意見書の中で、BfRは、乳児用調製乳、フォローアップミルク及び補完食品を介したエルカ酸摂取に由来する、乳児への考えられる健康影響に関するリスク評価を行った。
 ドイツにおける乳児用調製乳及びフォローアップミルク中のエルカ酸濃度は、欧州連合(EU)の基準(油脂含有量の0.4%)を大幅に下回っていることが示された。実際のエルカ酸含有量を考慮したモデル計算からは、乳児用調製乳、フォローアップミルク及び市販の補完食品を介したエルカ酸摂取は、生後0~12か月の乳児においては健康影響が増大するリスクはないことが示された。
 一方で、乳児用調製乳及びフォローアップミルク中のエルカ酸に関する最大規準値では、乳児用調製乳のみで育てられる(母乳栄養ではない)乳児において、TDIである7mg/kg体重/日を超過する場合がある。したがって、BfRが採用する最悪のケースに基づき、これらの食品に由来する総エルカ酸摂取がTDIを超過することを防ぐための制限方法を研究することが推奨される。
 生後6か月以降の乳児においては、エルカ酸は乳児用調製乳、フォローアップミルク及び補完食(ベビーフード)を介して摂取されると考えられる。なたね油をベビーフード(市販品、自家製を問わず)に添加することは、総エルカ酸摂取量の増加に寄与する可能性がある。
 補完食品の平均摂取量及びエルカ酸含有量(脂質の0.2%以下)(主にドイツの市場で入手できる仕様)を考慮すれば、生後6か月を過ぎた乳児においては、粥に添加するなたね油が小さじ1杯であれば健康影響の増加とはならない。
 唯一の「最悪のケース」として、補完食品の摂取量が平均を上回る場合においては、エルカ酸含有量が添加される油の0.2%を超過する場合、及びエルカ酸を含有する他の食品を使って粥を作る場合に、エルカ酸のTDIを超過する可能性のあるばく露に繋がった。
 BfRは、乳児用調製乳中及びフォローアップミルク中の油脂における総エルカ酸含有量に影響する、なたね油と、エルカ酸を天然に含有しない油との適切な組み合わせが重要であると指摘する。
地域 欧州
国・地方 ドイツ
情報源(公的機関) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
情報源(報道) ドイツ連邦リスク評価研究所(BfR)
URL http://www.bfr.bund.de/cm/343/saeuglingsnahrung-gesundheitliche-risiken-durch-erucasaeure-nicht-zu-erwarten.pdf
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